遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

日米中の関係と集団的自衛権

2013-08-17 23:57:05 | 日本を護ろう
 集団的自衛権についての動きが急ですね。
 諸兄がご承知の通り、国連憲章51条で規定された各国が有するもので、NATOなどの組織が造られました。これは、義務を負うものではなく、行使は自由です。
 日本政府の現状の見解は「集団的自衛権を有しているが、必要最小限度の自衛を超えるため、行使できない」というものです。
 米ソ冷戦時代は、日米安保同盟での圧倒的な米国の片務保護のもと、親である米国が非力な子を護るような関係(占領下から抜け出ていないとも言える)であり、集団的自衛権が日米の間で論点となる必要はありませんでした。余談ながらも、この関係に甘んじる限り、日米地位協定の見直しなど、日米の対等な同盟関係を論じることも出来ません。
 米ソの冷戦が緩和し、中国の登場で安保環境が大きく変わった今、その米ソ冷戦時代のままの日本の考えでいいのかと提起している記事がありました。
 

米中と集団的自衛権の深い関係 (8/17 産経 【一筆多論】榊原智)

 中国・人民日報系サイト「人民網日本語版」に14日掲載された論考「東アジアの地政学的状況に地震を引き起こしているのは誰か
」は、日本の集団的自衛権の行使容認の動きを次のように批判した。
 「
日本は、集団的自衛権の行使によって米国の作戦に協力しようとしている。この地域において斬新で、独立した、主導的な地位を追い求めていることは明らかだ。この動きは領土野心の膨張も伴っている。中国の台頭を押さえ込むという点で米日が高度に一致
した共振すら生じている」
 この筆者は、政府系シンクタンク・中国現代国際関係研究院の一員だ。政治宣伝なのかもしれないが、本気で書いているなら、
日本の意図へのとんだ買いかぶり
だ。
 日本は集団的自衛権の行使容認や、ある程度の自衛隊増強といった安全保障改革に進もうとしている。これは、
中国の挑発的な行動を抑止し、公正な平和と安全を確保したいだけ
なのだ。

 このような改革に取り組むのは独立国として当然だが、
米国の中国をみる目が、冷戦期のソ連に対する場合と異なる
からでもある。
 ソ連は強大な存在だった。経済力こそ劣ったが軍事的にもイデオロギー的にも米国と敵対する冷戦の一方の雄、横綱だった。
 日本国内では、ソ連の掲げる社会主義になびく勢力が憲法9条をたてに国を守る努力をいつも妨害していた。陸上自衛隊の兵力は今より少し多かったとはいえ、有事法制さえなかった。
 それでも日本は冷戦を乗り切った。そこには、9条に由来する現憲法の安全保障上の欠陥を、日米安保条約に基づく日米同盟が補完する構造があった。
 
米国にとってソ連が不倶戴天(ふぐたいてん)の敵だったゆえに、日本はこの構造に安住できたといえよう。自衛隊自身の努力は別にして、冷戦期の日本政府が防衛努力の手を抜いていたことは否めないが、対日攻撃があれば米国が本気で立ち上がることは期待できた

 横綱ソ連と比べ、
今の中国はどうか。経済力を背景に軍拡中だが大関あたりだろうか。横綱より格下だから「集団的自衛権を含め、今後も冷戦期と同じ憲法解釈でいけばいい」と考えるなら、それは浅慮
というものだ。
 先に記したように、
米国の対中観は、ソ連のような不倶戴天の敵とは違うからだ。杏林大学名誉教授の田久保忠衛、外交評論家の加瀬英明両氏が指摘するように、米国ではしばしば中国を、経済上の友人(フレンド)と軍事上の敵(エネミー)を掛け合わせて「フレネミー(frenemy)」と呼ぶ。「友か、敵か判別できないでいる
」(加瀬氏)かのようだ。
 
