前回2月23日付けの自分のブログ、「ゲーテが魅せられたファンタジー」の続きのようなかたちになります。
このたび、Die Leiden des jungen Werther 「若きウェルテルの悩み」を読了しました。かなわぬ恋に悩み自ら命を絶つ、という悲劇的結末。あまりにも有名な作品ですがドイツ語で読んだのはこれで二度目です。ウェルテルは命を終えたが、僕自身も命を終えたかのような脱力感に陥った。難しいドイツ語だが主人公の気持ちを僕自身に取り入れようとしたが少しできたようだ。
こういった古典作品は素晴らしい。ゲーテ自身、ギリシャ古典作品が好きで、ホメーロスをよく読んでいた。西洋文化の源はギリシャ文化であるというが、僕自身も少し読んでみようと図書館に行くと、コロナウィルスの影響で臨時休館。
それで前から読もう思っていた、Hamlet「ハムレット」を読み始めた。これも英語で読むのは2度目のこと。ストーリーを追うのではなく、原語により作者の気持ちに近づきたいとの思いからだ。手にした本は、400年前のシェークスピアの英語と、現代英語を対比したもの。前回は、現代英語で読んだが、今回は努めて、昔の英語も読んでいる。同時に日本語訳も読む。福田恆存氏の訳文だ。福田氏の訳は、単なる翻訳ではなく、独自に創作した作品のようである。文学作品というのはこういうものなのだな。こうして、文化の違いを知ることが出来る。
この時期、コロナの影響で出歩くことは少なく、家で本を読むことが多い。大変な春になった。
絵は、エルシア城にハムレット王の亡霊が現れる場面。物語の始まるところ。
2020年3月10日 岩下賢治