NHKの「日本のこれから」という番組を見ました。
「今時の若者について」というのがテーマでした
いわゆるフリーターやニートと呼ばれる人達を
主眼においての討論・・・だとばかり思っていたんですね
その場に来ている人達もみんなそう思っていたようですが
番組は最初から何だか別な方向に行ってしまった感じがしました。
というのは一概に「フリーター」といっても、
それぞれ夢や信念を持ってやっている人が多かったですし、
地方の現状なんかをみると、花巻の高卒の女の子に代表されるような
「地元の高卒求人零」みたいな状態は社会の問題であって、
若者がどうのこうのという問題じゃないですしね。
そういう「討論」が見たかったのではなく・・・・
どちらかというと、
「どうして働きたくないのか」という部分に
焦点をあてて欲しかったです
まあ・・確かに今は正社員になれる確率は下がっているでしょうし
どんどん落ちこぼれていく社会人の問題は大きいのですが、
働く意欲のある人はまだいいです
やっぱり問題は
「社会に出たくない。家の外に出たくない」と思う
若者達をどうしたら社会に出せるかという事が重要なのでは?
あの番組に出た人たちはまがりなりにも「頑張っている」人達
フリーターの中でも「勝ち組」だったりしますからね
それと・・・仕事を選ぶ基準にやたら
「好きなこと」という項目の比重が
高すぎるような気がするんですよ
「好きなこと」を仕事にできる人なんて数%しかいませんよね
どちらかといえば「賃金の高さ」とか「雇用の安定」で
職選びをして、嫌な事があっても我慢していれば
そのうち好きになっていく・・・
それが今までの仕事選びの形態だったと思うんですが、
こうやたら「好きなことをやればいいじゃない?」って言われると
「好きなことがない人はどうすればいいのか」
という問題になりますし
「好きなことはないけど、嫌いなことはやりたくない」
人達はどうするの?
という話になってしまって・・・・
「労働って何よ?誰のため?何のために働くの?」
みたいな究極の質問になっちゃうんじゃないかな・・・と
まあ、そんな風に思える人こそが実は「贅沢」だなと思ったりして
(だって私などは職業選択の自由はなくて、全部家計の為、
好きなことじゃなくて雇って貰える仕事選びをしてきたんだもの)
でも・・・一番問題だなと思ったのは
最初から最後までいながらにして、
「全然わかんなかった」人たちが一杯いたことです。
大人達も討論している若者達も、レポートの映像も決して
難しい言葉を使っているわけではなく、日常語を使い、
きちんと説明していたと思うんですけど・・・・
最後にしゃべったガングロ少女は、番組中一度も発言しなかったんですね。
それで「最後に言って下さい」といわれたのですが、
「っつーか、しゃべる気なかったし。
だって全然わかんねーもん。
何言ってるかわかんねーもん。
何?大人はあたしらに何をさせたいの?
難しくてわかんねー」
って言ったんですね。
その「わかんねーもん」派は結構いて、
芸能人の平山あやちゃんまで
「もうっ難しくてわかんなかった」とのたまったわけです
大人の喋っていることがわからない若者
これが現実ですよね
さして、難しい言葉を使ったわけでも、
小難しい数式を出したわけでもないのに、
「言葉の意味がわからない」人達がいる・・・
そしてわからないなら「わかりません」と言えばいいものを
最初から大人を見下して「しゃべる気ねーもん」ってな態度。
自分の無知を恥じるどころか、「わからせないお前達が悪い」
という理論
堂々と「難しくてわかんねー」と言える時代になった事は
いいかもしれないけど(わかったふりするよりもね)
でも、最初から心に蓋をして、他人の意見を理解しようとしない
若者って下手な老人より扱いにくいなと。
まだ10代や20代からこんなに頑固で融通が利かなくていいのか?
なんて思ってしまったんですよねーー


活字離れと言われている昨今ですが・・・
やっぱり読書は大事だよーーーみんなーー
それと・・・やっぱり最終的には「ニート」問題を
きちんと扱って欲しかったです。
最後にイギリスの「NEET」対策が出ていましたが、
イギリスでいうところの「NEET」は労働意欲があったのに
仕事がなくて働かない若者のことです
でも日本の「ニート」は
そもそも「労働意欲のない」人達のことですから、
そこらへんの意味のはき違いを何とかして欲しかったな
37歳でばりばりの会社員からリタイアして沖縄に渡り、
一ヶ月10万円の所得で、それ以上は働く事を拒否しているお兄さん
(泉谷しげるに「終っちゃってる」と言われてました)
好むと好まざると関わらず「生活のため」
下北沢で「漫画本の読み屋」さんをしている力丸君。
(彼は非常に常識派の若者だと思いますが、元校長先生に
「保険料払いなさい」なんて言われてかわいそうでした)
自分の夢だった仕事についたのに、理想と違っていた事に
耐えられずに会社を辞めて、今は路上でイラストを売ってる子
(母子家庭で生活だって楽ではないんでしょうに・・・)
岩手の花巻でこつこつ働いて家計を助けつつ、美容師になる
為のお金を貯めていたのに、リストラにあってあっけなく貯金は
使い果たし、今もって求職中の女の子
(こういう子には何とか手を差し伸べて欲しいと思いました)
若者の姿も様々ですねーーー
でもハンガリーの女性が言ってましたが・・
「日本は自由主義社会なのに、働く意欲のない若者が
多いなんてまるで社会主義国みたいね」
この言葉は実はとても重くて痛いものかもしれませんね
