100年に手が届きそうな宝塚ではあるけど、演目に関しては
常に先取りって言うか・・時代の要請に応えたものでヒットを飛ばして
来たのは事実かな
(20年も30年も前の海外ミュージカルを再演するしかない東宝ミュージカル
って・・・芸がなさすぎなのよね)
「ベルばら」「エリザベート」・・・そして、今回は韓国ドラマの舞台化と
ゲームの舞台化です 発想としてはどちらもすごいなと思いました。
逆転裁判
宙組・・・蘭寿とむ・美羽あさひ・七帆ひかる
ニンテンドーゲーム「逆転裁判」の舞台化
ゲームの初の舞台化という事で、フロアではゲームも売ってるし、
珍しくゲーム会社からアンケートまで取られて・・・
しかも客席にはオキバ系オタク男子が一杯 (みんな同じ顔に見える)
評判は上々 満員御礼 ゲーム好きの友人もおおウケ。
私も結構笑いながら見てたりして
映像を駆使し、ゲームと変わらない髪型や衣装でコメディタッチで非常に
楽しい舞台ではありました
(アキバ系のお兄さん達はは大喜びで拍手してたわあ)
もし続演するならやっぱり蘭寿とむで・・・というくらい、主役の
フェニックスは蘭寿のキャラにぴったりだったし、相手の検事もまた
七帆ひかる会心の出来で、両者にとって代表作?出世作?
でも・・・と冷静に考えると・・・演出の鈴木圭君には注文どっさり
なのよね。
ゲームの舞台化=ゲームと同じ・・・でいいの?
舞台転換が素人っぽくて宝塚らしくない
恐らく「何もかもゲームと同じイメージで」という事で(しかも舞台は盆も
セリもないし)あわただしくセットがあっちこっちいくような舞台になって
しまったんでしょう
でも・・脚本の作り方としてはペケなんじゃない?
1場に3つのストーリーを・・・というのが基本とするならやっぱり舞台の
セットが動きすぎです。
1幕が15場でしたっけ? 盆もセリもなく、大道具さんが一生懸命
セットを動かして15・・・もうちょっとはしょるべきかも。
さらに映像を駆使するのはいいとしても、主人公の過去やら記憶まで
全部映像にしてしまうと、脇役がいる意味がない
こういう舞台って予算がなくて出演者にお金がかけられない場合に
使う手法で、あんなに一杯人がいる宝塚ではおかしいです
また現代物だからといってセリフがやたら早口になるのもどうかな
聞き取り辛いっていうか。
色々課題がありそうな舞台だなあ・・・・・
太王四神記
花組・・・真飛聖・大空祐飛・桜乃彩音
韓国ドラマの舞台化
「逆転裁判」が「何もかも原作のイメージ通りに」であるなら
こちらは「イメージは同じでも作りは違います」というのがはっきり出てます。
当たり前ですが、映像と舞台では作り方が違うし、舞台には舞台ならではの
迫力や良さがあるもので、そういう意味ではドラマ版、舞台版共に
違う魅力を発揮したものと言えます
(小池修一郎と鈴木圭を比べる事が間違ってると言えばそうですが・・・・)
1幕・・・とにかくドラマ通りに強引に話を進める進める・・・
盆は周りっぱなし、セリは下がったり上がったり、セットも出演者も
忙しい。当然観客もついていくのがやっと
それでも眠くならないってのが不思議でしょうがないけど、ところどころで
ちゃんと山場があるから?かな
でも・・・1幕17場は多すぎ 普通は12か13くらい。
宝塚じゃなければ17場も作れないでしょうね。
1幕でドラマと違うところ
ファヌン様とセオの子供は死んでません。ドラマではカジンが
投げた子供をファヌン様が救うのです。
ヤン王は最初から即位していたわけではなく、先王の弟でタムドク
を隠して育てていました。
白虎の神器はパソンが持っていたわけではありません。
ドラマではパソンの兄が持ってました。
4部族のうち、チョルロ族のセドルはホゲに殺されます。
カウリ剣をキハがタムドクに刺したのは心中する為で王様の
声が聞こえたわけではありません。
驚いたのはヨン夫人と大長老に名前があったこと
セームって誰?プルギルって誰?って感じ?
それからタムドクやヨン家の人がフルネームで「ヨン・ホゲ」と呼ぶのが
ウザくて・・・・ 何で「ホゲじゃいけないの?
それにタムドクは「太子様(テジャニン)」で即位後は「陛下(ペーハー)」
だよーーー
2幕目はドラマの脚本家がHPで公開した「もう一つのストーリー」を
参考にしたというだけあってドラマとは全然違いましたが、こういう
話の方がわかりやすいし、ラブストーリー的にまとまってるのでは?
ドラマの最終回に納得できない私にはとてもすっきりした印象。
でも、タムドクとキハが一緒に空を飛ぶって・・・
オスカル様のように笑いは起きなかったけど、唖然呆然
しかもラストは「エリザベート」だし・・・
全体的に「さすがに宝塚っ」思わせるダイナミックで華やかで
素晴らしく素敵な舞台でした。もう一言言えば
「大空祐飛宙組トップ決定ご祝儀公演」のごとく、
真飛を潰さない程度とはいいながら、とにかくホゲ様の見せ場
ばーーっかり
特にフィナーレ・・・「らっしゃいらっしゃいオソオセヨ」の後と、群舞の後で
真飛がセリにかかるでもなく舞台袖に立ち去るのが変に見え、その後
はとにかく大空一色
(大階段も真ん中から一人で降りてきたもん) すごっ
何気に野々すみ花も桜一花よりいい衣装着て意味ないけどいる
だけで華やかなタルビだったしね
真飛は弱い・・・本当に弱いっ でも優しさがいいの
ちょっと庇ってあげたくなるキャラです。踊り下手だけど・・歌は上達?
気長に頑張って欲しい 本当は色悪が似合うタイプなので、今度は
そういう大人の役を演じてほしいです。
桜乃は奇麗じゃないの・・・真飛との並びもよくないの
でもしょうがないよね・・・・
それに比べて大空の強さと華やかさはキャリアそのもの。
つくづく「旬」が長い人だわーー
しかし・・・「逆転裁判」「太王四神記」のチケット代の差は1000円。
でも技量の差はそれ以上あったわけで。観客としては得したのか
損したのか・・・ちょっとよくわかりませんでした