よし坊のあっちこっち

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日本のマスコミジャーナリズムは死んでいる、と言うお話

2011年07月05日 | アメリカ通信
今回たまたまなのか、それともジャーナリズム精神を発揮したのか、定かではない。しかし、辞任したマツモト復興大臣の暴言場面を報道したのは、TBS一社だけだったと言う話のようだ。これが事実なら、相変わらずと言うか、なんと日本のマスメディアは腐りきっているのだろうと思わざるを得ない。

大臣の上から目線のヤクザ口調の言い方も酷いが、最後に”これを流す会社は終わりだ”と恫喝するあたりは、開いた口が塞がらない。
これを報道しないで何とする。しかし、TBSを除いて、他社はすべからく、この恫喝に足がすくんでしまったわけだ。なんとも情けない、の一語に尽きる。

自由の国ニッポンが、よく中国や北朝鮮の報道振りを、世論操作だとか、偏向報道だとか、クソミソに非難しているが、おっとどっこい、ニッポンも十分に彼らと同じレベルなのだ。それに気が付いていないから、始末が悪い。

ジャーナリストの上杉隆を中心に長年戦っている「記者クラブの弊害」も、中々ドラスティックな風穴が開かない。開かれた先進国で、この様な閉鎖的なやり方をしているのは日本くらいなものらしい。これが有る限り、大マスコミの仕事は「お上の意向を伝える」と言う、単なるメッセンジャーボーイの域を出られず、時の政府の奴隷に成り下がるしか無いのだろう。だから、中国北朝鮮並なのだ。

発信側がこの体たらくだから、受信側の我々がチエを絞って真相を嗅ぎ分けなければいけない。幸いな事に、インターネットのお蔭で、最近はイロイロな識者、専門家がブログやネット放送で情報提供してくれるから、誠に有り難い。今時、大新聞と、それに連なる放送局の報道は信用しない方が良いということだろう。巷では「マスゴミ」と叩かれる。さもありなん。

アメリカではどうか。
記者会見の質疑では、鋭く厳しい質問が記者から飛ぶ。日本のように恫喝しようものなら、まず、新聞社や放送局から一斉に権利や独立性の侵害だとして非難の集中砲火を浴びる事間違いなしだろう。アメリカ人はこの一線は絶対に譲らない。
日本では、そんな事は到底起こりえず、その会見はまるでお通夜のようで、恐る恐る、気兼ねしながら質問するが、肝心の所は避けて通る、そういう感じだ。日本は誠にオカシイ国である。

映画三昧 - 太陽の墓場と炎加世子

2011年07月01日 | 映画
炎加世子という女優がいた。この女優を思い出す時、篠田正浩の「乾いた湖」の大看板を思い出す。あの大看板を横目で見ながら、何となく伝わってくるズベ公的なキャラクターに胸がドキドキしたもんだ。彼女は彗星のように現れて、いつの間にか何処かへ行ってしまった。

現代劇の松竹のこの頃は、篠田正浩や大島渚が次々と意欲的な作品を出していた。その一つに大島の「太陽の墓場」がある。

戦後、といっても昭和34-5年頃の大阪のドヤ街に生き、アッサリと死んでいくチンピラ連中の、泥臭く、バタ臭い底辺のどうしようもない、そしてギラギラした生活を描いていて、今観ても面白い。津川はやはり男前だ。弟分でどこか弱そうな佐々木功、在日役の渡辺文雄。その他は、佐藤慶、田中邦衛、小松方正、伴淳、戸浦六宏、小池朝雄など等、今となっては涎が出る連中だ。これにあの炎加世子が加わる。彼女の作品は全て体当たり演技というやつで、汚れ役が活き活きとする。今の時代、こういうタイプの女優は出てこないのか、それとも来れないのか。

秀逸は、北林谷栄だろう。この女優は、何と言っても「おばあちゃん」役がはまりであるが、ちょっと年増のアバズレやワルをやらせると、抜群の迫力がある役者である。

炎加世子よ、何処へ行ったのだ。