慰安婦問題の日韓合意での韓国側が約束した肝は、「最終的かつ不可逆的に解決されることを確認」し、「日韓両政府が今後、国連などの国際社会で慰安婦問題を巡って双方が非難し合うのを控えると申し合わせた」ことと、韓国の日本大使館前の公道に韓国国内法に照らしても違法に設置された「慰安婦像」の撤去について、韓国側で努力することでした。
ところが、早くも暗雲が立ち始めています。
韓国政府から委託された団体が、ユネスコの記憶遺産に慰安婦問題の関連資料の登録を申請する動きについて、民間団体がやっていることだとして、岸田大臣が、韓国が加わることはないと発言していたことに対し、事実無根で日韓の間で合意した事実はないと否定しているのだそうです。
国連などで非難しあうのを控えると約束しましたが、民間の傘をかぶせた非難は合意の範疇外ということで、約束はザル約束で、抜け道や言い訳はきちんと用意していたと言うことですね。もともと果たそうとする誠意はない、空約束だと早くも露呈しています。もともと約束が守られるとは期待して居ませんでしたが、舌の根も乾かない、こんなに早いタイミングで約束を破られるとは驚いたと言うか、流石は韓国と感心しました。
韓国が、交渉ではゴールポストを動かすことは過去の実績が証明していることで、衆知の事実です。 安倍内閣も承知しているからこそ、念を押そうと努力したのでしょうが、谷内氏の交渉がザルで抜け道が多く設定されたままだったのか、岸田大臣や外務省の交渉が、いつも通り韓国に翻弄され騙されたのか、約束に隙がありました。
慰安婦像の撤去(岸田大臣は、早くから移転と譲歩発言しています)は、「努力する」と約束しましたので、早速訪問して説得を始めようとしていますが、日本との交渉に際して事前協議が無かったと非難され、とても像の撤去の話など持ち出せる状況にはない様子ですね。想定内の話で、韓国政府の約束は「努力」ですから、既に努力のパフォーマンスは実行されたと言うことになります。
それでも、挺体協からの離脱または、分裂ということにはならないのでしょうね。
新基金への日本の拠出は、慰安婦像の"移転"を条件とされているとの報道があります。「ウイーン条約」に抵触する像ですから、韓国政府も撤去はともかく、移設は迫られているのですが、ここは民間団体の逃げ口上は撤去を、移転に留める程度にしか使えません。
像の"移転"ではなく、"撤去"でなければ、「相互の非難を控える」約束はかなえられることにはなりませんが、10億円拠出(韓国政府の出資は無し)への一応の縛りがあるのが事実とすれば、岸田大臣(or 外務省)の無能さも、少しは割引いてもいいかもしれません。勿論、撤廃しない限りは、、「相互の非難を控える」約束を果たすことにはなりませんので、"移転"で妥協した、岸田大臣や外務省が自ら、「相互の非難を控える」約束を破る失政を犯してしまっていることは、責任を追及されねばなりません。
日本の10億円拠出「少女像移転が前提」 慰安婦問題:朝日新聞デジタル
撤去または、移転がなされず、10億円の拠出が保留され、新基金がスタートできなければ、合意を受け入れるとした一部の元慰安婦の方々には、またもや「挺対協」によって、元慰安婦の方々の救済が出来ないことになってしまいます。
「挺対協」からの離脱や、「挺対協」の分列ということにはならないのでしょうか。
余談ですが、歴史認識で韓国と共闘している中国が、韓国が共闘から離脱するとぼやいているのだそうですね。朴槿恵が泣きついてきて共闘を強化した習近平。さぞかしプライドを傷つけられたと怒っていることでしょうね。
米中の狭間で、コウモリ外交をしている朴槿恵。自らまいた種ですが、追い込まれてしまい、籠り癖が一層増すのでしょうね。
# 冒頭の画像は、朴槿恵と面談した岸田外相
この花は、10月桜
↓よろしかったら、お願いします。
ところが、早くも暗雲が立ち始めています。
慰安婦合意 記憶遺産不参加を否定 日本側認識に韓国「事実無根」 (12/30 産経)
