よし坊のあっちこっち

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盲蛇に怖じずー大都会のコワーイお話

2007年03月06日 | アメリカ通信
久しぶりに怖い話を聞いた。知らない者の怖いもの知らずは、一つ間違えばあの世行き。

この女性、海外一人旅が好きで、今回はアメリカときた。NYはマンハッタンに宿をとり、食事の後にジャズを聴きに。ご存知のように、ジャズクラブは最初のステージが夜の9時頃から始まるから、帰りは11時を過ぎる。事もあろうに、この彼女、地下鉄に乗ってホテルまで帰ろうと乗ったはいいが、その車両には誰も居ない。と、怪しげな二人連れが近づいてきたらしい。明らかに襲う仕草なので、とっさに近くの手動ブレーキを引っ張ったという。いいのか悪いのか、ブレーキは作動しなかったが、二人連れは、それにびっくりして逃げたので、事なきを得た。時期も悪い。今は冬。こんな寒い冬のマンハッタン、夜遅くウロウロしているのは少ない。コレが夏だと話は違う。もちろん、夜の大都会は常に怖さと隣り合わせだが、夏は、夜遅くまで結構賑やかで、地下鉄も人が多い。それと、ジャズクラブはロウワーーマンハッタンと言って、ごちゃごちゃした地域に犇いているから、季節を問わず、それだけでも注意が必要。

この話を聞いて、かつての無謀な体験がよみがえって来た。シカゴに出張した折、同行の若者商社マン氏二人と酒を飲みに街に出た。我ら三人組は全員日本からの出張で地元不案内の3アホトリオ。日本よろしく、酒のあとはラーメンとなった。日本でも深酒のあとのラーメンは美味い、というアレである。性懲りも泣くシカゴくんだりまで来てやるとは、相当のアホだろう。若さと知らぬ者の勢いだろう。タクシーに乗ってたどり着いたのはチャイナタウン。

大体、チャイナタウンは何処へ行っても危ないところに有る。が、そんなことはお構いなし、で閉店間際の店へ入り、日本並みの美味しい味噌ラーメンがあるわけでなし、それでも汁麺を食して皆満足の体。時間はとっくに夜中の12時を回っている。

この3アホトリオ、酔い覚ましに歩いて帰ろうかときた。店を出て歩き出したが、周りは真っ暗。遠くに町らしき灯りは見える。しかしその間は真っ暗。3人居るから大丈夫とカツを入れて灯りを目指し歩くが、よく見ると周囲はスラムっぽい。時折人間がタムロしている。歩きながら、「明日の新聞にワシら出るかも知れんな」「ワシら三人でも勝ち目はないな」等危うい会話がボソボソと出てくる。

度緊張で歩くこと暫し、はるか向こうから赤と青のチカチカした車、そう、パトさんが来るではないか。神の助けとはこのこと。3アホトリオの前で止まり、窓からゴツイ、黒人警官が顔を出し、「お前らこんなところで何をやってるんだ。死んでも知らんぞ」。「ホテルまで送るから、はよ、乗れ」。こんな感じだった。ポリさん曰く、「ここはスラムの入り口だ」。

何処へ行っても大都会は怖い。最近事件が増えたとは言え、日本くらいか、女性が夜遅くまで歩けるのは。しかし、ひと度世界に出れば、そこには世界標準ちゅうものが有るのを忘れちゃいけない。日本だけ世界と違っていると思わにゃいかん。昔、「不思議の国ニッポン」ちゅう本を読んだが、さしずめ「特殊な国ニッポン」だ。