遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

日本の核武装はあり得るか? 米・ブルッキングス研究所で議論

2019-11-01 01:23:58 | 日本を護ろう
 ワシントンで最も伝統があり、最も規模の大きい民間研究機関のブルッキングス研究所で、「パワー大競合時代の日本」と題する報告書が公表されたのだそうです。
 日本が、中国や朝鮮半島などの変化に対してどんな対外戦略をとるのかの討論をまとめたもので、討論のなかに、「日本の核オプション(選択肢)は?」と題された章があり、討論参加者の発言を古森氏が紹介しておられます。
 東アジアの情勢が激動している中、日本はどう対応するのかが、米国の専門家が注目している点を古森氏は強調しておられます。
 つまり、米国の専門家が注目するほどに緊張が高まっていて、日本の対応が鍵を握るとみられているのですね。
 
日本の核武装はあり得るか? 米国で専門家が議論 ブルッキングス研究所「日本は深刻な危機に直面している」(1/4) | JBpress(Japan Business Press) 2019.10.30(水) (古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授)

 日本は独自の核能力を開発する意図があるのか――つい最近、米国のアジア専門家集団の間でこんな議論が展開され、その内容が公表された
 日本は自国を取り巻く国際安全保障環境が厳しさを増すなか米国と離反することをいとわず、核武装へと向かうのではないか、という仮説が提起されたのだ。
 
日本にとっての国際情勢は、米国から見てもそれほど危険を感じさせる状況だということだろう。

危機に直面した日本の対応を討論
 米国で「日本の核武装はあり得るのか」という疑問が取り沙汰されていることについて、日本側としては「なぜ、いま?」と当惑することだろう。だが、米国でこの問題をめぐる
討論の舞台となったのは、ワシントンで最も伝統があり、最も規模の大きい民間研究機関のブルッキングス研究所である。しかもその討論に参加したのは、実績があり米国で名前を知られた官民の専門家や学者だった。

 ブルッキングス研究所は10月下旬、「パワー大競合時代の日本」と題する報告書を公表した。執筆者は、同研究所副所長で外交政策部長のブルース・ジョーンズ氏を中心とした7人のブルッキングス所属の研究員である。いずれも中国、日本、東アジアなどの専門家だ。
 彼らは、東アジアで米国にとって最重要の同盟国とされる
日本が、中国や朝鮮半島などの変化に対してどんな対外戦略をとるのかを、長時間討論した。その討論の記録をまとめたのが、報告書「パワー大競合時代の日本」である。

 
ブルッキングスといえば、ワシントンに数ある民間のシンクタンクのなかでも伝統的に民主党寄り、リベラル系の機関である。研究所としての基本スタンスも民主党リベラルに傾斜している。研究所に集まる研究者、学者、元政府高官、元軍人らもほぼ全員が民主党政権支持を明確にしてきた。だから共和党保守のトランプ政権には批判的な傾向が強い。
 そのブルッキング研究所がこの時点で日本の安全保障について論じるのは、日本にとっての国際環境がかつてなく厳しいと見ているからだ。報告書の作成にあたったジョーンズ氏は、
日本にとっての安保上の脅威や危険、不安定の要因として以下の諸点を挙げていた。

中国の軍拡対外的な軍事的攻勢
中国の武装艦艇の尖閣諸島海域への侵入
米国の対中攻勢による緊張の高まり
北朝鮮の核兵器とミサイルの脅威
日本と韓国の対立
トランプ政権の一貫しない対日防衛政策、対アジア政策

 以上のような要因により危機に直面した日本が、自国防衛のため、さらには対外戦略としてどんな対応を示すのかを探るのが、討論の主目的だった。トランプ政権の政策を日本にとっての脅威や不安定の要因として挙げるのは、いかにも民主党寄りの専門家たちらしい認識だと言えるだろう。

日本は核武装するのか?専門家の見方
 さて、その7人による討論のなかに、
「日本の核オプション(選択肢)は?」と題された章があった。
 問題を提起したのはジョーンズ氏だ。同氏は「さあ、こうした情勢下の日本は独自の核兵器能力を開発する必要性をどのように感じているだろうか」と問いかけた。その背後に、日本にとってこれだけ安保上の危機や脅威が高まると、自主防衛や、極端な場合、核武装という手段を考え始めても不自然ではない、という推定があることは明白だった。
 この問いに対する
討論参加者たちの発言を紹介しよう。

◎マイケル・オハンロン氏(日米同盟やアジア安全保障の専門家) 
「日本にとって、核兵器保有の決定を下すにはまだ時期尚早だと思う。しかし
日本では核武装について会議で語り、論文で論じることはこれまでのような禁断ではなくなったと言える。日本がその方向に実際に動くのは、まだ遠い先のことだろう。ただし日本がいったん核武装の決定を下せば、きわめて早くそれを実行できるだろう。核兵器の拡散を心配する側にとっては慰めにならない状況だと言える」

◎ミレヤ・ソリス氏(日本研究学者)
「日本では、
(アメリカに)自国が放棄されるのではないかという懸念が高まっている。トランプ政権が北朝鮮の核兵器保有や短距離ミサイル能力保持を完全に認めてしまい、日本の根幹の安全保障が脅かされるのではないか、という恐れが日本にはある。核兵器保有の選択をめぐる論議も、それに伴い広がる可能性がある。

