三鷹駅から見た「風の散歩道」
三鷹市は緑の街である。三鷹駅から吉祥寺に繋がる歩道は「風の散歩道」として整備され、ケヤキや桜などが繁茂する木陰となっています。また、小金井公園に向かう玉川上水の土手は様々な木々が茂り、毎年行なわれる歩く行事、3デーマーチの絶好のコースとなっています。
これと平行するように、大岡昇平「武蔵野夫人」に描かれた野川/はけの緑豊な流域があって、これら三つの緑陰が三鷹市の自慢となっています。
このほか、再開発が進んでいる北口周辺も歩道の幅員が広く、並木も美しい。
都市で暮らす上で、緑豊かな環境は不可欠です。西洋を模し、日本が近代化する際、公園の造成は欠かせないものでした。日比谷公園、石神井公園などはそうした施設の典型で、当初は都市で働く人たちの憩いの場であったのです。その後、公園には必ず交番が設置され、政治的に利用されるのを監視したり、一部軍事的に活用されたりと変遷をたどりつつ今日の姿になっています。
「風の散歩道」に続く井の頭公園は明治期の恩賜公園です。一部に動物園があったりして、初期の公園の理想が半端な形で残っています。上野公園にも動物園がありますね。
気候や災害、健康との関係で自然を大事にする考えがありますが、それだけでなく、風景としても都市と樹木はもっともマッチする美観です。この場合は手入れが必要です。
都市計画として、樹木の比重をもっともっと大きくしたいものです。その一つが街路樹です。街路樹の強すぎる剪定にはいつも疑問に思います。十分な幅員を持った道路に街路樹がこんもりと育っている風景、そんな一景を「風の散歩道」に見ることができます。【彬】