【ソウル=藤本欣也】慰安婦問題の最終決着をうたった日韓の合意を受け、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の記憶遺産に慰安婦問題の関連資料の登録を申請する動きに韓国が加わらないとの日本政府の認識について、韓国外務省報道官は29日の定例記者会見で、「事実無根」だと否定し、日本との間で合意した事実はないと強調した。合意に対する日韓の認識の齟齬(そご)が早々に露呈した形だ。
報道官は、記憶遺産申請について「韓国内の民間団体が主導して進めている」と説明。ただ、この団体は政府から委託され活動している。
岸田文雄外相は28日、尹炳世(ユン・ビョンセ)外相との共同記者発表後、記者団に記憶遺産申請について「今回の合意の趣旨に鑑み、韓国が加わることはないと認識している」と説明していた。
【ソウル=藤本欣也】慰安婦問題の最終決着をうたった日韓の合意を受け、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の記憶遺産に慰安婦問題の関連資料の登録を申請する動きに韓国が加わらないとの日本政府の認識について、韓国外務省報道官は29日の定例記者会見で、「事実無根」だと否定し、日本との間で合意した事実はないと強調した。合意に対する日韓の認識の齟齬(そご)が早々に露呈した形だ。
報道官は、記憶遺産申請について「韓国内の民間団体が主導して進めている」と説明。ただ、この団体は政府から委託され活動している。
岸田文雄外相は28日、尹炳世(ユン・ビョンセ)外相との共同記者発表後、記者団に記憶遺産申請について「今回の合意の趣旨に鑑み、韓国が加わることはないと認識している」と説明していた。
韓国政府から委託された団体が、ユネスコの記憶遺産に慰安婦問題の関連資料の登録を申請する動きについて、民間団体がやっていることだとして、岸田大臣が、韓国が加わることはないと発言していたことに対し、事実無根で日韓の間で合意した事実はないと否定しているのだそうです。
国連などで非難しあうのを控えると約束しましたが、民間の傘をかぶせた非難は合意の範疇外ということで、約束はザル約束で、抜け道や言い訳はきちんと用意していたと言うことですね。もともと果たそうとする誠意はない、空約束だと早くも露呈しています。もともと約束が守られるとは期待して居ませんでしたが、舌の根も乾かない、こんなに早いタイミングで約束を破られるとは驚いたと言うか、流石は韓国と感心しました。
日韓合意 韓国紙、蒸し返し可能性示唆 (12/30 産経)
■「おわびと反省」評価×「法的責任回避」不満
【ソウル=名村隆寛】慰安婦問題の「最終的解決」で合意した日韓外相会談について29日付の韓国各紙は、日韓関係改善の観点から歓迎し、安倍晋三首相による「おわびと反省の表明」を「新たな一歩」と一定の評価を示しつつも、「法的責任を日本側が認めなかった」などと不満を示す論調が目立った。
朝鮮日報は「安倍内閣が『軍の関与』という表現で強制性を部分的にも認めたことは一歩前進といえる。日本政府が基金に予算を拠出するのも責任認定の延長線にある」とする一方、「遠回しに責任を認めつつも、法的責任の認定は避けた」と批判した。
また、「国際社会での非難の自制」について、同紙は「逆に韓国がこれまで不適切な行動をしてきたように受け取られる」と懸念を示した。東亜日報は「戦時中の性暴力問題の代表例に挙げて主張してきた政府と市民団体の努力に冷や水を浴びせる可能性」を指摘。中央日報は「自らの手足を縛るようなものだ」と韓国政府を批判した。
ソウルの日本大使館前の慰安婦像撤去に関しては、東亜日報は「像が国際法上、問題となる余地がある」と指摘し、像の存在が外国公館の品位を維持する義務を定めたウィーン条約違反となりうることを示唆した。中央日報は「像を設置した主体は市民団体だ」とし、市民団体への説得が難航することを予測した。
一方、「問題の最終的かつ不可逆的な解決」について、ハンギョレ紙は「法的責任を認めない案に対して両国政府が『最終』と判断する権利はない」と強調。さらに、「日本が慰安婦問題の最終解決を望むなら、法的責任を潔く認めればいい」とし、「問題はやっと出発点に立った」と位置づけ、将来的に蒸し返される可能性を示唆した。
■「おわびと反省」評価×「法的責任回避」不満
