遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

日銀がマイナス金利導入

2016-01-29 23:58:58 | 日本を復活させる
 28, 29日で行われた日銀の金融政策決定会議で、マイナス金利の導入が決定されました。
 お金を預けるのに、利子を払うということが現実になったのですね。そんなことする必要があるのと信じられませんが、欧州では既に実施されていて、遂に日本でも踏み切ったのですね。
 黒田総裁は21日午後の参院決算委員会に出席し、「現時点でマイナス金利政策を具体的に考えていることはない」との従来見解を繰り返し、マイナス金利については「プラス面とマイナス面がある」としたうえで、「米国はマイナス金利政策を取らずに量的緩和政策で経済回復しつつある」と指摘。追加緩和手段としてマイナス金利に否定的な見解を示していただけに、サプライズとなり、29日の株価は揺れ動きました。
 
日銀総裁、マイナス金利「世界市場混乱のリスク防ぐ」:日本経済新聞

 専門家の方々の見解を集めたのは以下。
 
日銀、マイナス金利導入を決定:識者はこうみる | Reuters

 日経・証券部 小森谷有生氏の解説は以下。
 

マイナス金利で株乱高下、「残した切り札」焦点に :日本経済新聞

 完全に市場の意表を突いた黒田日銀のマイナス金利導入は、日経平均株価が前日比でプラス600円弱からマイナス270円強まで揺れ動く乱高下を引き起こした。過去2発と同様、バズーカ第3弾はサプライズという点では百点満点の衝撃だった。だが、脱デフレの効果への疑問や、異例の政策の副作用への懸念は拭えない。持続的な株高効果を疑問視する市場関係者からは、今回温存した「切り札」に早くも関心が移っている。

 「条件反射的に短期筋の買いが膨らんだが、長期の投資家にまで買いは広がっていない。
マイナス金利が市場にどう波及するかの問い合わせが多いが、正直、短期的に円安になるといったことぐらいしか答えられない
」(大和証券の池端幸雄グローバル・エクイティ・トレーディング部担当部長)
 「今回の決定には驚いた。発表時間も早く市場にインパクトを与える狙いがあったのだろう。ただ、投資家はマイナス金利の効果を測りかねている。
欧州でも導入されているが、劇的な効果が得られているわけではない
」(UBS証券の大川智宏エクイティ・ストラテジスト)
 サプライズに揺れた29日、市場関係者からは戸惑いに似た声が多く聞かれた。

 「もしかしたらサプライズが」と構えていた向きにとっても予想外だったのは、日銀の選んだ策が黒田東彦総裁自身がこれまで「導入すべきだとは考えていない」と明言してきたマイナス金利だったこと。追加緩和があったとしても、上場投資信託(ETF)の買い入れ枠を現行の年間3兆円から5兆円程度まで拡大する、という線を予想する向きが多かった。
 
タイミングと内容の二重のサプライズは、マーケットの異常な反応を引き出した。目を引いたのが銀行株の急落
。三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクは発表直後に売りが集まり、終値でも2~3%安に沈んだ。
 クレディ・スイス証券の市川真一チーフ・マーケット・ストラテジストは「現在の日本でマイナス金利が機能するとは思えない。企業も個人も資金需要が低く、
借り手が不足する中での付利の引き下げは欧州のように銀行の業績に下押し圧力をかける
」と懸念する。債券市場では長期金利の指標の新発10年物国債利回りが一時0.1%を割り込んで過去最低を大幅に更新。マイナス金利という奇策が、資金の流れをゆがませるリスクを市場は早くもかぎ取っている。
 ある国内運用会社のファンドマネジャーは「
今回の決定の円安・株高効果は、もって3日ぐらいでは」と冷めた見方を示す。マイナス金利は副作用が大きい割に景気や物価の押し上げ効果は限定的というのがその理由。だが、一方で、「今後は春に向けて『次のカード』がちらつくため、相場の下振れリスクはかなり小さくなった
」とも話す。春闘の賃上げが不調に終われば、脱デフレを旗印にETFの買い入れ枠拡大が再び選択肢に上る」という読みだ。
 もっともETF買いの拡大に懐疑的な見方もある。大和住銀投信投資顧問の門司総一郎経済調査部部長は「
異例のマイナス金利導入を選んだのは、すでに資産買い入れの拡大余地が限界に来ている証拠」と解説。「今回の措置がマーケットの信認を得られなければ、異次元緩和全体の枠組みへの信頼が失われ、株式市場は『黒田プレミアム』の消失という事態に直面する
」と危惧する。

