ふぶきの部屋

皇室問題を中心に、政治から宝塚まで。
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宝塚歌劇にとって平成とは何だったのか 6

2019-01-16 07:00:00 | 初心者の為の宝塚講座

 匠ひびき・絵麻緒ゆう・貴城けいの悲劇

この3人がトップになって退団するまでの宝塚は観劇するのがとても辛かった記憶があります。何組を見ても「どこの組を見ているんだか」みたいな印象があって。

 自分がいないのに自分のさよなら公演が始まってしまった匠ひびき

匠ひびきは天海祐希や絵麻緒ゆうの同期で、花組ではダンサーとして評価されていたような気がします。生の舞台で見た彼女は演技がいつも硬くて素人っぽいなと思っていたので個人的にファンだったわけでも何でもありません。

愛華みれがトップになってから、間に香寿たつきを挟んで路線トップに出て、香寿たつきが組替え後は2番手をキープ。新専科に配属されても立ち位置が変わらず・・・と思っていたのですが、平成12年「ルードヴィッヒⅡ世」でグッデン博士を演じ、好評を博すも大劇場公演後半に杖をついて登場。そのまま東京は休演になってしまったのです。(原因は疲労骨折と聞いた記憶が)

それが全ての始まりというか、歌劇団としては愛華みれの次のトップは春野寿美礼で決まっていたのかもしれません。

愛華みれのさよなら公演が始まってすぐに噂が立ち始めます。

「歌劇団はチャーリーを1作で退団させる気なのよ」と・・・・まだまだヅカファン初心者だった私は、まさかそんな事ってあるの?と思いました。

「だってショーの大階段の歌はオサだったじゃない。普通だったら二番手でしょ」って言われてああ、なるほどなあと。

私自身は匠ひびきがそれほどトップとしてのカリスマ性があるとは思っていなかったし、花組ファンでもないし・・と冷静に見ていたのですが実際にお披露目と同時に退団発表された時はびっくりしたし、だったら何で最初からトップにするのよーーと思ったものです。

幸いにしてプレお披露目「カナリア」がいい作品だったし、大劇場公演「琥珀色の雨にぬれて」「カクテル」も両方ともよい作品でよかったかなと思っていたのですが、信じられないことに大劇場まではぎりぎり頑張っていたけど実は病気でした・・・という話にさらに驚きました。

え?じゃあ、東京公演はどうなるの?と思っていたら、春野寿美礼が代役ということでこれはもうさよなら公演じゃないじゃない?と。何で延期するとか順番を変えるとかしないんだろう。たった1作の最初で最後のトップ作品なのに。

この時期、マスコミでも匠ひびきの1作トップが取り上げられ歌劇団の横暴だと叩かれました。しかし・・・組織というのは怖いもので、叩かれてもシカトすれば存在し続ける、それが宝塚だと証明してしまったんです。

小林一三が生きていたらきっとこんな仕打ちはしないだろうにと思ったけど、歌劇団は一切の方針を変える事無く、東京公演は始まってしまいました。

当時、白城あやかが司会する「カフェブレイク」で笑っているのに泣き顔の春野寿美礼を見て「彼女も辛いだろうな」と同情はしたけど。

実際、トップがいない二番手代役のショー「カクテル」は変でしたよ。麻路さきも「うたかたの恋」「パパラギ」で二番手なのにトップをやったけど、あの時とは状況が違います。

ショーのあらゆる場面にチャーリー愛をちりばめ、大階段には「チャーリー」の文字が浮かび、安寿みら振付の「乾杯」が観客を泣かせる泣かせる。

そしてこういうのはファン同士の争いを生むもので、当時は結構あちこちで・・

結局、匠ひびきは千秋楽の終わりだけ出て来たのですが、退団してからも病気はぶり返しているようですし、若い頃にあまり無理をすると本当にいけないなと思うし、なんでこんなに歌劇団は冷たいんだろうと今でも思います。

 記者会見で「1作退団を示唆された」と暴露した絵麻緒ゆう

絵麻緒に関しては4番手あたりからずっと見ているのですが、いわゆる星組の御曹司で苦労知らずでわがままという印象があり、、その手のエピソードは事欠かない人ではありました。

稔幸がトップになって2番手に就任。確かに歌もダンスも下手だけど星組を受け継ぐ人としては別にそん色がないのではないかと思っていました。

それが平成12年にいきなり新専科に配属され、翌年1月~2月まで「花の業平」「夢じゃ世界をかけめぐる」2月~6月「猛き黄金の国」「パッサージュ」と休みなしのスケジュールに組み込まれてしまったんですね。

