ぼくらの日記絵・絵心伝心 

日々の出来事や心境を絵日記風に伝えるジャーナリズム。下手な絵を媒介に、落ち着いて、考え、語ることが目的です。

新宿……一極集中のメガロポリス

2012年07月12日 | 日記

東急ハンズ側から見た新宿駅南口の線路風景 

 新宿。ご存知のとおり、JRを中心に私鉄が小田急線、京王線の2社。地下鉄が、丸ノ内線、新宿線、大江戸線が乗り入れる巨大なターミナルである。

 JRはホームだけで16番もある。埼京線、湘南新宿ライン(東海道本線、横須賀線、東北本線、高崎線、成田エクスプレス)中央本線(甲府・松本方面)・中央線快速(青梅方面)、山手線、総武線と錯綜している。

 乗降客は世界一でJRだけで一日75万人を数える。改札口は早朝から深夜まで利用者が途切れなく続いている。

 新宿と同じように、池袋や渋谷も人波は絶えず、みな巨大都市へ、巨大都市に吸い寄せられていく。

 反面、地方都市はシャッター通りへの危惧が絶えない。

 なぜ、このような集中化が起こっているのだろうか。新幹線や携帯電話など、交通や通信手段が発達すればするほど、原理的には、人は双方向に動くはずであった。都会の意味が薄れるはずであった。ところが事実は反対で、不況の現今こそ人は都市に流れる。

 一極集中は、日本だけでなく、韓国や中国でも同様で、なにかアジア的な現象にも思える。韓国では行政機能を分離して、ソウルから新たな都市に移す計画が進んでいるようである。日本でも首都移転は古くから検討され、候補地には群馬県のどことかなど話題になったこともあった。しかし、行政を分離して、果たして分散化が達成されるものやら。

 一極集中への一つの対抗として、地方分権が言われている。地方が衰退するのは、自治を保障する資金=税金が、国からの交付税に頼らざるをえないからで、消費税などは地方に渡せ、と橋下大阪市長などは主張している。

 それぞれ一理はあるのだろう。

 が、地方が衰退するのは、もっと大きな経済的な仕組みがもたらしているように思える。たとえばかつて繁栄を誇ったデパートの衣料品売り場は現在閑散の一方なのだが、その一方でユニクロなどといった小売業が圧巻だ。デパートの衣料品といえばブランドや有名メーカーの誇示であった。ユニクロの場合は、単に安価というのではなく、デパートが誇った生産者の顔(ブランド優位)を意図的に消しているように思える。生産地は中国であろうが、ベトナムであろうが、問題ではないのだ。このことは、私たちの消費意識の中に、生産現場への想いが消えて、製品そのものへ関心が移ったことが示されていないだろうか。圧倒的な大量消費というのは、生産の側からではなく、消費の側からの経済でもある。

 新宿は、そうした消費経済の坩堝であって、飲食とファッションと劇場で、早朝から深夜まで人の波が消えないのである。【彬】

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ホタルカゴ…素朴な味わい。

2012年07月12日 | 日記

ホタルカゴ

6月9日、関東地方は、梅雨に入った。やがてホタルに出会える時期である。

ホタルといえば、私はどうしても「ホタルカゴ」の話になる。麦を刈り取った後の、麦ワラを編んで作るホタルの虫籠のこと。

私が茨城に来たばかりの12年ほど前、地元の郷土資料館で見たときから、心を捉え離さなかった。麦ワラの素朴な味わい……見ていると農村風景が眼に浮かび、童歌が聞こえてくるようである。

作られていたのは、かなり昔とのこと。40~50年前で、今、作り方を知る人は少ない。

ところが、数年前、運よく「地元文化の継承・ホタルカゴ作り講習会」に参加することができ、念願がかなえられた。

今は東京の自宅と、茨城の社宅の両方に飾ってある。

福島県出身の人が、社宅を訪れた時、子供の頃を思い出し感激していた。55歳くらいのひとである。

「ホタルかご」は日本人の心の琴線にふれる何かがあるようである。(岩下賢治)

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