金正日総書記死去に伴い、報道関係はこのこと一色で埋め尽くされた状況ですね。
少ない情報の中、多くの専門家の方々が、多種多様な推測コメントを発しておられます。北の、延坪島への砲撃が金正恩氏の軍に対する箔付であったと報道されていたこと、金正日氏が総書記の座を撮るために国家テロ行為を行ったことを考えると、威光を放っていた金正日から、実績も肩書もない金正恩氏への政権移行には楽観視は禁物と遊爺は考えています。
そんな見方で多くの評論をみていて、ひと際注目したのが、古田筑波大学大学院教授による産経・正論です。
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少ない情報の中、多くの専門家の方々が、多種多様な推測コメントを発しておられます。北の、延坪島への砲撃が金正恩氏の軍に対する箔付であったと報道されていたこと、金正日氏が総書記の座を撮るために国家テロ行為を行ったことを考えると、威光を放っていた金正日から、実績も肩書もない金正恩氏への政権移行には楽観視は禁物と遊爺は考えています。
そんな見方で多くの評論をみていて、ひと際注目したのが、古田筑波大学大学院教授による産経・正論です。
【正論】筑波大学大学院教授・古田博司 「老人」と中国が北の独裁支える (12/20 産経)
北朝鮮の金正日総書記が亡くなった。喪主は当然、後継者の三男、金正恩・朝鮮労働党中央軍事委員会副委員長、それを国防委員会の老軍人たちが摂政する形で、準備を重ねてきた通りの後継陣容になることだろう。軍の指揮権は2010年9月、党から国防委員会に移された。若い金正恩氏が国防委員長になろうがなるまいが、老人たちとの合議は外せない。それゆえかえって、軍事行動への対応は鈍くなる可能性がある。
軍事行動への対応鈍くなる?
金正恩氏への中国共産党、中国軍の後ろ盾は、10年以来、繰り返し報道で強調されてきた。中国資本は北朝鮮国内に深く浸透している。金正日氏の死去により、国家はしばらく不安定になるが、危機に陥ることはない。その前に中国軍が速やかに南下するだろう。それにより政権が代わることがあっても、国家は続くことになる。
中国はこれまで、北朝鮮の核開発を黙認するどころか支援してきた節がある。寧辺のプルトニウム施設を運営する電力を供給する泰川水力発電所の開発に協力した。重慶からの重油パイプラインも止まったことがない。これらは、北倉を中心とする火力発電所群に入り、ウラン濃縮のための電力を供給したものと思われる。彼らは北朝鮮にかつての自分たちの姿を見ているのである。核を持たなければ、「帝国主義諸国」、我々(われわれ)の言葉で言えば、民主主義諸国の攻勢に対処できないのであり、核開発のために人民を飢餓線上に放り出したのは中朝同様である。相手が困れば助け合い、裏切っても根にもたない兄弟関係が続いている。
我が国が真に危惧すべきこと
従って、真に我(わ)が国が危惧すべきことは、北朝鮮の政情が不安定になり、政治的に中国軍、経済的に中国資本が半島の北半分をのみ込み、中国の影響力が38度線を越えて及ぶことである。このような事態に至れば、東アジア政治において北朝鮮という要素はもはやどうでも良いものとなるだろう。
政権不安定により脱北者が増えるという予想があるが、それを押し戻す中国の圧力も当然強まる。流民が国内にとどまることを喜ぶ為政者はいない。韓国の場合、むしろ国外逃避の欲望が国内で高まることが懸念される。韓国という国には愛国主義のナショナリズムがない。ナショナリズムは全て反日という形で発揚するのである。
今年の8月には自民党の鬱陵島視察団の入国を拒否し、法治国家でないことを海外に示した。今回は、1965年の日韓国交正常化の際の賠償請求権に関する取り決めを覆さんとし、民間団体がソウルの日本大使館前に慰安婦を象徴する少女像を建てることを黙認した。のみならず、来日した李明博大統領は第二、第三の像が建てられるだろうと我が国を恫喝(どうかつ)したのである。由々しきことである。