 しかし
安倍晋三首相は日本の非核三原則には変化はないと言明し続けている。日本全体としても、現在は核武装に進むことによるマイナスはプラスをはるかに上回ると考えているようだ。日本の核武装はアジアに軍拡競争をもたらすだろう。しかも日本国民の意見は反核が強く、原子力の平和利用にも反対の立場の人たちが多数いる。まして核兵器を配備して他国に照準を合わせるという計画を受け入れる国民は少ないだろう」

◎アダム・リフ氏(日中安保関係の専門家)
「日本の
(被爆国という)歴史の重みを考えると、独自の核兵器保有という道は、たとえ戦略的論理がその必要性を認めていても、きわめて難しいと思う。最近の日本では、核武装の必要性を説く戦略的議論が登場してきた。だが、現状を完全に激変させる一大危機が突然起きたような場合でなければ、核のオプションを選ぶことは難しいだろう。

 
安倍政権は2012年以来、安全保障面で重要な政策をいくつも採択し、自衛隊を徐々に強化してきた。だが核兵器の開発となると次元は異なる。自衛隊の強化とは根本的に異なる、きわめて政治的な範疇の政策となる。

 日本の核兵器への反応は、韓国のそれと比べると興味深い。両国ともに北朝鮮の核兵器の脅威に直面しているが、それぞれの国民の核に対する態度はまるで異なるのだ」

 こうした米国の専門家たちの発言は、いずれも、
近い将来に日本が核武装する可能性はないという判断を示している。だが、それでもこうした議論が同盟国の米国で真剣に展開されるという現実は、日本側としても知っておくべきだろう。

 結論からいうと、米国の専門家たちの発言は、いずれも、近い将来に日本が核武装する可能性はないという判断。
 だが、こうした議論が同盟国の米国で真剣に展開されるという現実は、日本側としても知っておくべきだと古森氏。
 米国の専門家が危惧を抱き注目するほどに、日本で危機感が持たれているのか。対策を講じるのは一朝一夕に行えるものではなく、日本での議論と対応策の構築が急がれているということですね。

 日本にとっての安保上の脅威や危険、不安定の要因として挙げられたのは以下。
 ・中国の軍拡と対外的な軍事的攻勢
 ・中国の武装艦艇の尖閣諸島海域への侵入
 ・米国の対中攻勢による緊張の高まり
 ・北朝鮮の核兵器とミサイルの脅威
 ・日本と韓国の対立
 ・トランプ政権の一貫しない対日防衛政策、対アジア政策

 討論参加者たちの発言が紹介されていて、いずれもよく観ておられますが、遊爺は、アダム・リフ氏(日中安保関係の専門家)の発言に一番近い考えです。
 
 最近の日本では、核武装の必要性を説く戦略的議論が登場してきたが、現状を完全に激変させる一大危機が突然起きたような場合でなければ、核のオプションを選ぶことは難しいというもの。
 戦後70年、憲法前文が言う、自国の安全保障を他国民に依存が続行され、米国の核の傘の下で、米国におんぶにだっこで護られてきた日本の安全保障。
 日本は、すっかり平和ボケしてしまっていて世界の普通の国の様な、自国を自国民で護ることを忘れています。
 米国の黒船が、明治の夜明けのきっかけをくれ、人々が目覚め世界に通用する国家体制を樹立しました。

 クルド軍の貢献を得て自称イスラム国と闘った米国でしたが、トランプ大統領はクルドを見捨て撤退すると言っています。その最中のバグダディ襲撃をトランプ氏は誇示しましたが、寄与したのはクルド工作員。
 決め手は下着のDNA…バグダディ容疑者の身元特定 クルド潜入工作員が入手 写真3枚 国際ニュース:AFPBB News

 アメリカファーストのトランプ氏は、日本にとっても平成・令和の黒船。
 米国におんぶにだっこの平和ボケから目覚めねばならない時がきているのです。

 中国からの侵略のエスカレート、日本列島を沈没させると豪語する北朝鮮の核とミサイルの脅威、竹島を不法占拠したままで、自衛隊機にロッオンしながら嘘を言う韓国、北方領土に終戦時のドサクサで平和条約がありながら攻め込んで不法占拠し、軍事施設の拡充を進め、四島返還をなきこととしているロシア。
 こうした不法国家に取り囲まれている日本。しかも、それぞれの不法行為はエスカレートする一方。

 米国の専門家が危惧して議論していただいているのに、肝心の日本では、どれだけ議論や対策の構築がなされているのでしょう。
 平和ボケから目覚める時がきているのですが。。

 

 # 冒頭の画像は、金正恩
  北朝鮮から弾道ミサイル発射か 排他的経済水域外に落下か | NHKニュース




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1 コメント

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日本人の平和ボケ (韓国ゲスト)
2019-11-01 18:52:46
アメリカは新しい孤立主義に向かっています。 私の考えにアメリカの戦略は20世紀初頭のそれに帰るのではないか。 韓国はもう米国から見捨てられ、中国の下に入るとしても、日本はそうならないためには普通の国家および核武装をしなければならないでしょう。いまだに平和妄想から抜け出せない日本人を見ると、確かに李氏朝鮮当時の被支配階層の苦痛を日本国民が体感する必要性があるように見えますね。朝鮮人はそのような苦痛の中で外貌と精神が奇形的に変わるようになったのです。
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