この夏旅行の予定のない私は、日々の生活の中に「リフレッシュ」する機会を取り入れるために、児童図書を読み始めることにした。
もともと私は児童文学が好きで、学士と修士の論文テーマは児童文学の国際比較。また大学院在学中、ボストンのシモンズカレッジの児童文学の夏コースを受講した。この大学は、米国で唯一児童文学の修士号を出していた大学(その当時)で、この夏のセミナーは、全米だけでなく、イギリスからも著名な児童文学の著者を招待し、1-2週間のセミナーが開催され、私も1985年の夏に参加。
記憶はあやふやだが、スピーカとして、「ルピナスさんー小さなおばあさんのお話」のバーバラ・クーニー、「かもさんおとおり」「サリーのこけももつみ」などで有名なロバート・マックロスキー、イギリスの児童文学者ジョン・ロウタウンゼント。その他にもマーシャ・ブラウンなど、コールデコット賞の受賞者が何人か講師だったような記憶。
さて、この夏まず読んだのは、パラシオの「Wonder」。和訳も出ているが、英語も分かりやすいので、原著でも英語の勉強を兼ねて読んでもいい。
生まれつき顔に障害のある男の子アギ―が、学校に行くようになり、痛烈ないじめ生活の中から、いかに真の友人をつくり、逞しく成長していったかについてわかりやすく描かれている。本人が自分のありのままの姿を受け入れていることが、周りから愛されているキャラクターをつくっているのだと思った。自分の障害をなかなかカミングアウトできない我が息子と比較しながら、いろいろと感じるところがあった。
次に今読み始めているのが、ドイツを舞台にしたアメリカの作家Pam Munoz Ryanによる児童図書、Echo。
このように図書館員の方が紹介していらしたので(https://ameblo.jp/librarian-nightbird/entry-12108738986.html)、下記にペーストする。著名なニューベリー賞受賞作品。おそらく和訳は出ていないかと思う。Audibleで聞くと、ハーモニカなどの効果音が含まれているので楽しい。ドイツアクセントの英語も親しみがもてる。
禁じられた森で迷子になったオットーは謎めいた3姉妹に出会い、哲学、約束、ハーモニカに関わる奇妙な冒険に巻き込まれる。
それから何十年も後、ナチス支配下ドイツの少年フレドリック、大恐慌時代のペンシルヴァニアのマイク、そしてカリフォルニアのアイヴィの人生は、同じハーモニカに出会ったことで絡み合うことになる。
運命の見えない糸に導かれて、サスペンスフルな3人のソロは、最後にはオーケストラによるクレッシェンドに変化していく。
「Echo」も興味深い児童書ですね。