中国、北朝鮮の攻勢を思えば、韓国として真に友好的であらねばならないのは我が国のはずだが、ナショナリズムが高まるほど反日になるのは、この国が真に自律的な歴史を歩んだことがないからである。我が国の左翼学者から学んだ反日自律史観が韓国の歴史学者を育て、それを我が国に「正しい歴史」として押しつけてくる。天に吐いた唾が今戻ってきている。
90年代には、北朝鮮の思想工作がひそかに韓国の大学に及び、大学自治会の多くが主体思想派やそのシンパに牛耳られた。この世代が2000年に入ってからの金大中-盧武鉉の左翼政権に入るのである。現在では大学時代に学生運動をして逮捕され、労働運動に身を投じてから政界に入るという出世ルートまで確保されてしまった。最近、韓国国会で米韓FTA(自由貿易協定)批准に反対して国会で催涙ガスをまいた民主労働党の議員はその流れである。
避けたい中国の日本海北上
我々が考える以上に北朝鮮は用意周到である。来年は韓国で4月に総選挙があり、12月には大統領選挙がある。左右どちらの政権になるか、その決着がつくまで、北朝鮮は服喪を名目に、目立った行動は差し控えることだろう。韓国に再び左翼政権が立てば、金大中-盧武鉉時代のような国家予算に匹敵するほどの支援を受け、北朝鮮は息を吹き返すことになる。
不安要因はむしろ韓国にある。朝鮮民族はメンツの民であり、あまり恥を知らない。貧しい時代の商業慰安婦を恥じることなく、それを従軍慰安婦と偽ってその人数を増やし続けた。日本から取り返すメンツは大きければ大きいほどよいからだ。正直だが嘘つきでもある。嘘を正直に叫ぶので恫喝になる。相手が弱いと思うとすぐになめてかかる。今、一番の心配事は、国内の不安定要素が増したとして韓国軍人やOBたちが北朝鮮をなめてかかることである。軍事挑発などは控えねばなるまい。
北朝鮮はすでに核保有国で、政権が代わろうともその事情は変わらない。中国資本がのみ込めば経済植民地として延命し、中国軍が日本海にまで勢力を伸ばすことになる。次の決戦地が南シナ海、東シナ海、日本海へと北上することは是非、避けたいものである。(ふるた ひろし)
北朝鮮の金正日総書記が亡くなった。喪主は当然、後継者の三男、金正恩・朝鮮労働党中央軍事委員会副委員長、それを国防委員会の老軍人たちが摂政する形で、準備を重ねてきた通りの後継陣容になることだろう。軍の指揮権は2010年9月、党から国防委員会に移された。若い金正恩氏が国防委員長になろうがなるまいが、老人たちとの合議は外せない。それゆえかえって、軍事行動への対応は鈍くなる可能性がある。
軍事行動への対応鈍くなる?
金正恩氏への中国共産党、中国軍の後ろ盾は、10年以来、繰り返し報道で強調されてきた。中国資本は北朝鮮国内に深く浸透している。金正日氏の死去により、国家はしばらく不安定になるが、危機に陥ることはない。その前に中国軍が速やかに南下するだろう。それにより政権が代わることがあっても、国家は続くことになる。
中国はこれまで、北朝鮮の核開発を黙認するどころか支援してきた節がある。寧辺のプルトニウム施設を運営する電力を供給する泰川水力発電所の開発に協力した。重慶からの重油パイプラインも止まったことがない。これらは、北倉を中心とする火力発電所群に入り、ウラン濃縮のための電力を供給したものと思われる。彼らは北朝鮮にかつての自分たちの姿を見ているのである。核を持たなければ、「帝国主義諸国」、我々(われわれ)の言葉で言えば、民主主義諸国の攻勢に対処できないのであり、核開発のために人民を飢餓線上に放り出したのは中朝同様である。相手が困れば助け合い、裏切っても根にもたない兄弟関係が続いている。
我が国が真に危惧すべきこと
従って、真に我(わ)が国が危惧すべきことは、北朝鮮の政情が不安定になり、政治的に中国軍、経済的に中国資本が半島の北半分をのみ込み、中国の影響力が38度線を越えて及ぶことである。このような事態に至れば、東アジア政治において北朝鮮という要素はもはやどうでも良いものとなるだろう。
