玄冬時代

日常の中で思いつくことを気の向くままに書いてみました。

西山事件の結末

2019-07-04 16:52:01 | 政治

西山事件は、国家公務員法の「秘密の漏示」の”そそのかし”の罰則が、憲法21条の表現自由に優越した事例となった。

しかし、それを許し、むしろ幇助したのは、不思議にも表現の自由の本家のマスコミ・メディアであった。

週刊誌ではその女性や夫の手記を盛んに取り上げた。今、ネットで当時の紙面や記事を見ると、一枚の女性の写真があった。顔は黒く塗りつぶされていたが、意外にもミニ・スカート姿の42歳の女性だった。

澤地久枝氏は、この女性はけっこうさばけた生き方をしていたのではないかと推測する。

西山氏が高裁で懲役4か月の判決が出ると、彼女は「今まで自分だけが有罪であったのが納得できなかった。これでやっと納得した。有罪は当然だ」と語ったそうである。

この女性はその後離婚をした。名前も変えて、ひっそりと暮らしたのかもしれない。今生きていれば87歳である。

2000年以降のアメリカ国立公文書館の情報開示で沖縄返還密約の存在が確認された。

西山氏は86歳である。

密約―外務省機密漏洩事件 (岩波現代文庫)

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不倫と不純

2019-07-03 12:01:12 | 政治

西山事件を振り返る。1974年時点で、42歳の女性職員と41歳の新聞記者、二人とも配偶者がいた不倫であった。世の中の酸いも甘いも知った大人の男女関係と、普通は思える。

当時は、何故、男の側の“そそのかし”が成立したのか?

当時のかすかな記憶の中では、公務員という職業柄からまじめ一方の女性という感じがした。男は新聞記者だから海千山千という感じで、特ダネのためなら手段を選ばずといったイメージがマスコミ紙上に在ったような気がする。

地裁では女性は懲役6か月で、記者は無罪であった。女性は控訴しなかった。高裁では、検察側の主張する国家公務員法のそそのかし条項が認められ、記者は懲役4か月となった。

最高裁は弁論をせず、上告棄却となった。最高裁は、女性の人格の尊厳を著しく蹂躙した。そして、被告の取材方法は社会観念上是認できず、正当な取材活動の範囲を逸脱している、と述べた。

40歳を超えた女性が関係をもった男にそそのかされて、それを断れない程、純粋に男の事を想っていたということなのだろうか。一方、男は情報のために女を利用した不純な人物であった。そういう人間の感情の機微や心根のことを最高裁は認定し、根拠にしているということになる。

ということは、情報の入手手段・方法が社会観念上是認できないものであるなら、その情報自体の信憑性も失われるのであろうか?結果としては、そうなってしまったのであるが。

 

人生いろいろ、ランドセルもいろいろ。

 

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この圀の手口

2019-07-02 10:52:13 | 政治

戦後、55年体制後の自民党が政権を握り、東大を出た高級官僚がその手先となって行われるこの圀の政治の事です。

文科省の前川事件の時の安倍官邸が仕組んだ手口は、風俗通いを御用新聞に書かせて、その人間の身の下の問題で、本来の問題を矮小化、色モノ化しようとしたことがある。

その人の人間性を“風俗”という言葉で世間の信用を貶めていく。全く卑劣な手段であり、ただ下品なやり方である。

この小汚い政治屋たちには、過去に成功体験があって、柳の下の泥鰌として、必ず繰り返される。こんなことを「歴史は繰り返される」とは言いたくない。

かつて、安倍晋三の大叔父である佐藤栄作の政権下、毎日新聞の西山記者が沖縄返還に際しての米国側基地の返還補償費用を全体経費の中で日本側が一部肩代わりしたことを隠ぺいしていたことをリークした事件があった。

この時の不正支出の隠ぺいという事実を、外務省女子職員と新聞記者の不倫という不潔さにすり替えてしまった。

その筋書きは、男性が弱い女性をそそのかして外交文書を漏洩させたという記者の性格的+性的な汚さに注目させ、予算の不正支出の事実を逸らさせてしまった。

その成功体験が余程忘れられないから、また、姑息な手口を使ったとしか思えない。

湘南モールにて

 

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