ヤマユリ
7月8日、東京都に緊急事態宣言が再発出された。期間は8月22日までの6週間。かなり長い。この間オリンピックが開催される。
菅総理は再三「国民の命と安全」を守ると言う。もちろん、国を預かる者としてこれ以上のものはない。今回は飲酒店を厳しく監視し指導していくようで、つまり前回同様の施策を厳格運用するとのこと。
ところで、コロナ感染に関する専門家は、飲酒とコロナ感染をどう結びつけているのか。また、感染経路はどうなっているのか、明らかにしてほしい。もう2年も経つのだからはっきりしているはずだ。まさか、コロナウィルスが空気中に漂っているとでも言うのではあるまい。
人間は各種のウイルスの宿主としてこれと共存し棲み分けしている。コロナも同じように共存できないものなのか。インド型デルタ株は弱毒化していることは明らかなので、感染、陽性化しても自然治癒していかないのだろうか。
ところで、緊急事態は我々の行動(移動の自由、営業の自由、表現の自由、集会の自由など)を著しく制約する。こうした特別立法が憲法とどう調和するのか、以前にも指摘したことがあるが、政治家、法律家は、このことをもっと明確に再検討してもらいたい。
そこで気になるのが、〈人流〉という表現。今まで、聞いたことがない。想像するに、人の流れは、以前だと〈移動〉という表現だったと思う。だから「皆さん、移動を自粛して下さい」という文言になったはず。それを人流と言う表現に言い換えたのは、何故なのか。
推察するに、「移動」は憲法並びに民主主義の根幹である人権に関わる用言であるから、これを避けたのだと思う。
権力者は思いを巡らすものだ。
緊急事態宣言の感染を防ぐべき方策が、将来、あらぬ方向に向かわないように切に思う。【彬】