ぼくらの日記絵・絵心伝心 

日々の出来事や心境を絵日記風に伝えるジャーナリズム。下手な絵を媒介に、落ち着いて、考え、語ることが目的です。

宣言解除は早すぎるのか

2021年03月23日 | 日記

ハナニラ

 「朝日新聞社は20、21日に全国世論調査(電話)を実施した。新型コロナウイルス対応で首都圏に出していた緊急事態宣言の解除のタイミングについて聞くと、51%が「早すぎる」と答えた。「適切だ」は32%、「遅すぎる」11%だった。」
 だ、そうです。
 私には到底信じられない結果だ。宣言期間が長すぎて、ウズウズしている人が多いものとばっかり思っていたからである。だから宣言解除で、やったーっとなると思っていたらのだが、逆だというのだ。
 どうして私が判断ミスしているのか。
 考えられるのは、SNSを含め私の接している情報源が偏っているためか。あるいは新聞やテレビの情報を素直に受け入れていないせいなのか。または身近にコロナ感染者がいないので切迫感がないためか、仮にいたとしても軽症ですみ「罹ってしまった」などと笑い事で済ますことができるような状況のためか。
 などと思うのであるが、本当は、朝日の報道が「虚報」なのではないか、とも勘ぐれる。というのも世論調査という形式に、多くの問題があるからだ。
 世論調査というのは、どういうものなのか、なぜ少人数の回答で全国の動向が把握できるのか。元をただせば、統計学でのいわゆるサンプリングの方法である。この手法は地域性や宗教性がない大衆社会の成立を前提にした意識調査方法だ。ところが今現在はマスコミだけでなく多様な情報が入り組んで、いわゆる大衆社会とは大きく異なる多様な意識状況を呈している社会だ。つまり調査の前提が変化していて、方法の正当性が怪しくなっていると思えるのである。
 例えば政党支持率という調査があるが、これは支持政党がないというのが50%前後になる。つまり国民の政治意識が多様化し、いわゆる通常の世論調査の方法では、これを掬うことができなくなっている層が半分を超えているということである。また例えば、テレビの視聴率というのがある。代表的なのが、NHKの紅白だ。この番組はかつては視聴率が50%を超えるのが当たり前だった。しかし現在、50%を超える番組などない。つまり嗜好が多様化し、通常のサンプリングでは、動向を探れない時代になっているのである。
 さらに問題なのは調査方法が電話だということである。個人用のモバイルの普及率はほぼ100%だから、電話を使うことに問題があるわけではない。ただし、電話は面談ではない。しかも質問票が対象者に開示されているわけではない。答えは質問次第でどうにでもなるのだ。
 などと考えると、コロナ解除宣言に対する私の考えが、世の中の動向から必ずしも外れているのだとは言えないのだと思う。
 それはそれとして、非常事態など本来あってはならない施策である。そんな宣言が出せる根拠は憲法にはないし、第一、日本でコロナがパンデミックを引き起こしているとは誰もが思ってはいないはずだ。非常事態宣言を解除するのが早すぎるとか、対策が遅いとかいう国民の判断というのは、一体何なんだろうと思うのは、私だけではあるまい。【彬】

 



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