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プーチン大統領はウクライナに戦争を仕掛ける一方、欧州にも天然ガスの供給で、「第2戦線」を展開していると、WSJの、Joe Wallace and Stephen Fidler (以下では WSJと略称)。
脱露体制を構築する欧州勢と、武器や資金の支援をする欧州勢の分断を狙うプーチン氏との瀬戸際戦術が展開されています。
ロシアは数カ月にわたり、稼働能力を大きく下回る水準まで欧州向けのガス供給を絞っており、欧州首脳はロシアが国営エネルギー大手ガスプロムを使って欧州にゆさぶりをかけていると非難。
プーチン氏は、供給を大きく絞り、価格を高止まりさせつつ戦費を確保し、影響力を引き続き行使できる戦略。
米国の元駐欧州連合(EU)大使、リチャード・ モーニングスター 氏は「彼(プーチン氏)は欧州と駆け引きができる。(パイプラインを)遮断し、少しだけ再開しても、(高騰する)価格により相当な収入を確保することが可能だ」「彼は旧ソ連国家保安委員会(KGB)出身者で、戦術家だ。心理戦を仕掛けて、欧州を降伏させつつ資金を稼ぐことを狙っている」と。
エネルギー問題の専門家は、プーチン氏の目標が西側の結束を崩すことだと指摘。
計画停電や電力の供給制限によって欧州市民の間でウクライナへの支持が後退し、ガスの奪い合いとなって北大西洋条約機構(NATO)加盟国の間に亀裂が走るとプーチン氏は読んでいる可能性があると。
とはいえ、ガスを「戦略兵器」として利用すれば、プーチン氏にとっても多大なるリスクが伴うと、WSJ。
プーチン氏が欧州へのガス供給を完全に絶てば、ロシアは50年にわたって築き上げてきた欧州にとって「信頼できるエネルギー供給国」との評価を失う。
完全停止に至らなくても、慌てた欧州が代替のエネルギー調達先を確保するという計画を実現すれば、プーチン氏にとっては負けだ。
いずれにしても、ロシアは主要ガス顧客として、中国に大きく依存する可能性が高まりそうだ。そうなれば、中ロ関係で中国は優位に立てると、WSJ。
ドイツなど欧州諸国は、ロシア産エネルギーから脱却して多様化を急いでいる。今年に入ってガス輸入に占めるロシアの割合を20%まで半減させており、今後5年で完全脱却を目指す。
計画されていた保守点検作業を行う中、ノルドストリーム経由のガス輸出は完全に止まった。独エネルギー大手ユニパーは18日、ガスプロムからフォースマジュール(不可抗力)を宣言する書簡を受け取ったと明らかにした。これは供給が契約通り履行できないと宣言して、サプライヤーが責任を負わないことを示す法的手段なのだと、WSJ。
プーチン氏は、エネルギーを巡る瀬戸際戦術による打撃で、西側諸国がロシアへの制裁とウクライナへの重火器供与を続ける意思が薄れると確信している。ボン大学の研究者で、エネルギー市場について政府やNATOに助言するフランク・ウンバッハ氏はこう話しているのだそうです。
長期的にみれば、ガスプロムが欧州という最大市場から閉め出されれば、ロシアにとっては負けとなる。
船舶に搭載して新たな市場へと海上輸送できる石油とは異なり、ガスは往々にしてパイプラインのインフラに制約される。
S&Pグローバル の副会長で、エネルギー史学者のダニエル・ヤーギン氏は、欧州市場の喪失分を中国で満たすことになり、「2~3年後には、ロシアは石油・ガスの主要生産国にとどまっても、エネルギー覇権国ではなくなるだろう。中国への依存が極めて大きくなる」と。
サハリン1, 2からの供給をエプソンやシェルは撤退することとしましたが、日本の商工会議所や経団連のトップは、撤退しても中国が代わりに進出するとして、ウクライナの国民の塗炭の苦しみより自国企業の利益を優先する方針を示し、岸田内閣も同調しました。
北方四島返還の見返りでの開発支援でもあったものが、ゼロ島返還で落着して嵌った今は無意味であることに加え、自由主義国が連携する、国際制裁網破りです。
しかも、プーチンからは、非友好国指定にリストアップ。更に、サハリン1,2の開発体を変更し、日本企業の参画を保留に。
元々、外務大臣時代には、内弁慶で国益を損なう実績が多かった岸田氏。完全な外交失政ですね。
ドイツ等のEU諸国同様、数年計画で、脱露対策を推進すべきでしょう!
