皇居に行った折り、二重橋前広場の松林の淵にネジバナを発見した。
見渡してみると一帯に群生している。ネジバナを見るなんて何十年振りだろう。竹串を突き刺したようなか細い野草だから、人目を引きつけない。
ググってみると、湿っていて陽当たりの良い、背の低い草地に良く生育するそうだ。皇居の松林は確かに陽当たりはよいが、湿っているとはいえず、しかも管理緑地で手入れの行き届いた芝生だから必ずしもネジバナの適地とはいえないと思うのだが。育て方も難しいようだ。
植物の生育適地は、大まかにいって酸性かアルカリ性か、肥料の三要素(窒素・リン酸・カリ)の配分と、天候によって決まるようにいわれているが、皇居のネジバナをみると、そんな風にはみえない。なにか、もっと複雑系の諸要素が関係しているように感じられる。
自然保護などというのも、なまじの意図など覆えされる場合が多いのではないかのか。皇居のネジバナがどこからどういう経緯でタネを運ばれ、どういう適性を得て群生するようになったのか、想像力を刺激する光景だ。【彬】
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