中国経済にも少子高齢化の影が忍び寄ってきているのだそうです。
2019年のGDP成長率は6.1%にとどまり、18年から0.5ポイントも縮小。対米貿易戦争が主因だが、生産年齢人口の減少による個人消費の弱含みも無視できないのだと。
「団塊の世代」が退職し始める22~23年から下押し圧力は本格化する見通しなのだそうです。
成長率は 1位を保っているものの、12年の習近平(シー・ジンピン)指導部の発足以降、"不自然なほど安定"していた成長率は一気に0.5ポイントも落ちたのですね。
米国の追加関税で打撃を受けた製造業など第2次産業の成長率が5.7%と0.1ポイントの減速にとどまったの対し、サービスなど第3次産業は6.9%と0.7ポイントも縮小したことが着目点だと原田記者。
背景にあるのは内需の不振だと。輸入低迷による「悪い貿易黒字増」がなければ、成長率は5%を割っていた計算になるのだそうです。
このわずか3年間で18~30歳の若者は3千万人も減ったのだそうです。「一人っ子政策」の浸透が原因。
19年の出生数は前年比58万人減の1465万人と3年連続で減ったのだそうですが、出生数の減少は今後も続くと。
経済成長を押し上げる「人口ボーナス」のメリットを最大限に享受してきた中国経済。しかし、生産年齢人口は13年の10億人をピークに減り始めていて、逆回転が始まると。
更に、高速成長を支えた「農民工」らが高齢化し故郷に帰っていることから、「流動人口」は 5年連続で減っているのだそうです。
中泰証券の李迅雷首席エコノミストは「23年ごろから人口動態の経済への下押し圧力がはっきりする」と。
60歳定年が中国では厳格に実施されており、「団塊の世代」が、22年からは毎年約1千万人(約1%)ずつ減るのだそうです。
問題は生産年齢人口が減り始めたのに、国全体は豊かになっていない「未富先老(豊かになる前に老いる)」だと原田記者。
医療や年金など社会保障への財政支出が急拡大することになり、軍事や治安などの支出も増やしている中国の財政は圧迫されることになる。
となれば、札束外交で覇権拡大を続ける中国の外交にも支障が生じる。
日本の戦後の高度成長をモデルに、「人口ボーナス」のメリットを享受し、世界の工場となり高度成長をしてきた中国経済。
日本の後を追い、少子高齢化での低迷期に入るのでしょうか。
「一人っ子政策」の変更や、「一帯一路」での外需獲得で活路を開こうとしていますが、これまでのような、先進国の成功例を模倣して成長してきた時代は終わり、未知の世界へのチャレンジとなります。
そこは、日本も同様。
社会をリードする先端技術を先行して抑え、経済の覇権をどこが握るのか。
米国なのか、中国なのか、高度成長期のような日本の再生はあるのか!
# 冒頭の画像は、日中の生産人口比率推移比較
この花の名前は、オータムジュエル
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2019年のGDP成長率は6.1%にとどまり、18年から0.5ポイントも縮小。対米貿易戦争が主因だが、生産年齢人口の減少による個人消費の弱含みも無視できないのだと。
「団塊の世代」が退職し始める22~23年から下押し圧力は本格化する見通しなのだそうです。
中国経済に高齢化の影 迫る「団塊」退職、しぼむ内需 :日本経済新聞 2020/1/17
中国経済に少子高齢化の影が忍び寄ってきた。17日発表した2019年の実質国内総生産(GDP)成長率は6.1%にとどまり、18年から0.5ポイントも縮小した。米国との貿易戦争が主因だが、生産年齢人口の減少による個人消費の弱含みも無視できない。中国版「団塊の世代」が退職し始める22~23年から下押し圧力は本格化する見通しで、世界第2の経済に大きな重荷となる。
「成長率は依然として世界1位だ」。中国国家統計局の寧吉喆局長は記者会見で1人あたりGDPが1万ドル(約110万円)を突破したと誇った。
ただ、12年の習近平(シー・ジンピン)指導部の発足以降、不自然なほど安定していた成長率は一気に0.5ポイントも落ちた。目を引くのは米国の追加関税で打撃を受けた製造業など第2次産業の成長率が5.7%と0.1ポイントの減速にとどまったの対し、サービスなど第3次産業は6.9%と0.7ポイントも縮小したことだ。
背景にあるのは内需の不振だ。経済成長への消費の寄与度は3.5ポイントと18年より1.5ポイントも縮小し、30年ぶりの低水準だった。成長を支えたのは皮肉にも外需で、寄与度は18年のマイナス0.6ポイントから19年は0.7ポイントに改善した。輸入低迷による「悪い貿易黒字増」がなければ、成長率は5%を割っていた計算だ。
