最近、韓国ドラマが不調なので、日本の時代劇を見るようになった。きっかけは、先日ケーブルTVで見た「椿三十郎」だった。むかし『椿三十郎』を映画館で見た時、つまらなかったことだけ覚えている。また、見直してみるとやはりつまらない。
黒沢明でも才能が枯れていた時期があったのだと思った。まったく『用心棒』の焼き直しだ。当時から、最後の斬り合いが、ホースから血しぶきが出たようなに過剰な仕掛けだけが売り物だった。改めて見てみると、あの黒沢にして時代考証は随分と無視していた。
時代の背景を変えると、かくも、作者は自由な発想になるのが面白い。かと言っても、未来だとこうは行かない。単なるSFなのだ。不思議だね、過去の方が自由だとは。
時代劇は、時代考証に忠実過ぎるとつまらなくなる。いいぐあいの嘘がないとドラマにならないのかもしれない。事実と嘘の配分が心地よかったのが、浅田次郎の『一路』だった。
今は『仕掛け人 藤枝梅安』と云った再放送の時代劇ドラマを見ているが、この分野では、日本は韓国にまだまだ追いつかれていない。しかし、このドラマも終わるというから、次は何を見ようかな。
新しいものになればなるほど、なんとなくつまらない。今の女優さんに「かつら」を被ってもらっても似合わないし、男も似たようなものだし、と思うのは小生だけかもしれませんが。