【ソウル=名村隆寛】慰安婦問題の「最終的解決」で合意した日韓外相会談について29日付の韓国各紙は、日韓関係改善の観点から歓迎し、安倍晋三首相による「おわびと反省の表明」を「新たな一歩」と一定の評価を示しつつも、「法的責任を日本側が認めなかった」などと不満を示す論調が目立った。
朝鮮日報は「安倍内閣が『軍の関与』という表現で強制性を部分的にも認めたことは一歩前進といえる。日本政府が基金に予算を拠出するのも責任認定の延長線にある」とする一方、「遠回しに責任を認めつつも、法的責任の認定は避けた」と批判した。
また、「国際社会での非難の自制」について、同紙は「逆に韓国がこれまで不適切な行動をしてきたように受け取られる」と懸念を示した。東亜日報は「戦時中の性暴力問題の代表例に挙げて主張してきた政府と市民団体の努力に冷や水を浴びせる可能性」を指摘。中央日報は「自らの手足を縛るようなものだ」と韓国政府を批判した。
ソウルの日本大使館前の慰安婦像撤去に関しては、東亜日報は「像が国際法上、問題となる余地がある」と指摘し、像の存在が外国公館の品位を維持する義務を定めたウィーン条約違反となりうることを示唆した。中央日報は「像を設置した主体は市民団体だ」とし、市民団体への説得が難航することを予測した。
一方、「問題の最終的かつ不可逆的な解決」について、ハンギョレ紙は「法的責任を認めない案に対して両国政府が『最終』と判断する権利はない」と強調。さらに、「日本が慰安婦問題の最終解決を望むなら、法的責任を潔く認めればいい」とし、「問題はやっと出発点に立った」と位置づけ、将来的に蒸し返される可能性を示唆した。
韓国が、交渉ではゴールポストを動かすことは過去の実績が証明していることで、衆知の事実です。 安倍内閣も承知しているからこそ、念を押そうと努力したのでしょうが、谷内氏の交渉がザルで抜け道が多く設定されたままだったのか、岸田大臣や外務省の交渉が、いつも通り韓国に翻弄され騙されたのか、約束に隙がありました。
慰安婦像の撤去(岸田大臣は、早くから移転と譲歩発言しています)は、「努力する」と約束しましたので、早速訪問して説得を始めようとしていますが、日本との交渉に際して事前協議が無かったと非難され、とても像の撤去の話など持ち出せる状況にはない様子ですね。想定内の話で、韓国政府の約束は「努力」ですから、既に努力のパフォーマンスは実行されたと言うことになります。
それでも、挺体協からの離脱または、分裂ということにはならないのでしょうね。
新基金への日本の拠出は、慰安婦像の"移転"を条件とされているとの報道があります。「ウイーン条約」に抵触する像ですから、韓国政府も撤去はともかく、移設は迫られているのですが、ここは民間団体の逃げ口上は撤去を、移転に留める程度にしか使えません。
像の"移転"ではなく、"撤去"でなければ、「相互の非難を控える」約束はかなえられることにはなりませんが、10億円拠出(韓国政府の出資は無し)への一応の縛りがあるのが事実とすれば、岸田大臣(or 外務省)の無能さも、少しは割引いてもいいかもしれません。勿論、撤廃しない限りは、、「相互の非難を控える」約束を果たすことにはなりませんので、"移転"で妥協した、岸田大臣や外務省が自ら、「相互の非難を控える」約束を破る失政を犯してしまっていることは、責任を追及されねばなりません。
日本の10億円拠出「少女像移転が前提」 慰安婦問題:朝日新聞デジタル
撤去または、移転がなされず、10億円の拠出が保留され、新基金がスタートできなければ、合意を受け入れるとした一部の元慰安婦の方々には、またもや「挺対協」によって、元慰安婦の方々の救済が出来ないことになってしまいます。
「挺対協」からの離脱や、「挺対協」の分列ということにはならないのでしょうか。
余談ですが、歴史認識で韓国と共闘している中国が、韓国が共闘から離脱するとぼやいているのだそうですね。朴槿恵が泣きついてきて共闘を強化した習近平。さぞかしプライドを傷つけられたと怒っていることでしょうね。
慰安婦合意 中国、歴史共闘の足並み乱れ (12/30 産経)
