キキ便り

アメリカ便り、教員・研究者生活、シンプルライフ、自閉症児子育てなど

息子の誕生日

2006-08-15 11:01:55 | 自閉症アメリカ教育事情
 数日前、息子は10歳になった。二桁台の年齢への大きな転換を迎えたせいか、親目からは体も一回り大きく見え、心も昔以上に複雑に成長したように見える。
 去年の息子の誕生日は、腑に落ちない一日になってしまった。その半年前にある自閉症で名の知れたジャーナルに息子のことを縦断的にまとめた論文を投稿したが、不採択の知らせをもらったのが、偶然にも息子の誕生日だった。3人のレビューアーの判断は、不採択、修正または不採択、採択と大きく分かれてしまったが、結果的にエディターが出した答えは不採択だった。がくんと落ち込んだ私は、レビューアーのコメントを斜め読みにしかできないくらいに悲しかった。息子は、投稿前から自分のことが出版されるかもしれないと、心待ちにしていたので、その夢をかなえてあげることができない自分の無力さを痛感した。
 先日、久しぶりにレビューアーのコメントやエディターからの手紙を読み直してみた。時間がたったこともあって、内容が好意的、前向きに読み取れたのもあり、もう一度トライしてみようという気持ちになった。今度は、違うジャーナルへの投稿になるが、挑戦する過程が大切だということを肝に銘じて、気長にやっていこう。
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Piggy Bank

2006-08-15 07:35:49 | アメリカ便り
息子が5歳になった頃、息子のテーマカラーのオレンジ色のブタ君の貯金箱をIKEAで買った。あれから5年になるけど、貯金箱を開けたのは一回きり。底の蓋がただごとでは開かない頑丈物で、ある時銀行に持っていって、若いお兄さんに頼み込んで開けてもらった経験がある。娘のメキシカン調のブタちゃんは、OLD NAVYで買ったもの。底蓋が開きやすいのもあって、どんどん貯めたばかりのお金がチューインガムに消えてしまう。倹約家の息子と浪費癖の娘に逆の貯金箱を与えてたら、どのようにストーリーは展開したのだろうか、と考えてしまう。

Piggy bankに貯まっていくお金は、歯が抜けるたびにTooth Fairyから貰ったもの。お金持ちになりたい息子は、頻繁に鏡を見ながら、いつ次の歯が抜けるんだろうかと、心待ちにしている様子。そういう二人は、2年前、Tooth Fairyの真相を知ってしまった。Mommyが実はTooth Fairyだったと告白したからである。

ある日、抜けた歯をなくしてしまった息子はパニックに陥ってしまった。Tooth Fairyからのプレゼントがもらえないことがショックだったからである。軽度の自閉症の息子は、一度こだわるとこの世の終わりのように落ち込んでしまう。その姿を見て、マミーがTooth Fairyだから、心配しないでと告白してしまった。その時、二人の子どもは、「えっ?羽がないのにどうしてTooth Fairyになれるの?」と半信半疑だったが、時間が経つにつれてことの真相が分かってきたらしい。今では、「今度は歯の代わりに1ドル枕元に入れておいてね」、とファンタジーよりお金儲けの手段になっている。
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