ネットに絡んだヒルガオ
私は飲食店でのタブレット注文が苦手だ。同席している人がいればお任せする。いない場合は、店員を呼んで口頭で注文する。店員は嫌な顔をするが、代行してくれる。
なんでタブレットが嫌いなのか。操作の手順に慣れていないせいかもしれないが、せっかくの飲食の楽しみが半減してしまいそうだからである。
家庭内での飲食とは違って、外食の場合は、こちらはお客である。接待される側である。その立場がタブレットで逆転してしまう。そのことが敬遠する理由である。支払いはタッチパネルでも問題ないが、注文は口頭でやり取りするべきではないのか。
などと、いつも思っているのだが、ニュースで回転寿司の「すしろう」が注文から支払いまで完全自動化、人間の操作が表にでないと伝えられている。そして繁盛しているそうだ。私は回転寿司にはいかないので、どんなふうになるのか分からないが、なんだか味気なさそう。お客の嫌がらせがあったことからの改良のようである。
衣食住のうち、食だけは、どんなに時代が変わろうと、肉体的な仕草を含んだ文化的な所作である。世界中どこにいっても、宇宙に行ってさえも、これは変わらない。マシンにとって変わられるものではない。飲食店のタブレットは、食にまつわる人間の所作を強いて変えようとしている感じがするのである。
「すしろう」ではテーブルに垂直のモニター盤を設置し、画像の寿司をタッチして注文でき、従来の回転ずしに近い楽しみ方ができる、というそうである。【彬】
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