# 冒頭の画像は、ドンバス地方の前線で発生した砲撃で上空に広がる黒煙
ウクライナの反撃、西側提供の新兵器が効果発揮 - WSJ
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脱露体制を構築する欧州勢と、武器や資金の支援をする欧州勢の分断を狙うプーチン氏との瀬戸際戦術が展開されています。
プーチン氏の心理戦 天然ガス武器に欧州翻弄 - WSJ By Joe Wallace and Stephen Fidler 2022 年 7 月 21 日
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はウクライナに戦争を仕掛ける一方、欧州にも「第2戦線」を展開している。天然ガスを巡る戦いだ。
ロシアが近く、保守点検作業のため10日間にわたって閉鎖していたパイプラインを稼働させてガス供給を再開するのか、欧州諸国はかたずを飲んで見守っている。プーチン氏は19日、ガス供給の義務を果たすと表明したが、制裁措置でパイプラインの保守点検がさらにできない状況になれば、供給が制限されるとけん制した。
ロシアは数カ月にわたり、稼働能力を大きく下回る水準まで欧州向けのガス供給を絞っており、欧州首脳はロシアが国営エネルギー大手ガスプロムを使って欧州にゆさぶりをかけていると非難している。ウルズラ・フォンデアライエン欧州委員長は20日、「ガスプロムは全く信頼できないサプライヤーであることが判明した」と指摘。「ガスプロムの背後にはもちろんプーチンがいる。そのため、何が起こるのか予測できない」と述べた。
ただ、プーチン氏にとっても持ち玉を使い果たすことになるため、ガス供給を完全に停止することはないとの指摘は多い。ガス供給を完全に遮断することは、欧州を深刻なリセッション(景気後退)に陥れる過激な選択肢だ。プーチン氏はむしろ、供給を大きく絞るとみられている。価格を高止まりさせつつ戦費を確保し、影響力を引き続き行使できる戦略だという。
米国の元駐欧州連合(EU)大使、リチャード・ モーニングスター 氏は「彼(プーチン氏)は欧州と駆け引きができる。(パイプラインを)遮断し、少しだけ再開しても、(高騰する)価格により相当な収入を確保することが可能だ」と話す。「彼は旧ソ連国家保安委員会(KGB)出身者で、戦術家だ。心理戦を仕掛けて、欧州を降伏させつつ資金を稼ぐことを狙っている」
エネルギー問題の専門家は、プーチン氏の目標が西側の結束を崩すことだと指摘する。西側諸国はロシアのウクライナ侵攻を受けて、連携してロシアに厳しい経済制裁を科し、ウクライナに必要不可欠な資金・軍事支援を行っている。計画停電や電力の供給制限によって欧州市民の間でウクライナへの支持が後退し、ガスの奪い合いとなって北大西洋条約機構(NATO)加盟国の間に亀裂が走るとプーチン氏は読んでいる可能性がある。
天然ガスは戦争の道具として、ロシアに特別な切り札を提供する。ロシアにとって最大の収入源はガスではなく石油であり、実のところパイプライン経由の収入がなくても当面は困らない。対照的にEUは昨年までロシア産天然ガスの輸入が全体の約4割を占めるなど、ロシアに大きく依存する。
とはいえ、ガスを「戦略兵器」として利用すれば、プーチン氏にとっても多大なるリスクが伴う。しかも、それを成功させる機会も限られる。プーチン氏が欧州へのガス供給を完全に絶てば、ロシアは50年にわたって築き上げてきた欧州にとって「信頼できるエネルギー供給国」との評価を失うだろう。完全停止に至らなくても、慌てた欧州が代替のエネルギー調達先を確保するという計画を実現すれば、プーチン氏にとっては負けだ。いずれにしても、ロシアは主要ガス顧客として、中国に大きく依存する可能性が高まりそうだ。そうなれば、中ロ関係で中国は優位に立てる。
