今日、大学から送られてきたEmailによると、学生の三分の一以上が日常生活に支障をきたす程のうつ病にかかっており、1割が自死を考えたことがあるという調査報告であった。他の大学の統計を見ても、同じような傾向のようである。http://www.apa.org/monitor/2013/06/college-students.aspx
不安障害の学生の割合は、4割以上である。
日本の大学の傾向は知らないが、恐らく増えているのではないかと思われる。自分の息子も不安障害と軽いうつ病の傾向があると診断されているので、本人や家族の苦しさはよく知っているつもりである。
それでは何が原因なのだろう。
よく指摘されるのは、大学の大衆化(昔は大学に入れなかった人達が大学に入るようになった)、授業料の高騰化、就職難、宗教離れ、などであるが、それだけでなくテクノロジー・情報化社会も原因しているようだ。
たとえば、ある記事によると、夜中に友達からの携帯メッセージに応答する学生が50%いるそうで、その結果睡眠の質が低下し、うつ病や不安症を引き起こしやすいということである。
うちの娘もそうである。高校の時から、休み間もなく友達からのメッセージが携帯電話に入ってくる。友達の多い娘は、それに対応するだけで、一日が終わってしまいそうである。時間の無駄遣いだけでなく、心身の健康の低下にもつながるので親の心配の種である。
ソーシャルメディアやインターネット依存は、人とかかわる力を乏しくするだけでなく、リアリティーが分からなくなってしまうという危険性をはらんでいる。うちの息子がそうである。インターネットの情報で、自分が目指す人物像の理想がどんどん高くなり、そのギャップがうつ病や不安を引き起こしているのがよくわかる。さらにソーシャルメディアで、友だちが楽しく幸せそうに過ごしている写真を見るたびに、自分だけが取り残されているような寂しい気持ちになっているのではないかと察する。
しかしこれらは、自閉症の我が息子に限らず、3-4割の大学生の問題なのである。
そのような現象を反映しているのか、年ごとに、学期の半ば頃から全く音沙汰がなくなる学生が増えてきているような気がする。アメリカの大学生の4年間の卒業率が低いのも、メンタルヘルスが大きな原因ではないかと考えられる。
このPsychology Todayのリンクは参考までに。
https://www.psychologytoday.com/us/blog/theory-knowledge/201402/what-is-causing-the-college-student-mental-health-crisis