6月初めの日曜日、野川公園を抜け野川沿いをランニングした。公園を抜けた辺りは、三鷹市大沢の里。水田あり、水生植物あり、古民家あり、水車小屋あり、といった、農村風景を残す行政の管理する地域。毎年、田植えは近隣の子供たちが参加しているのだが、既に何日も前に終わっていた。この日は、年配の人たちが会食の準備をしている。田植えもすみ一段落といった雰囲気が伝わる。
しばし眺めていると、これから梅雨の時期に入ってくのだな、としみじみ思う。そしてまたもや5年前まで住んでいた茨城の田んぼを思い起こす。茨城では5月連休が田植えの時期になる。僕自身は何もしないで見ているだけだが、稲作に参加しているようで何か楽しかったな。吹く風は独特の青く甘い香りがする。シラサギがいる、アオサギも飛んできた。
こちら、野川でも、シラサギ、アオサギをよく見るが、鴨が主のように住み着いている。鴨といえば、茨城では、合鴨農法が行われていたな。
田植えがすむと合鴨を放つ。合鴨は雑草の芽や、害虫を食べる。水かきが肥料分を拡散させる。だが、合鴨農法は環境保全というしっかりした理由目的がなければ運営を続けるのは容易でないようだ。僕は、毎年その季節になるとクルマで合鴨の田んぼにでかけていったが、13年間の茨城時代にも徐々に合鴨農法を行う田んぼは減っていった。
予定のランニングを終え戻ると、皆さん田んぼの脇で、食事会をしている。この時期、コロナ対策をしながら、田んぼに関わりながら楽しんでいるのだな。今、自宅から徒歩圏で「観光」「教育」のためのものであろうと田んぼがあることはうれしいことだと思う。
絵は、三鷹市大沢の里
2020年6月11日 岩下賢治