ジョージタウン大学教授で、ガスを巡るロシアと欧州の関係に関する著書があるセーン・ガスタフソン氏は「プーチン氏が地政学的な理由から、半世紀にわたる投資を無駄にする用意があることは明らかだ」と述べる。
ドイツなど欧州諸国は、ロシア産エネルギーから脱却して多様化を急いでいる。今年に入ってガス輸入に占めるロシアの割合を20%まで半減させており、今後5年で完全脱却を目指す。
ロシアは6月、制裁措置によってタービンの修繕が遅れているとして、約1200キロに及ぶパイプラインのガス供給をおよそ半減させた。欧州当局者やエネルギー企業幹部らは単なる口実だと主張。エマニュエル・マクロン仏大統領は今月、「ロシアはエネルギーを戦争の兵器に使っている」と断じていた。
エンジニアが計画されていた保守点検作業を行う中、ノルドストリーム経由のガス輸出は完全に止まった。欧州の主要顧客である独エネルギー大手ユニパーは18日、ガスプロムからフォースマジュール(不可抗力)を宣言する書簡を受け取ったと明らかにした。これは供給が契約通り履行できないと宣言して、サプライヤーが責任を負わないことを示す法的手段だ。
プーチン氏がどのような行動に出ても、欧州が冬場を乗り切るために十分なガス備蓄を確保することは至難の業だ。国際エネルギー機関(IEA)は今週、欧州は貯蔵庫を満たすため、夏から秋にかけてエネ需要の抑制に向けた措置を講じることが急務だと指摘した。だが、異例の熱波でエネルギー消費は増える公算が大きく、備蓄はさらに難しくなっている。
プーチン氏は、エネルギーを巡る瀬戸際戦術による打撃で、西側諸国がロシアへの制裁とウクライナへの重火器供与を続ける意思が薄れると確信している。ボン大学の研究者で、エネルギー市場について政府やNATOに助言するフランク・ウンバッハ氏はこう話す。
すでに分断も露呈し始めた。ハンガリー政府は天然ガスを含め燃料の輸出禁止を指示。ノルドストリームに必要だとガスプロムが主張するガスタービンを制裁から免除し、ドイツに戻すことを認めたカナダ政府の決定を受けて、ウクライナは強く非難した。
少量でも高額で欧州へのガス供給が続く限り、ガスプロムは収入を確保できる。英オックスフォード・エネルギー研究所(OIES)の上級研究員、ビタリ・ヤルマコフ氏によると、欧州以外も含めたパイプライン経由の天然ガス輸出でガスプロムが今年得る収入は、控えめにみても倍増の1000億ドル(約13兆8200億円)に達すると推測される。
長期的にみれば、ガスプロムが欧州という最大市場から閉め出されれば、ロシアにとっては負けとなる。ここで得た利益を補助金に充てることで、ロシア政府は国民に統制価格でガスを提供できる。船舶に搭載して新たな市場へと海上輸送できる石油とは異なり、ガスは往々にしてパイプラインのインフラに制約される。欧州への輸出が落ち込んでいることで、ロシアでは今年、貯蔵庫が例年よりも早い段階にいっぱいになる見通しで、ガスを燃やすか、老朽化した西シベリアのガス田で生産を絞るとアナリストは予想している。
S&Pグローバル の副会長で、エネルギー史学者のダニエル・ヤーギン氏は、欧州市場の喪失分を中国で満たすのに必要なパイプラインのインフラ整備には4~5年を要すると指摘する。「2~3年後には、ロシアは石油・ガスの主要生産国にとどまっても、エネルギー覇権国ではなくなるだろう。中国への依存が極めて大きくなる」
