大劇場で2回観劇しました。
思うに大劇場って意外と換気が悪いんじゃないかしら?
広くてテラスもあるからいいように見えるけど、それぞれショップや劇場の中は外が見えないし、東京程開放的な感じはしません。
巡礼の年
この作品の見所は?と聞かれたら
柚香光の生演奏
永久輝せあの立派な女優ぶり
久しぶりの水美舞斗のおとなしい役
って所でしょうかね。
脚本について
私は生田大和に言いたいです。「上田久美子をまねようとしてもダメ」
「なぜもうひと頑張りして脚本を手直さないのか」と。
本人的には大劇場で大掛かりな脚本を書くすごい作者だオレくらいに思っているのかもしれないけど、正直、脇が甘い。甘すぎる。
ゆえに最後まで見ても情緒的にならないし、泣くでもないししんみりするわけでもなく、よかったね~~と喜ぶわけでもないんです。
リストが超絶技巧の持ち主で、でも裏にはこんな人生があったんですよ・・・まではいいんです。そこまでは。
ジョルジュ・サンドと恋愛を語りながら、パトロンのラブリダグレト伯爵夫人の支援なしではサロンで活躍できない。アイドルのようなホストのような生活を強いられプライドズタズタ・・・そこに現れたマリー。
恋に溺れて逃避行。
でも、もう一度名声を得たいと言う欲望には勝てずあっちこっちで勲章やら地位やら貰って嬉しい。
永遠のライバル、ショパンに勝ったと思ったけどショパンは自分を諭すばかり・・・というような話なんですね。
でも、人が人生を変えるとか成長して行くには「きっかけ」が必要じゃないですか。
それが革命だったのか、ショパンの死だったのか、そこがはっきりせず、ラストでなぜリストが学校の先生になったのか全然理解出来ませんでした。
要するに結末を端折ったというか、もう適当に終わらせようと思ったのか。
最初は確かにリストの人生を描いていたのです。
しかし、途中に「革命」が入った事でリストは蚊帳の外。
気が付いたらマリーが革命に参加していた。
「自由を得る」事が本当の望みだったんでしょう?なんて言われても、答えるべくもないわけ。
はあ?って思ってる間に夢かうつつかわからない状態に入って気が付いたらショパンがいて、「何の為に音楽を」とまだいうかお前。って感じ。
ショパンの死を看取るでもなく姿を消すリスト。
変でしょ。どうみても。
私だったら、逃避行の果てに自分を見失い、そこに革命が起きてもう貴族のパトロンは期待できない事がわかり、挫折していく芸術家達の中で生き残るべく、学校を開いたり、母国ハンガリーの為に尽くしたり、指揮者になったりと懸命に頑張る現実家としてのリストを描きます。
マリーの為、彼女と結婚する為に頑張るリスト。
でもショパンはピアノ一筋、生き方を変えるでもなく時代に乗り遅れたように見えてリストが一番欲しい「至高の芸術」の域に入っている。
ショパンの死を看取った時、リストは永遠にショパンへの敗北を意識して今一度姿を消す・・・方が理に適っていると思うんです。
マリーとの再会が何年後の話なのかわからないし。ラストは本当にもう残念。
音楽的にもあれだけ柚香光がピアノを弾けるなら丸々1曲弾かせるべきだった。なぜそこにロック?なぜそこにラップ?
フレンチ版「モーツァルト」もどきですか?
もっとリストの曲をちゃんと聞かせて下さいよ。どれが「巡礼の年」なのかクラシックファンじゃない人にはわからないの。
一々調べないとわからない人の話って困るわ。
思えば見せ場もあまりなく、ひたすらそれぞれの存在感だけに頼って、やたら大きく見せた舞台だったと思います。
ジョルジュサンドとショパンも、いつの時点で愛し合うようになったのか。
革命によって貴族たちはどうなって行ったのか・・・そこまでちゃんと描いて欲しかったです。
ハンガリーのシーンなどはカットして。
革命のシーンもいらなかったなあ。非常に無駄なシーンの連続でした。
Fashonable Empire
稲葉太地の作品は今一つテーマ性が見えないと言うか。
今回は「帝国」をテーマに、様々なシーンを見せてくれた・・・んですが。
じゃあ、このショーの見どころは?
幕開け。板付きの水美舞斗
椅子に座って登場する柚香光
ある時はBL,ある時は女性に色気で取り込まれる水美舞斗
帆純まひろの可愛い女役
永久輝せあの歌唱力
デュエットダンス
ってところですか。そこまで見どころがあるならいいじゃん。って感じですが、今ひとつ「帝国」感に欠けるかな。
いや、水美舞斗お披露目公演のようにも見えまして・・・なんせ彼女のダンスがすごすぎて、それだけでも見ていたいと思わせるもの。
テーマ曲の歌詞が「俺の手をとるか?ここへ来るか?お前に決めて欲しい」なんて歌われたら「はいっ」って返事しちゃうよね。
ただ見慣れてくるとどうかな~~どこかもう一つ何か欲しいって気がするかな。今回はトップがあまり出てこないので。
出演者について
柚香光・・・花組の皇帝 柚香光閣下。とか、陛下とか呼ばないといけないわ~~この存在感。
こんなトップさんは見た事がないです。何で舞台の上で自分の家にいるようにリラックスして自由自在に動けるのかしら?
