山梨の国民文化祭の様子を見ました。小林一三氏が山梨出身の縁で宝塚のOG
出演になったんですね。
宝塚の衣装が浮き気味だったのは仕方ないとしても、風花舞のダンスには驚かされました。
さすがに日本で10本の指に入るダンサーです。「黒いワシ」の時に真波そらとデュエットで
踊っていましたが、現役時代にはありえない構図で幸せ
舞風りらのくるくるダンスもすごかったーーバレエ団のラインダンスも可愛らしかったです。
「関ジャニの仕分け」を見ました。毎回評価に「?」な気もするけど。
何で彩乃かなみが2連敗なんやねんっ 絶対にかなみんの方がうまかった
何でタータンがMAY・Jに負けるのよっ やらせじゃないの?
眠くて眠くて。「そこ、歌入れなくていいじゃん」とか「そこのシーンカットして」とか
最後は「いつ終わるの?」で・・・・すみません。
アンドレア・シェニエ
本当に植田景子が書いたの?
凝りに凝ったカーテンと翼のセット、貴族達のドレスの柄などは「ああ、植田景子だ」と
思わせるものの、それ以外は「本当に彼女が書いたわけ?」と思ってしまい。
何でかなあ・・・と考えたのですが。
セリフの感じとセリフから歌へ入る印象が木村信司っぽくて。
この「アンドレア・シェニエ」はオペラですってねーー じゃあ、キムシンが噛んでても
不思議はないわ。
「・・・してはならない」とかいうへんてこなセリフは、キムシン風だもんね。
素人っぽい脚本
バスティーユが陥落した日にサロンでパーティなんてありえないシーンから始まる
この物語。オペラがそうだというなら仕方ないのかな。
でも歌劇として見た場合はどうみても変。
とりあえず公爵の「回想」として始まり、パーティ、革命・・・まではまあいいとして
主役のアンドレア・シェニエが何もしない。
ただ詩を作って(それも完全な形では出てこない)
ファンレターの彼女に恋をして出会ってすぐHしちゃって、バンジュ公爵がパトロンになって
お家に住んで詩を書いて、つかまって死んじゃった。
シェニエのセリフにある通り「戦うでもなく詩を書いてるだけ」の男。
芝居の基本、「対立の構図」が全く見えず、シェニエとジェラールは平行線のまま。
革命の正当性もなくシェニエの詩によって誰がどんな風に影響を受けたかという事が
全く見えず。
とってつけたような恋愛でセリフばかりが「私の命です」だの「愛が全て」だのって空回り
しながらラストは「二都物語」風にしめ、「エリザベート」風にまとめました。という感じです。
起承転結がしっかりしていないから山場がどこだかわからず、ただただ人を多く出せばいい
という感じなので主役がかすみ、展開に困るとすぐに歌。
意味のないダンスシーンの羅列。パクリの白い天使と黒い天使は世俗的で人間っぽくて嫌。
アンドレアと弟の関係もよくわからないし、ジェラールと父の葛藤もなし。
最終的にアンドレアは夢見る夢男で死んで、ジェラールはただ冷たいだけの変な男で終わる。
植田景子さんは少なくとも男役への愛にあふれている人の筈だから、こんな・・・かっこいい
シーンの一つもない舞台は作らないんじゃないか?と思ったり。
それとも彼女にとって蘭寿も明日海もあまりお好みでないのかな。
姑根性丸出しで娘役を苛めるのはお決まりのコース 蘭乃はなは最初は着替えの最中に
下着っぽい姿で出て来たら舞台上で着替え、その後は一貫して粗末な身なりのまま
植田さんは「ジャン・ルイ・ファージョン」でもアントワネットに平民みたいな恰好させてたし
古くは「堕天使の涙」で舞風りらにボロを着せてさよならにした程。
「クラシコ・イタリアーノ」では野々すみ花をおバカにしたしなーーつくづく娘役が嫌いなのねと。
脚本を読みなおせば、ひどい部分があからさまになる筈です。
多分書き殴って自分では読み直していないのでは?
フランス革命という宝塚では定番の題材うを扱いながらも、過去の名作の足元にも及ばない
出来というのは悲しい現実です。
もしふぶきが書いたら
革命前夜、コワニー家の舞踏会に招かれたアンドレアとジョゼフ。
アンドレアはそこでジェラールに出あう。ジェラールはルソーの本を廊下で落としてしまうのだ。
アンドレア;君はルソーを読むのか。
ジェラール;おかしいですか?
アンドレア;いや。素晴らしい事だよ。人間は生まれながらに自由で平等。そしてみな自然にかえるべきだ。
僕はそういった事を伝えたくて詩人になったのだよ。
ジェラール;詩人というのは夢を食べて生きているのだとばかり。俺たちのような最低な平民には
わからない世界です。
アンドレア;私も平民だがね。
そこにマッダレーナが登場。ジェラールはルソーの本をみつけても咎めなかった彼女に恋。
アンドレアは気が強い彼女に恋。
舞踏会での詩の朗読はアンドレアVSジョゼフでアンドレアの勝ち。
やがて革命の炎が燃え上がり、コワニー家は没落。ジェラールはジャコバン派の先鋭。
そしてアンドレアはジロンド派の先鋭。行く先々でジャコバン派を批判する詩がばら撒かれ
ジェラールは迷い出す。
マッダレーナは貴族出身である事を隠し酒場の女に。そこでジェラールと再会。
偶然、そこでアンドレアとも再会。3角関係は革命の対立と共に激化。
マッダレーナは階級社会に疑問を持ってはいなかった。が、革命の始まりと共に家が没落し
平民を憎むように。アンドレアと対立。ジェラールには「身分をばらす」と脅される。
・・・・色々あったけど最終的にアンドレアを愛してしまったマッダレーナは、その事を認めつつ
共に断頭台へ。
書いてて思ったけどマッダレーナは貴族の女性なのよね。
貴族の女性が簡単に平民に恋をするでしょうか。っていうか、パリにいたら殺されるんじゃ。
基本的な設定が甘いんだなと。オペラならそれでもいいんだろうけどね。
植田景子先生。もう中堅も中堅。後輩がどんどん出てくるようなキャリアの筈なのに
こんな素人っぽい脚本を書いてパクリ演出をやってると、観客にそっぽ向かれますよ。
いくら海外物で人気を博したってオリジナルでいい作品を輩出しないと先が続かないでしょう?
