よし坊のあっちこっち

神出鬼没、中年オヤジ、いや、老年オヤジの何でも有りブログだ!

RAIZO - 雷蔵事始

2009年12月20日 | RAIZO
何を隠そう、よし坊は、熱烈な雷蔵ファンである。ファンだからと言って全ての映画を見てはない。それにしても、昔から雷蔵にはえもいわれぬ魅力があった。最初に観たのは、長谷川一夫主演の「花の渡り鳥」で、以後虜になってしまった。白虎隊も含めデビュー当時の作品は殆ど観ていない。小学校3~4年の頃からの筋金入りと自負している。

雷蔵のファンは圧倒的に女性のオバちゃんだ。ファンクラブがあって、それは熱烈というか、付いていけないくらいのものだ。男の会員は当然少なく、いつも隅でタジタジになっている。うれしいのは、最近は若い女性のファンが増えていることだろう。それにしても、映画の一場面を見せずに、音で聞かせると、即座に題名を当てられる猛者ばかりなのである。

東映と大映は時代劇が主流だから、人気俳優の中心も当然時代劇畑となる。当時の時代劇スターで言えば、東映では、知恵蔵、歌右衛門、それに続く錦之助、千代の助、大映では長谷川一夫に雷蔵、勝新となる。新東宝は嵐勘、若山富三郎。時代劇弱小松竹では近衛十四郎が奮闘し、東宝には三船がいた。その中で、錦之助と雷蔵は次代のスターとして売り出し中だった。

コテコテの時代劇出身の中で、雷蔵は現代劇にも特異な光を放っている稀有な存在だろう。もちろん時代劇ほどの数では無いが、出演ジャンルの幅の広さは、それまでの俳優の中では出色だ。しかも、既に色々な人によって書きつくされているように、あの一見、銀行マンか経理マン風情の素顔が、ひとたび時代劇の画面に出現すると、驚くほど違う顔になる。それは、小川錦一が錦之助に変化(へんげ)するのとは訳が違う。時代劇でも、シリアスものからコメディまでこなし、これがみな、様になっているのが良い。
雷蔵ファンはこの落差が楽しく、堪えられないのだ。そしてもうひとつ、忘れてならないのは、あの声。声がいい。雷蔵とその時代をじっくり懐かしんでみたい。