キキ便り

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リストラから教えられる人生 その12

2010-07-16 01:45:39 | リストラから教えられる人生
昨日、オットはシアトルから日本へ飛行機で向かった。

搭乗案内で皆が次々飛行機に乗り込んでいる最中、ぎりぎりまで付近を散歩しながら時間をつぶしている(腰痛のためになるべく飛行機は最後の方に乗ることにしている)オットへSkypeから電話がつながった。オットの職場のSkypeは携帯に転送されることになっている。

オットは興奮した声で、空港まで5時間車で同乗したオフィスのGくんのことを私に話してくれた。

前にもブログに書いたが、Gくんはうつ病で時々自殺したいと口にすることがあり、オットが時々相談にのったり、テープや本を貸したりしていた。オットの解雇に伴って、Gくんのうつはますます悪化し、何日も休むことがあったが、どうにか職場に顔を出していた。

Gくんの話によると、数日前、これからオットの部局の責任をつかわされるCさんが、Gくんにカウンセリングセンターにいくように命令し、Gくんが出向いたところ、警察が待っていて、別の町の精神病院に入れられそうになったらしい。突然のできごとでGくんも腹を立て、弁護士を雇って、戦うとオットに話していたらしい。

ところが、オットが空港について自分のオフィスへ電話をすると、受付の人が、「Gくんは、昨日銃を購入して、今日か明日あたりに自殺するつもりでいると話していたそうだ」ということを教えてくれたらしい。

オットはGくんの精神状態への不安と、こういう風にオフィスに面倒をかけてしまったGくんはこれで解雇されてしまう(ますますオフィスは人手不足になる)のではという心配で興奮した様子で飛行機に乗り込んだ。

Gくんはオットと分かれた後、シアトルの実家に戻り、オットの車を3週間家で預かってくれる予定でいるが、大丈夫なのだろうか。Gくんとまでいかないが、オットのオフィスの人たちは、皆傷つき、落ち込んでいる様子らしい。これから先どのようにこの山を乗り越えていくのだろう。船長なしで嵐の中で舵をとって船に乗っているようなものだ。海に投げ出されてしまったオットは、今どこかの島へ漂流しようと、必死になっている。他の船員たちはこれからどうなるのだろう。同じく海に投げ出されてしまう人、自分から海へ飛び込む人もいるのかもしれない。
コメント
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