白いハナミズキ
都内ではあちこちに高層ビルが建設中である。商業地域での高さ制限がなくなったこともあって、50階、60階などザラである。
気になることがいくつかある。まず電気。電気なしで、エレベータなどが動かなくなったらどうするのだろうか。当然自家発電装置を備えているはずだが、地震などでその装置自体が不具合になったらどうするのだろう。非常事態で電気が消え、高層階に閉じ込められても、建物が倒壊しない限りある程度危機を凌げるからいいということなのだろうか。
水の場合はどうか。水は電気のように自家製造できない。それに一定の容量を持っている。だから電気のように、電線とか無線で届けることができない。その上、水なしでは、命を保持することはできない。もっとも緊急な物資である。
高層ビルでは、水を一定の高さに汲み上げるには、水管の元に圧力をかけ、上層部に押し上げるわけだが、低層ならいざ知らず、超高層になったら、いざという場合、その原理が保障されるとは限らないのではないか。あるいは、途中で水管が破損し切断したらどうするのか。さらには圧力をかけるエネルギーは電気以外にあるのだろうか、など。
こんな素人の考える危機は、建築関係の専門家であれば、とっくに片がついていると思うのだが、できることならその安全性を解説して欲しいものだ。というのも、マンションなどで頻繁に問題になるのは、防水や排水など水回りの不具合だからである。
遠くの夜空に光り輝いて聳え立つビルを見上げると、あのビルの中に大勢の人がいるのだな、事故が起こったらどうするのだろう、などと思う。9.11の、あの飛行機が突っ込んだアメリカのビル崩壊などを思い出すと気持ちが苛立ってくるのである。【彬】