玄冬時代

日常の中で思いつくことを気の向くままに書いてみました。

主権在民の憲法のはずだ!

2019-07-17 09:42:48 | 憲法

手元に、日本国憲法の衆議院可決の最終案なる草稿(国立公文書館蔵)がある。朱線による訂正文が見え消しになっている。

憲法前文の一節目の主権在民を書いた終わり部分が、当初の案文は「・・・ここに国民の総意が至高なものであることを宣言し、この憲法を確定する」となっていた。

それが極東委員会からの申し入れによって、主権在民主義が明確になるよう「・・・ここに主権が国民に存するものであることを宣言し、」と訂正された。

元の英文がsovereignty(主権)であることからして、意図的に「主権在民」を明確にしたくなかったと言うことである。

敗戦時の政府中枢は英文を誤訳までして、「主権在民」の押し付けに抵抗したのである。そこまで天皇制(国体)の護持に殉じるという姿勢に驚きを禁じ得ない。

今の安倍首相が、事あるごとに、「みっともない憲法ですよ」と言う理由は、まさかここにあったのかと思うと、滑稽であると同時に背筋が寒くなる。

最近の態度を見てると、どうやら特別な階級に自分は属していると考えている節も窺える。それでなければ、あれだけ国民に嘘をつけないだろう。

【参照文献:週刊朝日百科「日本の歴史」『日本国憲法』朝日新聞社2004年12-60,61頁】

この国が元気だったころ

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