「14億人の巨大市場」に元気がない理由は携帯電話の販売動向から浮かぶ。中国情報通信研究院によると19年の出荷台数は3億8900万台と3年連続で前年割れし、16年からの減少幅は1億7千万台に及ぶ。
実はこのわずか3年間で18~30歳の若者は3千万人も減った。90年代に「一人っ子政策」が浸透し、99年生まれは1400万人と90年生まれ(2800万人)の半分しかいない。スマホや自動車、衣服が売れないのは消費意欲が旺盛な若者の減少も大きな要因だ。
17日発表した19年の出生数は前年比58万人減の1465万人と3年連続で減った。1人の女性が生涯に生む子どもの数を示す「合計特殊出生率」は12~16年平均で1.2程度。出産適齢期の女性も25年までの10年間に約4割減り、出生数の減少は今後も続く。
中国では15~64歳の生産年齢人口は13年の10億人をピークに減り始めた。一人っ子政策で出産を抑えたため、総人口に占める生産年齢人口の比率は10年に75%まで上昇し、日本(ピーク時に70%)よりも高い。一般に生産年齢人口やその比率が拡大すれば、経済成長を押し上げる「人口ボーナス」が働く。中国はそのメリットを最大限に享受してきたが、逆回転が始まる。
高速成長を支えた「農民工」らも頭打ちだ。農村部からの人口流入は都市部でマンションの爆発的な需要を生んだ。だが戸籍のある場所を離れて暮らす「流動人口」は19年末に2億3600万人と5年連続で減った。高齢化した農民工が故郷に帰っているからだ。
中泰証券の李迅雷首席エコノミストは「23年ごろから人口動態の経済への下押し圧力がはっきりする」とみる。約2700万人いる63年生まれが60歳で定年退職するからだ。中国で62~76年生まれは各年2千万人以上いる「団塊の世代」だ。60歳定年が中国では厳格に実施されており、仮に15~59歳を生産年齢人口とすると22年からは毎年約1千万人(約1%)ずつ減る。
問題は生産年齢人口が減り始めたのに、国全体は豊かになっていない「未富先老(豊かになる前に老いる)」だ。生産年齢人口がピークだった1995年の日本の1人あたりGDPは円高もあって米国の1.5倍だったが、13年の中国は米国の7分の1以下だ。
医療や年金など社会保障への財政支出も17年の1.2兆元(約20兆円)から急拡大する。19年には中国社会科学院が「公的年金の積立金が35年に底をつく」との試算を公表した。軍事や治安などの支出も圧迫しそうで、習指導部が掲げる「中華民族の偉大な復興」にも影を投げかける。
(北京=原田逸策)
中国経済に少子高齢化の影が忍び寄ってきた。17日発表した2019年の実質国内総生産(GDP)成長率は6.1%にとどまり、18年から0.5ポイントも縮小した。米国との貿易戦争が主因だが、生産年齢人口の減少による個人消費の弱含みも無視できない。中国版「団塊の世代」が退職し始める22~23年から下押し圧力は本格化する見通しで、世界第2の経済に大きな重荷となる。
「成長率は依然として世界1位だ」。中国国家統計局の寧吉喆局長は記者会見で1人あたりGDPが1万ドル(約110万円)を突破したと誇った。
ただ、12年の習近平(シー・ジンピン)指導部の発足以降、不自然なほど安定していた成長率は一気に0.5ポイントも落ちた。目を引くのは米国の追加関税で打撃を受けた製造業など第2次産業の成長率が5.7%と0.1ポイントの減速にとどまったの対し、サービスなど第3次産業は6.9%と0.7ポイントも縮小したことだ。
背景にあるのは内需の不振だ。経済成長への消費の寄与度は3.5ポイントと18年より1.5ポイントも縮小し、30年ぶりの低水準だった。成長を支えたのは皮肉にも外需で、寄与度は18年のマイナス0.6ポイントから19年は0.7ポイントに改善した。輸入低迷による「悪い貿易黒字増」がなければ、成長率は5%を割っていた計算だ。
「14億人の巨大市場」に元気がない理由は携帯電話の販売動向から浮かぶ。中国情報通信研究院によると19年の出荷台数は3億8900万台と3年連続で前年割れし、16年からの減少幅は1億7千万台に及ぶ。
実はこのわずか3年間で18~30歳の若者は3千万人も減った。90年代に「一人っ子政策」が浸透し、99年生まれは1400万人と90年生まれ(2800万人)の半分しかいない。スマホや自動車、衣服が売れないのは消費意欲が旺盛な若者の減少も大きな要因だ。
