今回の里帰りの目的は、父母の結婚50周年のお祝いを妹夫婦を交えて行うことだった。
そのためにオットも6年ぶりに日本へ帰ってきた。
父母の長年の願いもあって、音楽をテーマに家族が集い、それぞれ練習した曲を奏でながら父母に感謝の気持ちを表現するという趣旨の会。
妹夫婦はそもそも音楽一家で、それぞれのキャリアに若干の差があるもののトロンボーン、トランペット、フルート、声楽、ピアノのクラシック演奏を披露してくれる。
私たち家族はその点アマチュアだが、ジャズバンドで練習を重ねる息子のサックスと私のピアノで合わせて演奏し、娘はこの前の発表会で弾いた曲をもう一度やってみる。オットは高校時代にミュージカルで主役をした経験もあるので、皆の前で歌を久しぶりに歌い、妹がピアノ演奏をする。
母はずっと趣味で練習しているキーボードで「エデンの東」。父も長年の趣味で、謡い。「高砂」で最後を締めくくる。
父は事前にスピーチを準備し、結婚してからの50年間の生活をとても分かりやすくユーモアを交えて話してくれた。子どもたちにも孫たちにも心に残る感動する話だった。特に父が開発した製品のこと、趣味で始めたコンピューターがその当時いかに画期的なことだったかを、実際の写真などを持参し、語ってくれるのはとても良かった。
自然に囲まれた「かんぽの里」で、結婚50周年という人生の節目を涙と笑いを交えて過ごした貴重な時間だった。日本語があまり理解できないうちの子どもたちにとってもこの日のことは忘れられない思い出になるだろう。