加護ちゃん・・・絵に描いたような転落の人生だわ まだ若いのに。
辻と加護。運命を分けたのは「夫」の存在なのね。
一人の女の子が男によってここまで人生を狂わされるって・・・・何だか悲しいなあ
砂の器
私、実は「砂の器」という物語をドラマでも映画でも見た事ないのです。無論、原作も
読んでいないっていうか 恥ずかしながら・・・松本清張が苦手で。
あのハードな暗さが本当に苦手で
じゃあ、何で今回のは見たのかというと、玉木宏が主役だったから
ドラマを見終わっての感想は「映画をみたいな」でした。
日本映画史に残る「砂の器」は本当に名作だそうですね。これまで何度もドラマ化
されてきたらしいけど、でも映画には及ばないとか
仲居君が主演した和賀バージョンは斬新とか言われてるけど。
こっちも見てみたいかも。
さて・・そんな初めて「砂の器」を見た感想ですが。
一番は「犯行の動機が薄すぎる」という事でしょうか。
一人の男性が首を絞められて殺され、顔を潰されて線路に置かれた。
それを殺したのは作曲家の和賀。
本当の父親と離れて三木本巡査に引き取られたものの、そこを抜け出し
空襲後に死んだ別人の子供になりすまして生きてきた・・・その事を知っているのは
三木本ただ一人
このままでは自分の過去があばかれ栄光が失われていくという恐怖感から犯行に
いたるというのはあまりにも残忍な殺し方として甘い
和賀の父親が無実の罪をきせられて、そのために村を出てお遍路さんに出ると
いうのも何だか甘い。
本当は「ハンセン病」に対する偏見や恐怖がさまざまな形で影をさし、あのように
なったという映画版(見てないけど)の方が納得できます。
今の時代、それをあからさまに描くことが出来ないのかもしれないけど、名作と
言われるゆえに「こんな甘い殺人事件が名作なの?」と思う人がいたら気の毒です。
時代は昭和35年。終戦後15年といえばまだまだ戦争経験者がいた頃で
若い和賀や吉村ですら空襲の経験者。
「寂滅」という曲が戦争を思い出して嫌だ・・・という吉村君の気持ち、少しわかります。
それにしても昭和35年当時、警視庁メンバーの中に所轄が一人混じって捜査するのも
普通だったのね 「踊る捜査線」とか「相棒」とか見てると今の警察は
縄張り意識で凝り固まっているような気もしますね。
新幹線がない時代、特急電車で秋田だの岡山だのって・・・行くだけで一晩かかっちゃう。
懐かしい駅弁とお茶。いいなあ「出張」って
でも、携帯電話がないから、通信手段は固定電話か電報。
手紙や電報が活躍している場面を見ると、かえって新鮮に思いました。
吉村役の玉木君。あの時代、しがない所轄の刑事さんがあんなぱりっとした三つ揃い
を着るってありなの?と思ったけど、それ以外はパーフェクト
「永遠」を聞いて涙するシーンや絵をみて絶句するシーンには本当に感動しました。
中谷美紀との相性も抜群
「仕事をしたいから結婚はしない」と気の強い新聞記者役はお手のもの。
でもさりげなく恋人の手助けをするいじらさいさ・・可愛いわ。
紺野まひるちゃんもホステス役で出てたけど・・まひるちゃんは化粧っけがない方が
いいわねーー
でも、一番びっくりしたのは長谷川博己・・・そう、鈴木先生ですっ
あの時はめがねできつい目元を隠していたけど、今回はその鋭い目つきが
ドラマを大いに盛り上げてくれました。
和賀役の佐々木蔵之助の大きな目が「澄んでいる印象的な目」として語られて
いますけど私には長谷川君のきつい目の方が印象的だったなあ。
それから夜行列車の窓から紙ふぶきを投げた女性役・・・名前がわからないけど
恐ろしくロマンチックな顔をしてるなあって
それにしても映画版「踊る大捜査線」で出てきた「亀田」の台詞・・・
これからぱくったわけね 無知でごめんなさい。