あなたの作品で再演できそうなものが一つでもありますか?ないでしょ。
「男役を自分の殻に閉じ込めたい」という欲望ばかりで、観客の立場で書いていない。
そもそも宝塚というものを誤解している
宝塚は男役だけで成り立っているわけではないし、かっこよければ何でもいいというわけではない。
他のレビューと違ってストーリー性を大事にしている歌劇団だからこそ100年持ってきた。
その根底は「恋愛」
どんなに古臭いと言われようと、大げさと言われようとも「一途な愛」これに尽きるのです。
薄っぺらなセリフや歌で誤魔化そうとしてもすぐにわかるんですからね。
一度でいいからちゃんとした作品を見せて下さいよ。
きっちりとした恋愛物を書いて下さい。ロマンチシズムがない作家なんて宝塚にはいらない。
Mr Swing
オープニングのヤンさん振付シーンと、野球のシーンはよかったけど
あとは尻切れトンボ。
一つ一つの場面のまとめ方が下手です わーーっと盛り上がって幕じゃなくて
わーーと盛り上がりそうになった所で「え?」というような終わり方。
例えば藤井大介の「カクテル」にバスケットのシーンがありましたよね。
あれはチーム戦で負けてたのがカクテル飲んだら俄然やる気になってオサチームは勝利。
ラストはチアリーダーの彼女とラブラブに歌って、暗転直前には酔いが回ってばったんという
感じで終わってます。
でも、今回の「野球」のシーンは、男子対女子なのか?チアリーダーが敵?
ラストは悔しがる彼女をちょっと誘って終わっただけ。
ここで、負けた女子がなんらかの形でリベンジを果たし、男子をぎゃふんと言わせたり
あるいはラブラブになったりして終わればよかったなあと。
ほとんどの シーンがこういう「何か足りない」状態で終わるので、楽しさが半減しちゃう。
ロケットの後、大階段が出てくるまでが長すぎるというのもあります。
ロケットを二回入れるか、定石通りロケット直後に大階段の燕尾に行った方がいいのでは。
それと、朝海ひかる並に踊れる蘭乃はなに踊らせないってどゆこと?
一人で芯を務めてもいいくらいでしょう?SERCLET SWINGの場面も男役で役替わり
なんかせずに蘭乃一本でよかったと思います。明日海とばかり組ませるのも意味ある?
出演者について
蘭寿とむ・・・意外と「棒」?今まであまり気づかなかった。今回のであらわになったのは
要するに何もさせなかったらと思っています。得意なダンスもあまりなかったし
蘭寿ってこんなふわーっとした役は似合わないよね。
ここまで作品に恵まれないと気の毒すぎて もっともっと情熱的な役の方が
いいのに。「月の燈影」の次郎吉君はどこへ行った?
蘭乃はな・・・表情の乏しさは相変わらず。風花舞はダンスも上手だけど、踊っている時もしっかり
娘役で感情表現が豊かだったのよ。星奈優里のような雲の上のダンスとか舞風りら
みたいな蝶々さんの真似は出来ないんだから、せめて演技力をつけて。
明日海りお・・・月組時代が嘘のように花開いた印象です。やっぱり遠慮してたのかなあ。
花組の中では歌が上手な方でほっとするし、正統派2枚目でさらにほっとする。
ジェラールとしてはああ演じるしかなかっただろうなと。もう少し深みがあったら。
明日海には見た目の大人っぽさを希望。
望海風斗・・・バンジュ公爵。デュエットダンスが素敵でした。それとラストの歌。ショーでの
歌も最高。今時の宝塚ではこういう優等生がいないとダメなのよ。
華形ひかる・・・ジョゼフ。ひところにくらべると演技力もアップ。
春風弥里・・・退団なのが惜しい程ダンスも歌も上手で。勿体ないなあ。演技心もあるのに。
黒い天使の柚香光が非常に目立っていました。
蘭寿が次回で退団という事で、次期の明日海を見越して蘭乃と組ませていたのかなと。
明日海は華があるけど若い印象。二枚目だけど今一つ個性的ではない。
そこで望海風斗なんだけど、今の立場では報われそうにないなあ。
次世代として芹香斗亜が台頭しているのは喜ばしいけど、順当に行くかどうか。
何だか混沌としているような。
今回の舞台もあまり熱さを感じなかったし。元々花組はクールな組風を持っていて
団結力があるとはいえないけど、トップの退団を前にしているわりにはクールすぎない?
まとまりは大事だし、ある程度の粘り気がないと観客はついていけないのでは?と思います。