多分、この時には香寿たつきの星トップ就任が決まっていて絵麻緒はどうなるかわからなかったと思うのですが、あまりのスケジュールのハードさに体調を壊して数日休演する羽目になりました。

その後、雪組に2番手として配属されたのですが、誰でもそうですけど全く知らない組へ行くのは相当なストレスだったろうと思います。それを支えてくれたのは紺野まひると成瀬こうきだったろうと。

平成14年、トップに就任するも退団が決定。その時の記者会見で「劇団の方針に従って」退団すると言って波紋を広げました。

さよなら公演は、あの正塚晴彦が最初で最後のラブストーリー「追憶のバルセロナ」を書き、草野旦が「ON THE 5TH」で前年の9.11をとりいれ、素晴らしく綺麗な雪を降らせてくれたこと、ラストは星だらけの衣装を着せてくれたことがありがたかったです。

歌劇団としては朝海ひかるを早くトップにしたかったんだろうと思いますけど、ある意味残酷ですよね。

いつだったか、雪組の「逸翁デー」にぶつかって、麻路さきが出演したのですが、その時、絵麻緒ゆうが号泣していたのを覚えています。気が緩んだんだなあと。色々性格に問題があっても可愛い人ではあったかなと。

 黒装束で退団会見に臨んだ貴城けい

貴城けいは78期で、彼女もまた雪組の御曹司でした。ノーブルな顔立ちで優等生風。白軍服がよく似合う人です。しかしながら77期の活躍に随分損をしていたのも事実です。それでも朝海ひかるのトップ就任によって2番手に昇格。

二番手になってからの貴城けいは非常に実力をつけ風格も重なりよい男役に成長したと思います。朝海ひかるがフェアリー系でちょっと自信なさげだったので、余計に貴城が際立っていたと思います。

しかしながら、平成17年に突如宙組に組替え。そして宙組からは水夏希が2番手として入って来たのです。この人事には首をかしげました。

なんで貴城が宙組に配属されなくてはならなかたか全然わからなかったからです。

宙組の和央ようか・花總まりコンビの長期政権による害悪が水夏希に及び、雪へ配属させたという噂もありましたし、「かしげは肩たたき」との噂もありました。

その通り、トップになって僅か半年で退団してしまったのです。

しかも最後の作品が「維新回天・竜馬伝」という貴城には全く似合わない役柄だったし、相手役の紫城るいも急きょ月組から宙組に配属されて貴城と一緒に同時退団しました。彼女は多分、もっとトップを続けたかったと思いますがこれまた劇団の意向に従ったもので、だから記者会見の時には普通白を着るのに黒装束だったと言われています。

しかし、宙組といえば大和悠河もまた月組の御曹司だったのに、いきなり宙組へ組替えさせ、星から陽月華を持ってきてどこまでツギハギだらけのトップコンビになってしまった事は宙組の歴史の中でも黒だと思います。

理事長が「宝塚らしさ」を強調しておきながら、なぜ上級生になってからの組替えを進んで行うのか、ファンとしてはさっぱりわかりませんでした。

 

 それからの出来事

 平成15年 宝塚ファミリーランド閉園

時の流れには勝てず、宝塚ファミリーランドが閉園。これによって風景が一変してしまった感があります。今や住宅地と温泉街に突如大劇場だけがあるという感じになってしまって。

駐車場も何もあそこに作らなくてもな・・・・

 平成16年 宝塚90周年ということで各組の2番手が特出

後にスカイステージなどをみると、どこの組も何組かわからなくなってます。

こんな企画をする必要があったのかどうか。

 平成21年 東西のチケット代を値上げして、大幅にB席を減らしS席を拡大

       本公演の公演期間を一ヶ月に戻す

ファンから大ブーイングが起きた事件です。S席がA席にまで波及して、これじゃ完璧に金儲け主義じゃないかーーと。そりゃ帝劇などよりは安い。けれど、そもそも宝塚って薄利多売な場所じゃなかったっけ?

ネットによるダフ行為がますます増して今や金持ちとコネ持ちしか見れない宝塚です。「歌舞伎の世界だってそうなんだからいいんじゃない?」という人もいるかもしれないけど、それじゃ芸術は死んでしまいますよ。

本公演の短縮はしょうがないとしても、余計にチケットが入手しづらくなったなと思う今日この頃です。

 

 

コメント (4)
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