キキ便り

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自閉症の息子、一人暮らし3か月目。

2018-04-17 16:33:39 | 自閉症アメリカ教育事情

先週末より4日間、ウィスコンシン州に住む息子を訪問。

息子は大学3年生だが、企業で1-8月まで8か月のインターンシップに参加。8月半ばに大学に戻り、秋学期と春学期を経て、卒業の予定。当初の予定では、3年半で卒業の予定だったが、インターンシップが入ったため4年間で卒業となり、タイミング的にもよかったのではないかと思う。

高機能自閉症とその他自閉症に併存しやすい疾患を抱えているため(ADHD, 不安障害など)、独立させるのは心配だった。息子が中学生の時、特別支援教育から504プラン(障害を持った児童生徒に対して、個別のニーズに応じた教育を行う計画)へ移行した時にも、病気を抱えていながら退院させてしまったような不安に襲われた。今回のインターンシップも複数の不安要素を抱えていた。

  1. 息子も私も、ウィスコンシン州に行ったことがない。私たちの家からは、飛行機を乗り継ぎ、レンタカーで2時間の距離である。移動に1日かかる。緊急を要するような事態が起こった時に、とんでいけない距離。
  2. フルタイムの仕事は、息子にとって初めてである。
  3. 一人暮らしは、息子にとって初めてである。料理、掃除、買い物、洗濯、ごみ捨てなど、日常生活に関わることは全て一人でやらなければならない。
  4. 精神疾患を抱えているため、調子が悪い時には非常に落ち込む。隣町まで行かないと精神科医がいないという町である。

このような状況だったので、サポート体制が大切だと思い、次の3つのことを行った。

 

  1. まず息子が引っ越しする前に、大学生を対象に宣教を行っているクリスチャンの団体のリーダーにEmailで連絡を取る。快くEmailの相談に応じてくれて、1月に息子の引っ越しを手伝った際、彼と大学生のインターン、私たち夫婦、息子の5人で顔合わせをし、それ以来、息子を教会やその他の大学生対象のミニストリーに誘ってくれている。それだけでなく、車のない息子のために、買い物に連れていってくれたり、テレビを貸してくれたり、イベントや町の情報などもシェアしてくれるので、息子にとっては友達に近い存在らしい。
  2. 上司への自閉症の開示である。息子は躊躇したが、自分の上司に自閉症のことを開示することによって、コミュニケーションがうまくいくのではないかとアドバイスする。上司はそのことを非常に暖かく受け止めてくださり、「話してくれてありがとう」と言ってくださったそうだ。
  3. 日々の息子との電話である。声のトーンで息子の精神状態が分かるのも家族だからこそで、アパートで独り暮らしする息子がなるべく孤立しないように、少々煙たがられても一日一度話すようにしている。

 

今回私たちの訪問に備えて、息子はガンバってアパートの部屋を掃除したようで、きちんと片付いている様子にびっくりした。コーヒーメーカーのフィルターが1月から変えてなかったり、トイレの掃除を一度もしていなかったりなど、少しアラも見つかったが、息子なりに考えて掃除したのだと思うとジーンとした。

自炊はしているものの、野菜や果物は殆ど食べてない様子だったので、滞在期間中サラダを大量に作り、COSTCOで冷凍のフローズンベリー、ミックスナッツ、エナジーバーなど購入。またコンブチャとグリーンスムージーも大量に息子のために作り、少しでもバランスのある食生活となるようにアドバイス。

息子なりに成長した姿に、夫も私も感動を覚えた滞在期間だった。

コメント (2)
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