玄冬時代

日常の中で思いつくことを気の向くままに書いてみました。

強行採決の後はお決まりのゴルフ

2015-09-22 15:24:17 | 時事

何度見てきたことだろう。この二つのシーンの連続。お久しぶりの、昔々のとおりの自民党の強行採決シーン。若いころから何度も見てきて、すっかり目に焼き付いてしまった。彼らはみんな二代目三代目たち、それぞれのお爺さんが、お父さんがやったように、難しい国会運営がやっと終わって、その後は自分たちへの御褒美とばかりにゴルフに興じる。何十年経とうと、相も変わらない風景が繰り返される。

今回の安保法制は、憲法を守らない政治家が、多数決という力で憲法の壁を突き破り、法治国家を内部から剥落させた墓標となった。

ところで、野党は一体何をしたのだろうか。与党の多数決という力の強行採決に、肉体的な力でぶつかって行っただけだった。両者とも、理屈でなく、力なのが、愚かしくも哀しいできごとだった。国民の真意は、今回の安保法制は、憲法改正に関わる重大なことなので、国会ではなく国民の手に委ねることを求めていたのだ。

自民党も、その他野党も、自分たちは国民の代表者で、且つ為政者の側であると考えていた。その裏には、自分たちは国家の支配者でもあるという自負が見え隠れする。しかし、国民は、集団的自衛権なるものは、今の政治家たちには荷が重すぎるとして、国会で決めるなということを主張したのである。

消費税の付加時期を伸ばすかどうかをわざわざ選挙で国民に聞いておいて、戦争に巻き込まれるかもしれない重大な法律の制定をまったく国民に問わない。こんな理不尽な政府はあってはならない。自民党は、未だに国民主権を認めないばかりか、裏表のある姑息で卑怯なやり手婆のような党なのである。野党は、自らの無力を隠蔽して、あくまでも為政者であり続けようとする、夜郎自大で粘着質の与太郎のような党なのである。

どちらにせよ、安保法案の結末は、ああなるのはみんな大人たちは解っていたが、今の若い人たちが国会周辺に集まり、また、憲法に関心を持つようになったことは、この国の僅か70年の民主主義を、彼らがこれからも造って行くのにきっと良いことだろう。また、若者は選挙に行かないと、とんでもなく不実な奴らに戦争に行かされるということの危険を肌で感じたはずだ。それこそが今回の唯一の成果であった。

   壁、それぞれ


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健忘症 (VANジャケット)
2015-09-24 21:12:42
 日本人は健忘症だとつくづく思うことがある。直近の衆議院選挙は、昨年の12月14日だった。私は苦戦が予想された候補の陣営で投票日前1週間ほど支援活動を行っていた。大義なき解散といわれていたが自民党の「選挙公約2014(安倍総理の顔写真が表紙で『景気回復、この道しかない』自民党」p 24 Ⅳ.地球儀を俯瞰した積極的平和外交 の中で「『国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について』(平成26年7月1日閣議決定)に基づき、いかなる事態に対しても国民の命と平和な暮らしを守り抜くため、平時から切れ目のない対応を可能とする安全保障法制を速やかに整備します。」と明記されていた。2014年12月1日(朝日新聞朝刊)では、この政党マニュフェストから、「アベノミクス」「集団的自衛権」「原発」の3つが大きく紹介されていた(p8~,p11~,p24∼ )。自民党というだけで票が入った選挙で、候補者も有名人頼み、党幹部頼みで政策など重要視されづ、有権者もまたそうだった。このマニュフェストは自民党候補者は駅などで大量にばらまいたものだが、有権者は、民主党政権に心底愛想を尽かし、冊子を読むまでもなく自民に票を入れたのではなかったか。あれからまだ1年とたっていないのに、もうみんな「そんな話は聞いていない」というなら、忘れたとしか言いようがないのだろう。
 なお。安保法制については、田村重信・高橋憲一・島田和久(2012)『日本の防衛法制【第2版】」内外出版という労作に目を通してみてはどうだろうか。著者の一人島田和久氏は奥付には記載がないが当時は防衛省の防衛企画課長であり、現在は安倍総理の側近として官邸に入る安倍総理に随行している絵がよくみられる志の高い官僚である。
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健忘症 (VANジャケット)
2015-09-24 21:13:01
 日本人は健忘症だとつくづく思うことがある。直近の衆議院選挙は、昨年の12月14日だった。私は苦戦が予想された候補の陣営で投票日前1週間ほど支援活動を行っていた。大義なき解散といわれていたが自民党の「選挙公約2014(安倍総理の顔写真が表紙で『景気回復、この道しかない』自民党」p 24 Ⅳ.地球儀を俯瞰した積極的平和外交 の中で「『国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について』(平成26年7月1日閣議決定)に基づき、いかなる事態に対しても国民の命と平和な暮らしを守り抜くため、平時から切れ目のない対応を可能とする安全保障法制を速やかに整備します。」と明記されていた。2014年12月1日(朝日新聞朝刊)では、この政党マニュフェストから、「アベノミクス」「集団的自衛権」「原発」の3つが大きく紹介されていた(p8~,p11~,p24∼ )。自民党というだけで票が入った選挙で、候補者も有名人頼み、党幹部頼みで政策など重要視されづ、有権者もまたそうだった。このマニュフェストは自民党候補者は駅などで大量にばらまいたものだが、有権者は、民主党政権に心底愛想を尽かし、冊子を読むまでもなく自民に票を入れたのではなかったか。あれからまだ1年とたっていないのに、もうみんな「そんな話は聞いていない」というなら、忘れたとしか言いようがないのだろう。
 なお。安保法制については、田村重信・高橋憲一・島田和久(2012)『日本の防衛法制【第2版】」内外出版という労作に目を通してみてはどうだろうか。著者の一人島田和久氏は奥付には記載がないが当時は防衛省の防衛企画課長であり、現在は安倍総理の側近として官邸に入る安倍総理に随行している絵がよくみられる志の高い官僚である。
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