コスモス
高齢になって体力の低下や病気のことが気にかかる。
一番は内臓のこと、循環器系や呼吸器系で異常なないか、気にもみ、癌などの兆候には特に敏感になる。病院での検診も、血液検査とか尿検査とか、そうした部分が中心となる。しかしよく考えると、人間の体はそうした内臓系だけでなく、骨やそれを囲む筋肉が体の大部分を占めているのだが、それらについては、わたし達はあまり気に掛けていなかったのではないのだろうか。
近年、スポーツジムでの筋力トレーニング(主に男女若者向けだが)が注目されるようになって、インナーマッスルとかアウターマッスルとか言った言葉をよく聞くようになった。でも、インナーマッスルってなんなの? さっぱりわからない。内臓については保健体育などで、学んだ記憶があるが、筋肉については学校で教わったことがないものだから、まったく無知というほかない。あいつ、いい体しているな、腹筋が割れているなどと話題になるだけである。
インナーマッスルとは何か、ネット上で調べてみる。すると表面上の筋肉の裏側についている小さな筋肉で、主に首や肩甲骨についているらしい。これを体幹筋という人もいるそうだ。そしてこの筋肉が私たちのあらゆる動作の、初動の動きを制御しているという。また左右や前後の動きのバランスを司っているとのこと。歳とって足下が危うくなるのは、このインナーマッスルが劣化するためなのだそうだ。知らなかった。
インナーマッスルを鍛える方法は簡単で、誰でもどこでも手軽にできるそうだ。たとえば仰向きに寝て、腹をへこませる運動とか。
そんな大切な筋肉ならもっと早く知り、鍛えたかった。こうした知識はなぜか学校では教えない。筋力に関係する学問はスポーツ医学に分類されているようで、なかなか人口に膾炙する機会がないようなのだ。もったいないなあ。
NHKのテレビ体操をチラ見すると、なんだかインナーマッスルを刺激するようなプログラムになっているような気もするのだが、なぜかそうした面からの解説がないのが不思議だ。体育授業のあり方に問題があるようにも思う。【彬】