いま盛りのミニ・シクラメン
誰でもがそうだろうが、武漢コロナウィルスの動静が気になって仕方ない。情報の統制が効いている国だから実情がどうなっているのか、私たちはただ想像する以外にない。と同時に日本についてでも同じで、知りたいことが伝わってこない。特に係留されたままの豪華客船。SNS界隈では、外野の気安さがあるのか、やいのやいや、というのは聞こえてくるのだが、実際の船のことについては肝心なことが分からない。
このダイヤモンドプリンセスで分からないことは次の点だ。
まず、この船は誰が所有してどこの国のものなのか、ということ。ネット上で調べると船籍はイギリスとなっている。船籍というのは、自由にどこにでも登録できる。税金の安いところに登録するのが普通で、例えばパナマ船籍などというのはその代表だろう。だが、この船の所有者は誰なのか。当然法人が所有していると思うが、調べてみると、馴染みがない団体がでてくる。そして船主である当事者=社長の名前は誰なのか、そして現今の事態に対して何を言い、何かをしたいのか、さっぱり伝わってこない。
また、船というのは公海に出ると、特定の国の支配から離脱し、船長が一切を仕切ることになる。人命を預かるわけだから当然で一種の治外法権、大変な権力、権限を持つ。おそらく特定の港に入港しても、船長は絶大な力を持つものと思われるのだが、この豪華客船の船長は、名前さえ伝わってこない。なぜなのだろうか。
入港後は当事国の管理に置かれるから、日本国が仕切ることになると思うのだが、日本の衛生関係の検査官、あるいはその他の検査官が船内に立ち入って調べる、といったことがなされていないようにも思える。
このように分からないことが多い。
あるいはこうした疑問はみんな分かっていて、知らないのは世界をめぐるクルーズのような豪華船に関して私が無知だからだろうか。
そんな分からなさを棚上げして、日本は衛生船を持つべきだ、などとまことしやかに語る人たちもいる。私は置いてきぼりをされているのだろうか。
【彬】