17日発表した19年の出生数は前年比58万人減の1465万人と3年連続で減った。1人の女性が生涯に生む子どもの数を示す「合計特殊出生率」は12~16年平均で1.2程度。出産適齢期の女性も25年までの10年間に約4割減り、出生数の減少は今後も続く。
中国では15~64歳の生産年齢人口は13年の10億人をピークに減り始めた。一人っ子政策で出産を抑えたため、総人口に占める生産年齢人口の比率は10年に75%まで上昇し、日本(ピーク時に70%)よりも高い。一般に生産年齢人口やその比率が拡大すれば、経済成長を押し上げる「人口ボーナス」が働く。中国はそのメリットを最大限に享受してきたが、逆回転が始まる。
高速成長を支えた「農民工」らも頭打ちだ。農村部からの人口流入は都市部でマンションの爆発的な需要を生んだ。だが戸籍のある場所を離れて暮らす「流動人口」は19年末に2億3600万人と5年連続で減った。高齢化した農民工が故郷に帰っているからだ。
中泰証券の李迅雷首席エコノミストは「23年ごろから人口動態の経済への下押し圧力がはっきりする」とみる。約2700万人いる63年生まれが60歳で定年退職するからだ。中国で62~76年生まれは各年2千万人以上いる「団塊の世代」だ。60歳定年が中国では厳格に実施されており、仮に15~59歳を生産年齢人口とすると22年からは毎年約1千万人(約1%)ずつ減る。
問題は生産年齢人口が減り始めたのに、国全体は豊かになっていない「未富先老(豊かになる前に老いる)」だ。生産年齢人口がピークだった1995年の日本の1人あたりGDPは円高もあって米国の1.5倍だったが、13年の中国は米国の7分の1以下だ。
医療や年金など社会保障への財政支出も17年の1.2兆元(約20兆円)から急拡大する。19年には中国社会科学院が「公的年金の積立金が35年に底をつく」との試算を公表した。軍事や治安などの支出も圧迫しそうで、習指導部が掲げる「中華民族の偉大な復興」にも影を投げかける。
(北京=原田逸策)
成長率は 1位を保っているものの、12年の習近平(シー・ジンピン)指導部の発足以降、"不自然なほど安定"していた成長率は一気に0.5ポイントも落ちたのですね。
米国の追加関税で打撃を受けた製造業など第2次産業の成長率が5.7%と0.1ポイントの減速にとどまったの対し、サービスなど第3次産業は6.9%と0.7ポイントも縮小したことが着目点だと原田記者。
背景にあるのは内需の不振だと。輸入低迷による「悪い貿易黒字増」がなければ、成長率は5%を割っていた計算になるのだそうです。
このわずか3年間で18~30歳の若者は3千万人も減ったのだそうです。「一人っ子政策」の浸透が原因。
19年の出生数は前年比58万人減の1465万人と3年連続で減ったのだそうですが、出生数の減少は今後も続くと。
経済成長を押し上げる「人口ボーナス」のメリットを最大限に享受してきた中国経済。しかし、生産年齢人口は13年の10億人をピークに減り始めていて、逆回転が始まると。
更に、高速成長を支えた「農民工」らが高齢化し故郷に帰っていることから、「流動人口」は 5年連続で減っているのだそうです。
中泰証券の李迅雷首席エコノミストは「23年ごろから人口動態の経済への下押し圧力がはっきりする」と。
60歳定年が中国では厳格に実施されており、「団塊の世代」が、22年からは毎年約1千万人(約1%)ずつ減るのだそうです。
問題は生産年齢人口が減り始めたのに、国全体は豊かになっていない「未富先老(豊かになる前に老いる)」だと原田記者。
医療や年金など社会保障への財政支出が急拡大することになり、軍事や治安などの支出も増やしている中国の財政は圧迫されることになる。
となれば、札束外交で覇権拡大を続ける中国の外交にも支障が生じる。
日本の戦後の高度成長をモデルに、「人口ボーナス」のメリットを享受し、世界の工場となり高度成長をしてきた中国経済。
日本の後を追い、少子高齢化での低迷期に入るのでしょうか。
「一人っ子政策」の変更や、「一帯一路」での外需獲得で活路を開こうとしていますが、これまでのような、先進国の成功例を模倣して成長してきた時代は終わり、未知の世界へのチャレンジとなります。
そこは、日本も同様。
社会をリードする先端技術を先行して抑え、経済の覇権をどこが握るのか。
米国なのか、中国なのか、高度成長期のような日本の再生はあるのか!
# 冒頭の画像は、日中の生産人口比率推移比較
この花の名前は、オータムジュエル
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