日米安保条約においても、米国が半ば自動的に日本を防衛するわけではもはやない

 それでは、面倒が起こりそうな国を抑止して平和を保つには
どうすればいいか。日本は核武装を志向していないのだから、腰が定まらぬ米国をこちら側にひきつける同盟の強化こそが解答
になる。

 米国は惰弱な国や国民を尊重などしない。日本が同盟を結ぶに足る存在であるには、
集団的自衛権の行使容認をはじめとする安全保障改革が欠かせない。(論説委員)

 日本の論議の盛り上がりに対する中国の反応は、東アジアの地政学的状況に地震を引き起こしているのは、斬新で、独立した、主導的な地位を追い求めている日本で、領土野心の膨張も伴っていると言うものだそうです。
 例によって、自分のやっていることを他人が始めたように喧伝しています。東アジアの平和を乱して覇権拡大を進めているのは、中国です。

 そして、その中国の侵略行為への抑止力を高めることで日米が協力しあおうとしているのです。
 日米には安保条約があり同盟国ですから、いまさら日米関係を中国にとやかく言われる筋合いはないのです。
 ところが、中国の覇権拡大の侵略にとってもっとも障壁となるのが米国ですね。そこで、米国の関与を減じることが最大の課題であり、「接近阻止・領域拒否」作戦を展開したり、日米安保条約の適用範囲へのクレームをしつこく繰り返したりしています。

 それは今更始まったことではないのですが、問題は米国や日本の動向です。
 記事でも指摘されている通り、米国の対中姿勢は定まっていません。オバマ大統領再選後の対中姿勢は、これまでの中国包囲網戦略を少し転換している様に見えます。
 オバマ大統領は、習近平との会談では、日米同盟の重要さを説いて、習近平に牽制していただいた様ですが、日本との絆は、鳩、菅と続いた失政で亀裂が入ったものが修復されるまでには至っていません。
 それを見透かした、習近平の早とちりでもあったのでしょう。

 記事では、「面倒が起こりそうな国を抑止して平和を保つにはどうすればいいか」ということで、その答えは「米国との同盟強化」と結論づけておられます。そして、同盟強化には「集団的自衛権」の行使を容認することなどの安全保障改革が必要だと。
 ソ連との対峙で占領下の日本を地勢上必要とし丸抱えして保護した米国でしたが、軍事予算削減で、空母の削減も迫られている軍事事情。国内の景気や雇用回復を重点政策と唱え、輸出拡大を進めるオバマ政権。安全保障では独りで丸抱えが出来なくなり、同盟国との分担が必要となり、当面の輸出拡大に中国市場は無視できない現状です。
 日米双方にメリットのある日米同盟の在るべき新しい姿は何かを考えなおす時が来ています。
 米国に丸投げでおんぶにだっこの安保体制は終わりにする時がきているのです。平等で、双方にメリットのある体制が構築されることで、地位協定も平等なものに改定が出来るのです。
 核兵器の分担保有とまでは言いませんが(話すくらいは自由)、抑止力と防衛の為の敵基地攻撃能力強化などいろいろありますが、「集団的自衛権行使の容認」は、同盟強化の重要な項目の一つですね。

 遙か海のかなたの日本まで来て、震災救難は勿論、日本を護る(=米国を護る)為の訓練をして訓練場で命を落とした若者に、お悔やみの一言も言わないで墜落だけを鬼の首を獲った様に騒ぎ立てる。
 それは、自国に代わって護ってもらっている同盟国への姿勢ではないし、日本の文化にも反する行為です。
 地位協定の不平等を訴えるには、不平等な日米同盟を改革することが必要であり、命を落とした若者には、心からのお悔やみと日米の安全保障の為に命を捧げていただいたことに感謝せねばなりません。
 フェンスに針を仕込んだリボンを付ける行為は、日本の文化にはありません。



 # 冒頭の画像は、米軍普天間飛行場の野嵩ゲート付近で、基地フェンスにリボンやガムテープを取り付ける反基地運動家と取り除く若い米兵






  この花の名前は、オオイヌフグリ


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