視線の一つ一つがもう観客をとらえたら離さない。
ピアノを弾く姿の美しさ、ジョルジュ・サンドを抱く色気、マリーと追いかけっこする時の無邪気さ。
今回は結構段差のある所を上ったり下りたりするシーンが多いのですが、足が長いのか苦にもせず。特に芝居の冒頭、ピアノがある台から飛び降りるシーンがちょっとすごくて。ここ、普通の人なら階段使うんじゃないか?と。
だらしなく酒におぼれる姿や伯爵夫人にけなされるシーンも萌え。
最初見た時、酔っぱらったリストを音くり寿ががんと押して、セットにぶつかったんですよ。そしたら「いってぇ~~」とアドリブが。
そういうのが自然に出て来るのもいいよねと。
ショーにおいては、いつも誰かにいたずらしようとしている風で、下級生だろうが同期だろうが肩を触ったり、抱いたりと。勿論星風まどかにも、「びっくりさせちゃおう」みたいな視線を送るので面白いです。
そして今回は、柚香光は銀橋から袖に引っ込む時、ささっと入らず、必ず本舞台で演じている人達を一回り見てから悠々と引っ込むんですよ。
そういうのもファンにとってはたまらないのでは?と思います。
ダンスの花組復活で宝塚はまたも最盛期になるんでしょうね。
星風まどか・・・芝居のマリーは衣装がとてもよく似合い、伯爵夫人でありながら自分をきちんと持っている女性で、好感が持てました。
ショーでは自由自在に踊っている感じ。ファッションショーのシーンでは、「ソロモンの指輪」「スカピン」の衣装がずらりと並ぶ中、ぶりぶりの衣装からシンプルなドレスに着替えて出て来る所がキュートです。
柚香光との相性は抜群で、ツーと言えばカー何だなあと。
水美舞斗・・・私はワイルドなマイティより、ショパンのような性格のマイティの方が好きですね。終始、濃い色のジャケットにネクタイが美しすぎて。
でもやっぱりこの人はショーでの活躍が目立ちます。
妖しく柚香光をBLの世界に誘い込むと思えば、帆純まひろに取りつかれて意のままになっちゃうってのもファンとしては嬉しい。要するに「こんなマイティみたかった」ってショーです。
私はピルエットが大好きなんですけど、マイティのピルエットは天下一品です。
永久輝せあ・・・芝居では女性役のジョルジュ・サンド。見た目はベートーベンの望海風斗みたいなんですけど、女性声が綺麗でソプラノいいわ~聞きほれてしまいました。
ショーでは歌手としても活躍。3番手としての地位が確立し余裕が見えて来たかなという所。
聖乃あすか・・・芝居においてはクールな革命家。ショーにおいては若手筆頭という感じです。以前よりずっと存在感が増してきたと思うのですが
あともうちょっと男役として成長して欲しいと思います。
音くり寿・・・芝居ではリストを牛耳る伯爵夫人として見事な悪役ぶり。でも私は「元禄バロックロック」の綱吉様の方が好きかな。
新人の頃から見て来たと思います。「「MY HERO」で見た時は「なんじゃ、このおかめちゃんは」と思いました。その印象は最後まで残ってます。でも、本当は演技派なんですよね。けして美人ではないけど、花組の中では大切な娘役さんでした。
目が大きくて目立ってた帆純まひろ。
でもまだ子供っぽい。もうちょっと大人になって!!と。
そうそう、芝居のラスト、子役たちが沢山出てくるんですけど、そのあまりにも見事な子役っぷりに拍手を送りたいです。本当の子供に見えるんですよ。これも見どころの一つですね。
姫ちゃんと宝塚三昧で羨ましいです。私は今月末帝劇のガイズのみで終わりそうです。
最初のれいちゃんの美しさで期待度マックス↓でストーリーが迷走して…リストって人としてどう?(失礼ですが武蔵と同類?)
生田くん、春の雪やシェークスピアとか好きだったし、舞台の使い方とかセンスあると思うのですが、ここ最近あれれ?
ウエクミなき後頑張ってくれないと!!
稲葉くんもお疲れかなー、贔屓目でなくグランカンタータ良かったからやっぱりダイスケはファンの求めてるのがわかってる。
PS.星の天寿会総見すぐ後方で観劇した時、ふぶきさんと姫ちゃん見てるかな?とか思っちゃいました(笑)
MPでしたか。東宝で最後の大活躍を堪能して下さい(涙)