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はウクライナに戦争を仕掛ける一方、欧州にも「第2戦線」を展開している。天然ガスを巡る戦いだ。
ロシアが近く、保守点検作業のため10日間にわたって閉鎖していたパイプラインを稼働させてガス供給を再開するのか、欧州諸国はかたずを飲んで見守っている。プーチン氏は19日、ガス供給の義務を果たすと表明したが、制裁措置でパイプラインの保守点検がさらにできない状況になれば、供給が制限されるとけん制した。
ロシアは数カ月にわたり、稼働能力を大きく下回る水準まで欧州向けのガス供給を絞っており、欧州首脳はロシアが国営エネルギー大手ガスプロムを使って欧州にゆさぶりをかけていると非難している。ウルズラ・フォンデアライエン欧州委員長は20日、「ガスプロムは全く信頼できないサプライヤーであることが判明した」と指摘。「ガスプロムの背後にはもちろんプーチンがいる。そのため、何が起こるのか予測できない」と述べた。
ただ、プーチン氏にとっても持ち玉を使い果たすことになるため、ガス供給を完全に停止することはないとの指摘は多い。ガス供給を完全に遮断することは、欧州を深刻なリセッション(景気後退)に陥れる過激な選択肢だ。プーチン氏はむしろ、供給を大きく絞るとみられている。価格を高止まりさせつつ戦費を確保し、影響力を引き続き行使できる戦略だという。
米国の元駐欧州連合(EU)大使、リチャード・ モーニングスター 氏は「彼(プーチン氏)は欧州と駆け引きができる。(パイプラインを)遮断し、少しだけ再開しても、(高騰する)価格により相当な収入を確保することが可能だ」と話す。「彼は旧ソ連国家保安委員会(KGB)出身者で、戦術家だ。心理戦を仕掛けて、欧州を降伏させつつ資金を稼ぐことを狙っている」
エネルギー問題の専門家は、プーチン氏の目標が西側の結束を崩すことだと指摘する。西側諸国はロシアのウクライナ侵攻を受けて、連携してロシアに厳しい経済制裁を科し、ウクライナに必要不可欠な資金・軍事支援を行っている。計画停電や電力の供給制限によって欧州市民の間でウクライナへの支持が後退し、ガスの奪い合いとなって北大西洋条約機構(NATO)加盟国の間に亀裂が走るとプーチン氏は読んでいる可能性がある。
天然ガスは戦争の道具として、ロシアに特別な切り札を提供する。ロシアにとって最大の収入源はガスではなく石油であり、実のところパイプライン経由の収入がなくても当面は困らない。対照的にEUは昨年までロシア産天然ガスの輸入が全体の約4割を占めるなど、ロシアに大きく依存する。
とはいえ、ガスを「戦略兵器」として利用すれば、プーチン氏にとっても多大なるリスクが伴う。しかも、それを成功させる機会も限られる。プーチン氏が欧州へのガス供給を完全に絶てば、ロシアは50年にわたって築き上げてきた欧州にとって「信頼できるエネルギー供給国」との評価を失うだろう。完全停止に至らなくても、慌てた欧州が代替のエネルギー調達先を確保するという計画を実現すれば、プーチン氏にとっては負けだ。いずれにしても、ロシアは主要ガス顧客として、中国に大きく依存する可能性が高まりそうだ。そうなれば、中ロ関係で中国は優位に立てる。
ジョージタウン大学教授で、ガスを巡るロシアと欧州の関係に関する著書があるセーン・ガスタフソン氏は「プーチン氏が地政学的な理由から、半世紀にわたる投資を無駄にする用意があることは明らかだ」と述べる。
