宿にあった雪用の藁靴。今も実用とのこと。
今年から「山の日」が設けられた。近年、中高年の登山者が注目されているが、これで山のレジャーが一気に拡大するのだろう。その対象者の一人が、私自身であり、先日は、この数年恒例にしている登山をしてきたばかりである。8月の3,4,5日の3日間、夏の天気が最も安定する時期であるこれらの日、新潟県・妙高山(2454m)へ、友人5人で行ってきた。
ガイド本によると、全行程約8時間と時間はかかるものの、足場はしっかりしており中級レベルの山という案内である。天気も上々、ベースにした麓の燕温泉を早朝5時に元気よく出発したのだ。
ところが、ガイド本を超える急峻な登山道。眼下には奥深い険しい谷底が抉られ、直登に次ぐ直登。途中には胸突八丁と呼ぶ長丁場の岩場があり、更に垂直かと思われるクサリ場があって、中級レベルどころではなかった。
そんな行程中、私はハナからお腹の調子が万全ではなかった。5時出発のために、3時30分には起床、前夜に用意したおにぎりを喉に押し込み、無理やりの排便が響いたのか。途中、下っ腹が重く、少しばかり、貧血の症状が出たかと疑われた。そして9合目を過ぎ、頂上の岩場を目の前にして、私は登頂を諦めざるをえなかった。ベースからの標高差が1200mを超えることから、高山病の類だったかもしれない。
山の日に思うこと、それは「日常性と非日常性の違いに要注意」ということ。山に限らず、海でも、またお祭りのような行事でも、その落差の負担は想像以上だということである。高齢者として心したい。【彬】