政権不安定により脱北者が増えるという予想があるが、それを押し戻す中国の圧力も当然強まる。流民が国内にとどまることを喜ぶ為政者はいない。韓国の場合、むしろ国外逃避の欲望が国内で高まることが懸念される。韓国という国には愛国主義のナショナリズムがない。ナショナリズムは全て反日という形で発揚するのである。
今年の8月には自民党の鬱陵島視察団の入国を拒否し、法治国家でないことを海外に示した。今回は、1965年の日韓国交正常化の際の賠償請求権に関する取り決めを覆さんとし、民間団体がソウルの日本大使館前に慰安婦を象徴する少女像を建てることを黙認した。のみならず、来日した李明博大統領は第二、第三の像が建てられるだろうと我が国を恫喝(どうかつ)したのである。由々しきことである。
中国、北朝鮮の攻勢を思えば、韓国として真に友好的であらねばならないのは我が国のはずだが、ナショナリズムが高まるほど反日になるのは、この国が真に自律的な歴史を歩んだことがないからである。我が国の左翼学者から学んだ反日自律史観が韓国の歴史学者を育て、それを我が国に「正しい歴史」として押しつけてくる。天に吐いた唾が今戻ってきている。
90年代には、北朝鮮の思想工作がひそかに韓国の大学に及び、大学自治会の多くが主体思想派やそのシンパに牛耳られた。この世代が2000年に入ってからの金大中-盧武鉉の左翼政権に入るのである。現在では大学時代に学生運動をして逮捕され、労働運動に身を投じてから政界に入るという出世ルートまで確保されてしまった。最近、韓国国会で米韓FTA(自由貿易協定)批准に反対して国会で催涙ガスをまいた民主労働党の議員はその流れである。
避けたい中国の日本海北上
我々が考える以上に北朝鮮は用意周到である。来年は韓国で4月に総選挙があり、12月には大統領選挙がある。左右どちらの政権になるか、その決着がつくまで、北朝鮮は服喪を名目に、目立った行動は差し控えることだろう。韓国に再び左翼政権が立てば、金大中-盧武鉉時代のような国家予算に匹敵するほどの支援を受け、北朝鮮は息を吹き返すことになる。
不安要因はむしろ韓国にある。朝鮮民族はメンツの民であり、あまり恥を知らない。貧しい時代の商業慰安婦を恥じることなく、それを従軍慰安婦と偽ってその人数を増やし続けた。日本から取り返すメンツは大きければ大きいほどよいからだ。正直だが嘘つきでもある。嘘を正直に叫ぶので恫喝になる。相手が弱いと思うとすぐになめてかかる。今、一番の心配事は、国内の不安定要素が増したとして韓国軍人やOBたちが北朝鮮をなめてかかることである。軍事挑発などは控えねばなるまい。
北朝鮮はすでに核保有国で、政権が代わろうともその事情は変わらない。中国資本がのみ込めば経済植民地として延命し、中国軍が日本海にまで勢力を伸ばすことになる。次の決戦地が南シナ海、東シナ海、日本海へと北上することは是非、避けたいものである。(ふるた ひろし)
国防委員長に、金正恩氏がなろうがなるまいが、国防委員会の老軍人たちの合議制の後継陣容になる。このため、軍事行動への対応は鈍くなるという説は斬新ですね。合議制で動きが鈍くなるということには納得させられます。
政権が誰になろうと、国家は中国の属国として存続すると言う点は、遊爺も全く同じ見解です。
北が一番すがっていけるのは中国であり、北にいちばん深く深耕しているのも中国だから、中国の国益のために中国がいち早く手を打っているはずです。中国一辺倒になりすぎている為、牽制用に得意の綱渡り外交でロシアに接近したことが、中国の深耕が進んでいる証でもあるでしょう。
「相手が困れば助け合い、裏切っても根にもたない兄弟関係が続いている。」とは、うまい表現ですね。
ところが、これは中国の海洋進出に加えた、陸上侵攻となり、韓国、日本、ロシアへ迫ってくることになります。非法治国家で情治国家の韓国の動きと日本の備えに、警鐘を鳴らしておられる古田教授のこの記事は、多くの韓国人と日本人に読んでいただきたい記事です。
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