 黒田総裁が打って出た「賭け」をどう評価するか。市場はまだ衝撃に揺れている。


 欧州で導入された当時の評価(2012年8月)は以下。
 
定着するマイナス金利、銀行再編の引き金となるか:日経ビジネスオンライン

 専門家の間でも戸惑いがあり、評価が定まらない「マイナス金利」政策。素人の遊爺には、利子を払ってまでお金を預けるのは、貸金庫にお金を預けることかなくらいな、間違っているかもしれない理解しか出来ていませんので、明日以降報道される専門家の解説で勉強させていただこうと期待しています。

 現時点で考えついているのは、日銀の決定でも意見が分かれた様に、効果の持続性と副作用が疑問視される中で、黒田総裁が、21日に述べた見解とは真逆の答えに踏み切ったということで、日経の言葉を借りれば、「打って出た賭け」ということですね。
 
 これまでに行ってきた、黒田バズーカの金融緩和の繰り返しでは、マーケットでの反応や実経済での効果が薄らいできているので、角度を変えた刺激が必要と判断されたのでしょう。
 「量的質的緩和の限界ではない」と強調して、「実質金利を押し下げ消費や投資を喚起する」効果を狙ったとの黒田総裁の説明ですね。

 日銀がお札をばら撒くのではなく、銀行が日銀に預けている資金を市中に流通させようという狙いと理解しますが、どちらもマネーサプライを増やすことは同じですね。しかし、市場での資金需要があるのかないのかが効果を決めるのは同じですから、答えも同じでしょう。
 日銀が汗をかく(又はリスクを負う)のか、銀行が汗をかくのかの違いでしょう。
 銀行に、コスト負担を負わせることで、市場への資金流通に積極的に活動させることを狙ったのかと推測します。
 今日の株式市場では、コスト増となる銀行株が下がり、資金需要があるとされる不動産関連株が買われた様子ですね。

 いつも唱えていることですが、アベノミクスの第一の矢、第二の矢の金融・財政での経済の活性化は、起動の役割は果たしますが、限界があります。第三の矢の実質経済活動の活性化が本筋です。
 日銀による株や債券の買い上げでの金融緩和と、株や債券市場の活性化の効果は限界があり、株式・債権・為替市場のゲーム化を助長していくだけの段階にあります。ファンドに代表されるような、他人の褌でのゲームで大きな利益を得る(リスクもありバブルがはじけると、リーマンショックの様な混乱を招く)、格差社会の根源を根付かせ、資本主義社会を、金融主義社会にしてしまい、実生産活動を衰退させ、社会を衰退させることになりかねません。
 (個人的には、株で大儲けしたい願望はあります。(笑))

 世の中の需要の変化に合わせた、生産やサービスの実経済活動の変革を進めることが、企業や個人の所得を増やすことになり、成長が進みます。
 アベノミクスの第三の矢が、最終目的でありその変革の継続が必要な由縁ですね。
 ところが、これが第三の矢だ。経済基盤の変革をこう行って、こんな効果がでると言ったものが、出現していません。薬のネット販売だとか、賭博場の誘致だとか、経済基盤変革には繋がらない、目先の付け焼刃ばかりでした。
 唯一期待できるのが、TPP。
 その功労者の甘利氏が、こんな形で舞台から降りられることになったのは、残念至極です。



 # 冒頭の画像は、マイナス金利導入を発表する黒田総裁




  この花の名前は、ハマゴウ




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ソ連が満洲に侵攻した夏 (文春文庫)
誰がメドベージェフを不法入国させたのか-国賊たちの北方領土外交




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