ヨン様級大トップの予感・・・柚希礼音
今、宝塚はスター不足に泣いている状況らしいです。
かの大スター「天海祐希」がいた頃の宝塚を何とか再現したい・・・
ゆえに大和悠河を「第2の天海」といわしめたり、とにかくビジュアル重視
になってきた事は事実です。
(一路真輝も歌唱力抜群だったけど男役としては?でも人気はすごかった。
涼風真世などもその一人だけど、意外と剣幸とか久世星佳のような
男役はマニアックらしく歌劇団は大事にしない)
ほんとの所、天海は人気先行型で男役としては発展途上のまま終わって
しまったし、天海ファンはその後もヅカファンを続ける人が少なかった・・
という事で、今にして思えば彼女こそ異端の人で、長い宝塚の歴史を
重んじるなら真矢みき・麻路さきのような男役こそ、本当の意味で
「大スター」であったと思うんですが・・・・・
男役の型の継承とか、こだわりといったものよりも、とにかく一般受け
する顔でかっこよければいい・・といった傾向を生みだしたのは他ならぬ
歌劇団ですからしょうがないんですが、同時に宝塚的作品傾向を理解
出来ない、排他するようなファンを作りだしたのも事実です。
ま、それは横に置いておいて・・・で、じゃあ、歌劇団を救うスターは
いずこに?と考えると。いました。星組に。
そう・・・柚希礼音です
「スカーレット・ピンパーネル」での演技力、歌唱力、どれをとっても素晴らしい
のですが、何より嬉しかったのは、彼女が伝統的な男役の型を
きちんと踏襲している部分です。
正直、入団した時から鳴り物入りの柚希礼音は85期の中でも
とにかく目立つ存在でした。新人公演主役は当たり前、ロケットでは
常にど真ん中でくるくる回っているといった感じ。
でも下級生の頃はただ背が高くて見た目が派手でダンスは上手だけど
それだけーーって感じがしたものです。
どことなく女の子っぽい所もあったし、セリフ回しも上級生の真似してる
だけーー歌は論外って。
この子は将来トップになるだろうけど、私がファンになる事はないかも・・と
思っていた口なんですよね
新人公演のご挨拶も毎回突っかかって言葉を間違え、でも
「よく言えましたね頑張ったねーー」と褒めてあげちゃうような?
人でした。
「王家に捧ぐ歌」新人公演のラダメスも湖月の真似っぽい部分が
多かったし、「この子、本当にセリフを理解して言ってる?」みたいな
思いが常に付きまとう男役でした。
でも、その「とにかく教えられた通りにやってみる」という素直さが功を奏して
安蘭けいお披露目「さくら・シークレット・ハンター」では妙に生き生きと
動き出し、その大柄なガタイを生かして輝くこと輝くこと・・・
そして「スカーレット・ピンパーネル」のフィナーレの冒頭、せりあがって
銀橋で歌う彼女を見たとき、「ああ、これはもうトップにしちゃってもいい」と
本気で思いました。
彼女の背後に「大スター」オーラが輝きまくり、その勢いはもう誰にも
止められないなあ・・・まさに今が旬になった柚希礼音です。
彼女こそ、容姿・演技どれをとっても「ヨン様級カリスマ性」の持ち主。
もしこの人を早々にトップにしなかったら、それは歌劇団に目がなかった
ということ。(間に誰かを入れるなんてとんでもないっ)
あのダンスが上手で派手な顔立ちだけだった少女が、こんな風に
立派に成長するなんて・・・ お姉さんは嬉しいぞっ
私の大好きな星組で、星組がずっと守ってきた「男役」というものを
もう一度体現して欲しい 昔日の夢よ、もう一度
(ああ・・・ツレちゃん・・・マリコさん・・・わたる君・・・うるうる)
とまあ・・・色々言ってみたわけですが、今、歌劇団に必要と
されている男役というのは、やっぱりビジュアル先行よりも、実力派
ではないかと。
もしそれが一般受けしなかったとしても、長い目でみれば必ず宝塚
歌劇のプラスになるはずだと・・・私は信じているのですが。