震災の復興、欧州金融危機、円高、財政再建=社会保障と税・財政の一体改革、原発再稼働とエネルギー政策、TPP参加といったところが注目点ですね。
経営者に聞く 今年の景気見通し :日本経済新聞
2012年の日本経済は、海外の動向に大きく左右されることになりそうだ。欧州の財政・金融危機の影響は、新興国にも及びつつある。1ドル=80円を超える「超円高」に歯止めがかかる兆しは見えず、日本の輸出はペースが鈍っている。
企業は厳しい経営環境が続くとの警戒感を強めており、景気の現状についても「足踏み状態」にあるという見方が広がっている。
景気低迷の要因(複数回答)としては、「急速な円高による輸出の不振」(16人)「欧州経済の低迷」(14人)「中国など新興国経済の減速」(7人)が目立つ。海外経済の減速と一段の円高に身構える企業の姿がみてとれる。
景気が回復しているとみるトップは、「東日本大震災からの復興の進展」(11人)に期待を寄せている。政府は12年度当初予算案と11年度の補正予算を合わせて復旧・復興のための事業費として18兆円超を充てる方針だ。
しかし、海外景気が低迷し、日本の輸出を下押しすれば、復興需要による景気の下支え効果を打ち消しかねない。こうした中で、トップは野田政権がリーダーシップを発揮し、さまざまな課題を乗り越えることができるか、注視している。
当面の焦点は、社会保障・税一体改革に道筋をつけることができるかどうかだ。消費増税は、日本の財政に対する信認回復に欠かせない。社会保障改革は、国民の将来への不安を解消する条件となる。
TPP交渉に参加することで韓国などに対する経済連携協定での出遅れを取り戻すことができれば、輸出競争力を取り戻すことにつながる。
東日本大震災からの復興を着実に進めながら、中長期の課題に真正面から取り組む。トップが抱く期待が実現するかどうかは、日本経済の将来にも大きく影響しそうだ。 (松原知基)
2012年の経済成長については、日経の調査も読売の調査も、緩やかな景気回復との予想で一致しています。震災復興需要の一方で、欧州金融危機による新興国も含めた世界経済の停滞と円高による輸出不振との差し引きが不安定要素として挙げられます。
円相場の見通しについては、日経が70円代とし、読売では昨年並みの75円前後が30人中24人と多数を占めたそうです。海外の状況で景気が左右されるという見方は両紙とも同じ結果と言えます。
原発については、日経の上記リンク記事では「原発事故の早期収束を求める声も多い。原発政策のあり方など「中長期的なエネルギー政策の策定」(日立製作所の中西宏明社長)が12年の重要政策課題の一つとなりそうだ。」と触れているだけですが、読売の記事では踏み込んだ調査をしていて、「日本にとって望ましい電力確保策」の問いに対し、「安全性を確認した上で原発を再稼働する。」が、30人中21人で 7割を占めたそうです。
TPPについては、上記日経のリンク記事では「貿易自由化交渉を進めて、アジアの成長力を取り込む政策を促す声が多かった」としています。読売では、30人中27人が参加に賛成と回答したそうです。
政策・課題 TPP交渉参加9割支持
野田政権が優先的に取り組むべき政策・課題(複数回答)としては、「東日本大震災からの復興」(24人)が最多だった。「消費税率引き上げを含む社会保障・税一体改革」(16人)「環太平洋経済連携協定(TPP)への参加」(15人)「円高対策」(12人)が続いたのは、日本の財政問題の解決と国際競争力の衰退に対する経営者の危機感を示している。
消費税率引き上げについては、政府・与党が昨年6月に打ち出した「2010年代半ばまでに段階的に10%まで引き上げる」との方針について、「時期、税率とも適当」(16人)との評価が半数を超えた。
財政危機の打開に向けて、引き上げの「時期を早めるべき」(3人)との声もある。望ましい引き上げ幅については「15%程度が適当」(金融)と一段の増税もやむを得ないとの指摘もある。ただ、日本経済の先行きが見通しにくい中で、「景気がしっかり回復したタイミング」(三菱UFJフィナンシャル・グループの永易克典社長)まで増税を待つべきだとの声も目立った。
TPP交渉への参加については「支持する」(27人)が9割と圧倒的だった。
少子高齢化と国内市場の縮小が進む中で、「輸出・投資を通じて世界の需要を取り込む必要がある」(東京海上ホールディングスの隅修三社長)との指摘が多い。TPPをテコに海外の需要を取り込むことは、「内需型産業の競争力強化」(三井不動産の菰田正信社長)にもつながる。
電力不足の長期化を懸念する声も目立つ。原子力発電所の再稼働が困難になっている中で、「中長期的なエネルギー政策の策定」(東芝の佐々木則夫社長)による電力の安定供給は、企業にとって死活問題となっている。
読売の政策課題に対する調査で、「野田政権が優先的に取り組むべき政策・課題」の回答は、「東日本大震災からの復興」が最多であったことは、高い法人税率、製造業派遣の原則禁止などの労働規制、自由貿易協定への対応の遅れ、温暖化ガスの25%削減、歴史的な円高、電力問題の「6重苦」に、世界的な経済の減速、政治停滞を加えた「7重苦」「8重苦」がのしかかる日本の産業界にありながら、高い見識が示されたものだと安堵しました。
2012年の日本経済のキーワードとしても、「将来成長につながる復興投資」(JT・木村宏社長)、「未来に向けての復興と世界との連携」(三菱商事・小林健社長)など、「復興」を挙げる企業が多いのだそうです。
そのほかに多いキーワードでは、円高の逆風に耐えるための「コスト競争力の強化」や、「グローバル化への対応」「海外の成長市場に活路を見出す」動きが広まっているのだそうです。
野田首相は、消費税増税法案について、首相経験者を公邸に招き、「もし不成立となった場合は総辞職をすることはない。衆院解散・総選挙で国民の信を問いたい」と伝えていたのだそうですね。
首相、消費税増税法案「不成立ならば解散」 首相経験者に意向 - MSN産経ニュース
「7重苦」「8重苦」で登場する政治の停滞を打ち破る不退転の行動がなされるか、解散→政界再編になるのか、新しい年2012年は世界の激しい動きにワクワクさせられる年になりそうです。
# 冒頭の画像は、年頭のインタビューに答え、野田政権が進める社会保障と税の一体改革について「実現しなければ日本は沈没の一途をたどる」と述べ、消費増税の法制化を柱とする改革の実現を強く求めた米倉経団連会長。(画像をクリックいただければ、リンク元のページを開けます。)
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