夏休み恒例のお愉しみで、今年は富士山に次ぐ第二の高峰である南アルプス北岳(3193m)に登ってきた。メンバーは6名、いずれも60歳過ぎの高齢者。登山ベースとなる広河原からは、およそ1500メートルを登る。左手に雪渓を望みながらほぼ直登の険しいコースで、日頃スポーツに馴染んで脚力に自信がある人たちだったが、さすがに全員ヘトヘトだった。しかも、その日のうちに下山する凡そ10時間の長丁場で、ヘトヘトが倍増されヘロヘロになった。
先頃富士山の世界遺産登録があったせいか、こちらの山も多数の登山者でベースの広場があふれるようだった。また4、5年前までは中高年が占めていた登山者が、今年は若者男女が多いのに目を見はった。女性の単独行というのも散見できる。
登山が人気を集めるのは、このレジャーが運動神経や技術を必要としないスポーツだからかもしれない。誰でもが、同じよう条件で同じ岩場に挑戦できるという分け隔てのない行為が、登る人に意欲をかき立てるのだろう。同じスポーツでも、スキー、水泳、ゴルフなどと根本的に違うところである。達成感がある点はマラソンに似ていると思える。
厳しい道中で、可憐な高山植物が満開であったり、一瞬にガスが切れ、雄大な稜線が眼下に広がるというのも登山の楽しみである。かつては秘境だった山々が、我々のような一般の人が踏み入ることが出来るようになったのは、地図の作製とか、軍事上の必要とかがあって切り開いていった成果だ。山のレジャーはこうした先人たちの活動も忘れるべきではないのだろう。【彬】
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