【北京=矢板明夫】日本と韓国が慰安婦問題で合意したことに関し、中国外務省の陸慷報道官は29日の定例記者会見で、歴史問題についての中国の従来の立場を繰り返した上で「事の成り行きを見守りたい」と述べ、具体的な論評を避けた。だが、中国の官製メディアは批判的な論陣を張るなど、歴史問題で共闘してきた韓国の突然の“離脱”の動きに悔しさをにじませた。
29日付の中国共産党機関紙、人民日報傘下の環球時報は1面トップで、日韓が慰安婦問題で合意に達したことを「意外だ」と伝えるとともに、韓国外務省前で抗議デモを行う市民団体の写真を大きく掲載した。
この記事は遼寧省社会科学院の呂超研究員の談話を引用する形で「米国が裏で動いた結果だ。日本は譲歩したようにみえるが一種の策略にすぎない。侵略戦争に関し本気で反省したわけではない」と分析した。
北京の国際関係学者によれば、習近平政権はここ数年、東・南シナ海に積極的に進出したため日米や東南アジア諸国との関係が悪化した。一方で中国はロシアと韓国との関係を強化。ロシアとは米国と対抗する狙いで連携を深め、韓国とは歴史問題で日本を批判して足並みをそろえてきた。
韓国の政治家による日本批判の発言は中国国内で大きく報道されるのが常だ。中国は、伊藤博文を暗殺した安重根の記念施設を韓国政府がハルビン駅前に建設するのを特別に認めたこともある。また、官製メディアが日本を批判する際は、韓国の反日団体がソウルの日本大使館前で抗議するデモなどの映像を使用。韓国の動きを大きく伝えて習政権の対日強硬策を正当化させる思惑とみられる。
しかし、慰安婦問題で韓国が日本と合意したことで、中国は歴史問題で日本をたたく際の重要な仲間を失うことになる可能性も出てきた。
陸報道官は29日の記者会見で、中国の元慰安婦についても「適切な解決」を求める方針を示した。だが、中国共産党関係者は「中国は単独での対日批判はやりにくい。来年は中日関係も回復に向かうかもしれない」との見方を示した。
【北京=矢板明夫】日本と韓国が慰安婦問題で合意したことに関し、中国外務省の陸慷報道官は29日の定例記者会見で、歴史問題についての中国の従来の立場を繰り返した上で「事の成り行きを見守りたい」と述べ、具体的な論評を避けた。だが、中国の官製メディアは批判的な論陣を張るなど、歴史問題で共闘してきた韓国の突然の“離脱”の動きに悔しさをにじませた。
29日付の中国共産党機関紙、人民日報傘下の環球時報は1面トップで、日韓が慰安婦問題で合意に達したことを「意外だ」と伝えるとともに、韓国外務省前で抗議デモを行う市民団体の写真を大きく掲載した。
この記事は遼寧省社会科学院の呂超研究員の談話を引用する形で「米国が裏で動いた結果だ。日本は譲歩したようにみえるが一種の策略にすぎない。侵略戦争に関し本気で反省したわけではない」と分析した。
北京の国際関係学者によれば、習近平政権はここ数年、東・南シナ海に積極的に進出したため日米や東南アジア諸国との関係が悪化した。一方で中国はロシアと韓国との関係を強化。ロシアとは米国と対抗する狙いで連携を深め、韓国とは歴史問題で日本を批判して足並みをそろえてきた。
韓国の政治家による日本批判の発言は中国国内で大きく報道されるのが常だ。中国は、伊藤博文を暗殺した安重根の記念施設を韓国政府がハルビン駅前に建設するのを特別に認めたこともある。また、官製メディアが日本を批判する際は、韓国の反日団体がソウルの日本大使館前で抗議するデモなどの映像を使用。韓国の動きを大きく伝えて習政権の対日強硬策を正当化させる思惑とみられる。
しかし、慰安婦問題で韓国が日本と合意したことで、中国は歴史問題で日本をたたく際の重要な仲間を失うことになる可能性も出てきた。
陸報道官は29日の記者会見で、中国の元慰安婦についても「適切な解決」を求める方針を示した。だが、中国共産党関係者は「中国は単独での対日批判はやりにくい。来年は中日関係も回復に向かうかもしれない」との見方を示した。
米中の狭間で、コウモリ外交をしている朴槿恵。自らまいた種ですが、追い込まれてしまい、籠り癖が一層増すのでしょうね。
# 冒頭の画像は、朴槿恵と面談した岸田外相
この花は、10月桜
↓よろしかったら、お願いします。