9月10日は仲秋の名月。僕の住まいの周辺で、月見の会があった。小金井公園でも、武蔵野公園でも。
昼間曇りがちであったが、自宅から運よく、月見をすることが出来た。この、満月と言うのは、不思議な気持ちにしてくれるものでもある。美しいがゆえに不可解というか。
だれでも様々な経験があるだろうが、僕の場合は、二つほど・・・・。
- 随分前のこと、ある夜、友人数人と、どこかぶらぶらと歩いていた。おそらく何か夜遊びの帰りであろう。夜なのであるが、昼間の様に明るい。人家がなく、街灯もないところなのだが・・・・そのとき満月の夜であることにきがついた。異様に明るい夜、それは暑い程に。その夜は何かがかぶさってくるようで眠ることが出来なかった。
- 10数年前こと。当時、茨城に住んでいた。山奥にある温泉につかり、車で自宅に向かうところ。東側の山の上に、満月が昇っていく。今まで見たこともない大きな月。
オレンジ色でフロントガラスに迫ってくるような。・・・・
満月が昼間の様に明るいのは、街中ではないだろう。最近は明かりの無い、自然のなかを歩くことがなくとんと経験がない。
水平線上を昇る満月が大きく見えるのは、錯覚で脳の問題らしい。
冒頭の武蔵野公園の月見の会の会場は、「くじら山」という、海に浮かぶクジラの背のような丘あたりでやったらしい。僕が見たならば、錯覚ではなく、「想像力」で、タヌキやウサギの楽しい大宴会に見えてしまうだろう。
2022年9月14日 岩下賢治