ドイツなど欧州諸国は、ロシア産エネルギーから脱却して多様化を急いでいる。今年に入ってガス輸入に占めるロシアの割合を20%まで半減させており、今後5年で完全脱却を目指す。
ロシアは6月、制裁措置によってタービンの修繕が遅れているとして、約1200キロに及ぶパイプラインのガス供給をおよそ半減させた。欧州当局者やエネルギー企業幹部らは単なる口実だと主張。エマニュエル・マクロン仏大統領は今月、「ロシアはエネルギーを戦争の兵器に使っている」と断じていた。
エンジニアが計画されていた保守点検作業を行う中、ノルドストリーム経由のガス輸出は完全に止まった。欧州の主要顧客である独エネルギー大手ユニパーは18日、ガスプロムからフォースマジュール(不可抗力)を宣言する書簡を受け取ったと明らかにした。これは供給が契約通り履行できないと宣言して、サプライヤーが責任を負わないことを示す法的手段だ。
プーチン氏がどのような行動に出ても、欧州が冬場を乗り切るために十分なガス備蓄を確保することは至難の業だ。国際エネルギー機関(IEA)は今週、欧州は貯蔵庫を満たすため、夏から秋にかけてエネ需要の抑制に向けた措置を講じることが急務だと指摘した。だが、異例の熱波でエネルギー消費は増える公算が大きく、備蓄はさらに難しくなっている。
プーチン氏は、エネルギーを巡る瀬戸際戦術による打撃で、西側諸国がロシアへの制裁とウクライナへの重火器供与を続ける意思が薄れると確信している。ボン大学の研究者で、エネルギー市場について政府やNATOに助言するフランク・ウンバッハ氏はこう話す。
すでに分断も露呈し始めた。ハンガリー政府は天然ガスを含め燃料の輸出禁止を指示。ノルドストリームに必要だとガスプロムが主張するガスタービンを制裁から免除し、ドイツに戻すことを認めたカナダ政府の決定を受けて、ウクライナは強く非難した。
少量でも高額で欧州へのガス供給が続く限り、ガスプロムは収入を確保できる。英オックスフォード・エネルギー研究所(OIES)の上級研究員、ビタリ・ヤルマコフ氏によると、欧州以外も含めたパイプライン経由の天然ガス輸出でガスプロムが今年得る収入は、控えめにみても倍増の1000億ドル(約13兆8200億円)に達すると推測される。
長期的にみれば、ガスプロムが欧州という最大市場から閉め出されれば、ロシアにとっては負けとなる。ここで得た利益を補助金に充てることで、ロシア政府は国民に統制価格でガスを提供できる。船舶に搭載して新たな市場へと海上輸送できる石油とは異なり、ガスは往々にしてパイプラインのインフラに制約される。欧州への輸出が落ち込んでいることで、ロシアでは今年、貯蔵庫が例年よりも早い段階にいっぱいになる見通しで、ガスを燃やすか、老朽化した西シベリアのガス田で生産を絞るとアナリストは予想している。
S&Pグローバル の副会長で、エネルギー史学者のダニエル・ヤーギン氏は、欧州市場の喪失分を中国で満たすのに必要なパイプラインのインフラ整備には4~5年を要すると指摘する。「2~3年後には、ロシアは石油・ガスの主要生産国にとどまっても、エネルギー覇権国ではなくなるだろう。中国への依存が極めて大きくなる」
ロシアは数カ月にわたり、稼働能力を大きく下回る水準まで欧州向けのガス供給を絞っており、欧州首脳はロシアが国営エネルギー大手ガスプロムを使って欧州にゆさぶりをかけていると非難。
プーチン氏は、供給を大きく絞り、価格を高止まりさせつつ戦費を確保し、影響力を引き続き行使できる戦略。
