木瓜の花
中国に限らず、日本含め各国ともコロナウィスの拡散を防ぐために、国境を閉じたり、患者を隔離したりと、奮闘が続く。WHOは、そうした措置が一定程度成果が出ているとして、評価しているようだが、メディアが報告すところだと、収束には程遠いようだ。メディア・レポーターも肝心の場所には入り込めないのか、私たちにはもどかしい情報しか届いていない。封鎖され、隔離されている武漢の人たちが今どのように生活しているのか、伝わってこないのである。
で思うのだが、このウィルス、結核のような空気感染ではなく、またマラリアなど蚊による媒介感染ではなく、人同士の接触感染だとされている。つまり唾や唾液、手足の汗などが付着して感染すると言われている。ならば一番の防疫は、個々人の衛生管理であると思う。重症者の隔離は不可欠だろうが、各人の衛生管理なくしては、ウィルスの拡散は防げようがないのではないか。武漢の人たちばかりではない、身近の衛生管理をしっかりすることが重要だと思える。
病人を隔離することは問題が多い。かつて日本では癩病を隔離した。その弊害がどれほど大きく、後々までに深刻な影響を与えたか、思い起こされるのである。
また、都市の封鎖は副作用が大きすぎるように思う。都市民は田舎のように自給自足できない。人々は互いに交流し、物品を供給し合うことで生活している。その交流機関である鉄道やバスを遮断してしまうと、どれほど被害を拡大するものなのか。劣化の進む鉄路など復帰するには、相当な時間がかかる。経済面だけでなく、あらゆる面での被害は莫大なものになるだろう。
新型の初めてのウィルスだから、その正体を突き止めるまで、あらゆる手立てが必要だろうが、かつて生物学者のドーキンスだったか、地球上の生命体の中で最強のものは宿主を乗り移ることができるウィルスだと述べていた。そのウィルスと向き合うのは、正面衝突の闘いだけでは済まないと思うのである。【彬】