姫ちゃんと観劇してまいりました。
実は「HIGH&LOW」は見たことなくて、当然あのグループも好きじゃないので正直ついていけるのかな~~と思っていたんですが。
HIGH & LOW
通称「ヅカロー」とか呼ばれている作品ですね。
野口幸作が脚本と演出。
大元の話の前の話って事で、いわゆるオリジナルらしいのです。
ストーリーだけ見ると、まるで「ロミオとジュリエット」と「ローマの休日」を足して2で割ったような作品です。
真風涼帆率いる「山王連合会」
芹香斗亜率いる「White Rascals」
瑠風輝率いる「達磨一家」
鷹翔千空率いる「鬼邪高校」
桜木みなと率いる「RUDE BOYS」
この5つのグループを紹介していくオープニングがとにかく激しい。
大階段使って「オラオラ」モード全開でやって来るので熱気が・・・・
真風涼帆はその昔、この一帯を仕切っていた「無限」とかいうグループの生き残りで、「街」を護る為に山王連合会を率いているんだけど、でもそれって誰かに頼まれたから?「守る」って何よ・・・と密かに思っているんですよね。
そこに、幼馴染のカナが現れ、余命いくばくもない彼女の為に色々な事をしてあげる・・っていう甘いストーリーなのにっ!
真風に色気がないばっかりに、潤花ちゃんが必死にかっこ可愛い女の子を演じているのに通じないのです~~~
これが星組だったら・・いや、そう考えてはいけないわけね。
そもそも5つのグループをどのように舞台に登場させるのかしらと思ったんですが、山王連合会とホワイトラスカルを中心に、場面場面で達磨や鬼邪校を出し、最後に桜木みなとが出て来るという感じです。
場面のまとめ方もいいし、退屈しないし(真風と芹香以外のファンは待たされるけど)
ラストも感動的で言う事無しです。
やっぱり宝塚なので、本家本元のようには行きません。当たり前だけど。
ぎりぎりヤクザぶってって感じです。
若手もすごく頑張って髪の色を変えてみたり、すごんでみたりしているのはわかる。
わかるけど、どこか薄っぺらい。
軽いのは宙組ならではだなあ。5色の違いを見せるのに結構苦労していたんじゃないかと。
真風涼帆のコブラは、前述したように色気なし、その気なし、ただかっこつけているだけという印象が。
どうしたんでしょう?前作で力尽きたか・・・相手役に優しくする事も忘れちゃった?って感じですね。
芹香斗亜のロッキーは一人で華やかな白い衣装にステッキ持って、「女性を護る、女性を救う」と恥ずかし気もなく歌ってくれるのでちょっと嬉しい。
けれどいつもの芹香斗亜節にはもう・・・ほんと、ダメだ~~
桜木みなとは、「カルトワイン」の成功で吹っ切れたのか、とにかく表情豊かでダンスが上手で雰囲気たっぷりで母性本能くすぐる人。
早くトップにしないとダメですね。
潤花は、これ以上ない程美しいし可愛いし、セリフもばっちり。
こんなに完璧に可愛くて美しい娘役が相手だったらどの組のトップも大喜びしてラブラブになりそうなもんなんだけど、どういうわけかラブストーリーとして半端にしか見えなかった。
天彩峰里はレディースの総長ですが、これがまたぴったりでコケティッシュで可愛い!
カプリチョーザ
開演前、姫ちゃんが「さあ、藤井大介は狂うか明後日の方向に行くか」と挑むように言ってまして。
つまり、藤井先生は組によって作品の出来がものすごく違うという事を言いたかったようです。
全回の藤井作品が「アクアヴィーテ」でまたお酒かあと思った記憶があったので。
「カプリチョーザ」はイタリア巡りのショーです。
オープニングの曲はとても好き。
だけど、板付きでずらりと並んだメンバーはおおっと来たけど、その後、トップを真ん中に男役ばかりを銀橋に立たせて結構長く歌うシーンがあり。
これじゃ、まるでホストクラブで「お気に入りがいたら御指名下さい」って言われているみたいだわと思いました。
「フィレンツェ」はとてもいい場面で、薄い紫のコートでみんなで歌って踊るシーンがあるのですが、それがすっかり真風涼帆さよなら風味でちょっとぐっとくるものがありました。
でも実は驚いたのは大階段で、どこかで聞いた事のあるメロディを芹香斗亜が朗々と歌っており、はっと気づきました。
中森明菜の「ミアモーレ」だってこと。
なんて素晴らしいチョイス!藤井先生、やったね!って感じ。
この曲、実は大好きです。中森明菜といえば「十戒」とか「飾りじゃないのよ涙は」だと思っている人、それは違う。
その「ミアモーレ」が延々と続いてデュエットダンスまで。
しかも天彩峰里が歌うという・・・これは大きなサプライズでした。
総じて楽しいショーだったのですが。
ちょっとだけ。
それは真風涼帆がモロ手抜きダンスをしてた事。
全く、こんな事は春野寿美礼以来の事です。
全体的にあまり元気がないような感じがしたんですけど、大丈夫でしょうかね。
それに比べると桜木みなとのテンションが高くて、ついつい目がそっちへ行ってしまう感じ。
あとは風色日向が頑張ってたってくらいかな。
色々忙しいとは思いますけど、観客に手抜きしてると思われたらダメですよ。
衣装も音楽もとてもいいショーなんだし、ラストまで頑張ってほしいです。
中森明菜の「ミアモーレ」を知らない人の為に