米国の元駐欧州連合(EU)大使、リチャード・ モーニングスター 氏は「彼(プーチン氏)は欧州と駆け引きができる。(パイプラインを)遮断し、少しだけ再開しても、(高騰する)価格により相当な収入を確保することが可能だ」「彼は旧ソ連国家保安委員会(KGB)出身者で、戦術家だ。心理戦を仕掛けて、欧州を降伏させつつ資金を稼ぐことを狙っている」と。
エネルギー問題の専門家は、プーチン氏の目標が西側の結束を崩すことだと指摘。
計画停電や電力の供給制限によって欧州市民の間でウクライナへの支持が後退し、ガスの奪い合いとなって北大西洋条約機構(NATO)加盟国の間に亀裂が走るとプーチン氏は読んでいる可能性があると。
とはいえ、ガスを「戦略兵器」として利用すれば、プーチン氏にとっても多大なるリスクが伴うと、WSJ。
プーチン氏が欧州へのガス供給を完全に絶てば、ロシアは50年にわたって築き上げてきた欧州にとって「信頼できるエネルギー供給国」との評価を失う。
完全停止に至らなくても、慌てた欧州が代替のエネルギー調達先を確保するという計画を実現すれば、プーチン氏にとっては負けだ。
いずれにしても、ロシアは主要ガス顧客として、中国に大きく依存する可能性が高まりそうだ。そうなれば、中ロ関係で中国は優位に立てると、WSJ。
ドイツなど欧州諸国は、ロシア産エネルギーから脱却して多様化を急いでいる。今年に入ってガス輸入に占めるロシアの割合を20%まで半減させており、今後5年で完全脱却を目指す。
計画されていた保守点検作業を行う中、ノルドストリーム経由のガス輸出は完全に止まった。独エネルギー大手ユニパーは18日、ガスプロムからフォースマジュール(不可抗力)を宣言する書簡を受け取ったと明らかにした。これは供給が契約通り履行できないと宣言して、サプライヤーが責任を負わないことを示す法的手段なのだと、WSJ。
プーチン氏は、エネルギーを巡る瀬戸際戦術による打撃で、西側諸国がロシアへの制裁とウクライナへの重火器供与を続ける意思が薄れると確信している。ボン大学の研究者で、エネルギー市場について政府やNATOに助言するフランク・ウンバッハ氏はこう話しているのだそうです。
長期的にみれば、ガスプロムが欧州という最大市場から閉め出されれば、ロシアにとっては負けとなる。
船舶に搭載して新たな市場へと海上輸送できる石油とは異なり、ガスは往々にしてパイプラインのインフラに制約される。
S&Pグローバル の副会長で、エネルギー史学者のダニエル・ヤーギン氏は、欧州市場の喪失分を中国で満たすことになり、「2~3年後には、ロシアは石油・ガスの主要生産国にとどまっても、エネルギー覇権国ではなくなるだろう。中国への依存が極めて大きくなる」と。
サハリン1, 2からの供給をエプソンやシェルは撤退することとしましたが、日本の商工会議所や経団連のトップは、撤退しても中国が代わりに進出するとして、ウクライナの国民の塗炭の苦しみより自国企業の利益を優先する方針を示し、岸田内閣も同調しました。
北方四島返還の見返りでの開発支援でもあったものが、ゼロ島返還で落着して嵌った今は無意味であることに加え、自由主義国が連携する、国際制裁網破りです。
しかも、プーチンからは、非友好国指定にリストアップ。更に、サハリン1,2の開発体を変更し、日本企業の参画を保留に。
元々、外務大臣時代には、内弁慶で国益を損なう実績が多かった岸田氏。完全な外交失政ですね。
ドイツ等のEU諸国同様、数年計画で、脱露対策を推進すべきでしょう!
# 冒頭の画像は、ドンバス地方の前線で発生した砲撃で上空に広がる黒煙
ウクライナの反撃、西側提供の新兵器が効果発揮 - WSJ
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