関東地方は、6月7日梅雨に入った。ところが、翌、8日は前日の雨があがっていた。ランニング練習日でもあるし、涼しいので、この季節の風情を楽しもうと野川沿いをジョギングにでかけた。スタートは、はけの森美術館。以前の中村美術館で、ジブリのアニメ「借りぐらしのアリエッティ」の舞台になったところ。
野川沿いは自然をよく残し、整備もされている。農業体験のための田んぼ(大沢の里)が残され、田植えは終わっている。奥の崖線の際には水芭蕉ようなの白い花の群生が眼を引ひく。
川の水鳥達を見る。数羽の鴨が片脚で立ち休んでいる、このような光景は初めて。本当に鴨なのか?・・・アオサギはいつも単独行動で堂々としている。羽を広げると大きい。
5kmほど進むと、調布市場に到着。そこでは地下水をくみ上げており自由に飲める。冷たくておいしい。一休みしもう少し進み、京王線にぶつかる。ここで折り返す。
道中、水鳥を撮影する人、風景をスケッチする人、そして、僕のように、ジョギングをする人達が、それぞれの梅雨の季節を楽しんでいる。
終盤、「今を盛りのドクダミの花も一重ばかりで、八重はないな、今日はいつもの梅雨で特に新しい発見もないなー」と、物足りなさを感じていると、向こうからジョギングをしてくる若い女性。僕の目の前で、「キャー」と声を発し、背中をはたき出し、どうしようもない様子。見ると、黒いカメムシ「クサギカメムシ」だ。指先でピンと払ってあげると大いに感謝される。カメムシは匂いがきつい。これが、今日の発見か、と苦笑する。
うっとうしい梅雨の季節であるが、僕はこの季節も好きである。
絵は、野川のアオサギ。
2019年6月9日 岩下賢治