キキ便り

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中間成績をめぐるひとりごと

2012-10-12 10:18:08 | アメリカの大学で教える

大学の方針が変わり、今までは1、2年生のみに要求されていた中間成績を全ての大学生を対象に提出が義務づけられる。

私の授業の受講生の殆どが大学3、4年生だったので、今までは中間成績を計算することもなかったが、今回は違う。

遅れて提出された課題を採点したり、採点し落とした課題がないか確かめたりしながら成績を出す。今回の成績は、いわゆるABCでの評価ではなく、合格か不合格で出すことにする。平均70点以上には合格。それ以外は不合格。不合格の学生は、課題を提出しなかったり、遅れて提出したり、テストを受け損なったりなどが主な原因。一つのクラスは、60人中10人が不合格。先が案じられる。

中間成績が提出される週ということもあって、やたらに学生からメールが届く。ほとんどが「いいわけ」とも言えるメールばかり。

  • 「テストを受け損なったのは、ちょうど住んでいる町で山火事があったんです」-2週間前の山火事の出来事を理由にしてくる学生。なぜすぐ連絡してこなかったのだろう。
  • 「テストの曜日を間違えていたみたいです。でもちょうどテストを受けようと思った時に親の病気が悪化したという連絡が入って、受けれませんでした」と言い、病院の名前、病室の番号、病院の電話番号や患者の名前まで知らせてくる学生。本当の理由は曜日を間違えていたことにあるようだが、身内の病気を理由にしてくる学生。切羽詰っているのだろう。
  • 「今学期から新しい仕事2つ始めたばかりで、引越しもしたばかりで、体調もよくないんです」という理由の学生。テストも殆ど受けず、課題も全て未提出。学期の半分(7週間)授業にほとんど参加していないにも関わらず、どうにか「代わりの課題」を出して欲しいと頼んでくるが、都合が良すぎないだろうか。とはいっても、本人にしか分からない大変な理由があるのだとは思うが。

オンラインの学生の多くはシングル親で、仕事をフルタイムで持ち、子育て真っ最中。そのバイタリティには感心するが、そうだからといって、要求を全て受け入れるわけにはいかない。同じような状態で必死にがんばっている他の学生に対して、不公平になるようなことはあまりしたくない。

しかし、家庭内暴力の被害者、本人や家族の重い病気、親や伴侶の死、などを学期中に経験する場合は、できる範囲でサポートしてあげたいと思う。 

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