<鬼子>たちの肖像(武田雅哉著・中公新書 )
ほーんと、最近は本を読む時間がなくて困ります
小さいヨンジュナのせいで・・・読書はおろか、パソコンの前に
座るのも命がけとは
だって今だって・・・ガサガサ音がするので振り返るとそこには・・・
新聞をぐちゃぐちゃにして笑っている赤子が一人・・・
さて、この本ですが、
<鬼子>は「クィズ」と読みます。中国語です。
副題に「中国人が描いた日本人」というのがついてます。
最近、かまびすしい中国における反日運動の中で、よく
「日本鬼子(リーベンクィズ)」という言葉が使われているのを
ご存知ですか?
<鬼子>とは、元々「人でないもの」という意味があり
「人でないもの」=中国人でない物という事で、そもそもは
外国全般に使われていた言葉だそうです
いわゆる
「中華思想」の中では
「中国及び中華圏に属する人々」こそが「人間」であるわけで、
日本みたいに、早々に「独立国」を名乗っている国は
「蔑みの対象」であるという事ですね
でも、アヘン戦争あたりまでは、
<鬼子>とは西洋人を表していたようなんですが、
「日清戦争」あたりから
この言葉は日本人専用御用達言葉になってしまったそうです
そして日中戦争以後はアメリカの「ジャップ」以上の
日本人に対する「蔑称」そのものになってしまいました
で、この本の中には日清戦争以前以後あたりの中国の資料から
日本人がどのように描かれてきたかというのを詳しく書いて
くれています
日本が単なる「倭」から「鬼子」になっていく過程がよくわかります。
(ちなみに「倭」「倭奴」という言葉も別称ですよ)
そうかといって内容が暗くて陰鬱というわけでもなく、
とにかくイラストや文章を交えて、とってもおもしろく書いてくれてます。
この中の「日本人」は私達日本人とちょっと違う「別な日本人」という
感じで本当に面白いです
しかし、その影に
「中国の日本に対する憎しみの原点」もあるわけで・・・
これを読むと、
「日中戦争がなんだ、靖国参拝がなんだ、
結局、中国にとって日本は属国にならないから嫌いなだけじゃないか」
とも思い・・・・・
そうなると、中国4000年の恨みは深くて濃くて、とっても
一朝一夕には解決できない永遠のテーマに見えることも確かです