習近平は、2012年の総書記就任後初めて。中国国家主席・総書記の訪朝は05年の胡錦濤氏以来14年ぶりという訪朝を実施しました。
その目的は何だったのか。そして成果はあったのか。G20での米中首脳会談を前に行われた訪朝に注目されました。
しかし、内容は中朝の両首脳からのトランプ米大統領を意識した「弱音」「遠吠え」とも思える発言が漏れてきて、中朝両国の窮状が明らかになっただけ。
「中国は(北朝鮮の)安全保障と発展に関する懸念を解決するため、力の及ぶ限り援助を提供したい」「朝米対話の継続と成果を国際社会が望んでいる」と語った習近平。
金正恩は、「朝鮮半島の緊張緩和のために積極的な措置を取ってきたが、関係国(米国)から前向きな反応を得られなかった」「われわれは忍耐心を保ちたい。関係国もわれわれに歩み寄ることを望む」と。
対米交渉に頓挫していて、米国からの経済圧力に苦しむ同志の両国。G20での米中首脳会談を控え、トランプ大統領に両国の関係の濃さをアピールしようとしたのでしょうが、中身のない、崖っぷちにある両首脳が国内外向けに、上辺だけの友好親善をアピールをしただけのものに終わりました。
中国は、トランプ政権による「共産党独裁国家による覇権阻止」という断固たる姿勢に追い込まれつつあり、米国防総省は 1日、「インド太平洋戦略」という報告書で、習政権の「台湾統一」という野望を阻止する姿勢を、世界に宣言しています。
中朝両首脳は今回、蜜月ぶりをアピールしているが、根深い相互不信が横たわっていて、習氏は、中国との国境近くで核実験を繰り返す正恩氏に激怒し、父の正日(ジョンイル)総書記から「中国を信用するな」という遺訓を受けている正恩氏が「核・ミサイル開発」を強行した背景には、中国への不信感があるのだと。
潮匡人氏は「習氏には『何とか米国を牽制したい』という動機があっても、米中貿易戦争が激化するなか、『これ以上、米国を刺激したくない』との思いがある」と。
米朝会談が実施されるまでは、中国の対北影響力への期待をもっていたトランプ大統領でしたが、いまや中国とまとめてまるごと攻めて(北には硬軟織り交ぜたディール)いますね。
香港の大規模デモへの流血制圧には、欧米諸国から猛批判が起きて、G20を控え、一旦の終息に追い込まれる醜態も習近平には痛手。
正恩氏側も、習氏を熱烈歓迎するシーンばかりを報道したあたり、会談の中身のなさの裏返し。「何のためか、よく分からない会談だった」との潮氏の評価通りの習近平訪朝、空振り劇でした。
# 冒頭の画像は、訪朝した習近平夫妻
この花の名前は、チシマキンバイ
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その目的は何だったのか。そして成果はあったのか。G20での米中首脳会談を前に行われた訪朝に注目されました。
しかし、内容は中朝の両首脳からのトランプ米大統領を意識した「弱音」「遠吠え」とも思える発言が漏れてきて、中朝両国の窮状が明らかになっただけ。
トランプ氏に追い詰められ…窮地の習近平氏&正恩氏“弱音”発言連発 識者「中身なし…何のためかよく分からない会談」 - zakzak 2019.6.22
中朝両国の窮状が明らかになった。中国の習近平国家主席は20日、北朝鮮・平壌(ピョンヤン)を初めて公式訪問し、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と会談した。当初、「対米強硬路線」で盟約を結ぶとの見方もあったが、中国は米中新冷戦で経済的・政治的に追い込まれているうえ、北朝鮮も国際的経済制裁で窮地にある。中朝の両首脳からは、来週末に迫った大阪でのG20(20カ国・地域)首脳会合を見据えて、ドナルド・トランプ米大統領を意識した「弱音」「遠吠え」とも思える発言が漏れてきた。
◇
習氏「中国は(北朝鮮の)安全保障と発展に関する懸念を解決するため、力の及ぶ限り援助を提供したい」「朝米対話の継続と成果を国際社会が望んでいる」
正恩氏「朝鮮半島の緊張緩和のために積極的な措置を取ってきたが、関係国(米国)から前向きな反応を得られなかった」「われわれは忍耐心を保ちたい。関係国もわれわれに歩み寄ることを望む」
中国国営中央テレビは20日、中朝両首脳のこんな会話を報じたという。習氏も正恩氏も、トランプ氏を強く意識していることが分かる。
習氏の訪朝は2012年の総書記就任後初めて。中国国家主席・総書記の訪朝は05年の胡錦濤氏以来14年ぶり。
この日、習氏と彭麗媛夫人を乗せた専用機が平壌国際空港に到着すると、正恩氏と李雪主(リ・ソルジュ)夫人がタラップの下で出迎え、握手を交わした。約1万人の市民が詰めかけて歓迎式典が行われ、「血で固めた朝中人民の友情団結万歳!」などのスローガンが掲げられた。
「血の友誼」と呼ばれた中朝の同盟関係を誇示したが、冒頭の会話を聞くまでもなく、「隠れた主役」はやはりトランプ氏だった。
中国は、トランプ政権による「共産党独裁国家による覇権阻止」という断固たる姿勢に追い込まれつつある。
トランプ政権は5月、対中制裁関税「第4弾」として、中国からのほぼすべての輸入品に高関税を課す準備を開始した。中国通信機器大手「華為技術(ファーウェイ)」への禁輸も決め、同盟国に賛同を求めている。
加えて、米国防総省は1日、「インド太平洋戦略」という報告書で、米国がインド太平洋地域で新たに関係を強化すべき4カ国(four countries)として、「シンガポール」「台湾」「ニュージーランド」「モンゴル」の名前を挙げたのだ。
習政権の「台湾統一」という野望を阻止する姿勢を、世界に宣言したといえる。
台湾は東・南シナ海の「シーレーン防衛の要石」でもあり、中国による同海域の軍事的覇権も食い止める覚悟といえそうだ。
米国の強い姿勢に後押しされたのか、香港では中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正問題に反対する学生・市民らの大規模デモが拡大した。12日には警官隊が強権制圧に乗り出したが、「自由」「民主」「法の支配」を求める学生・市民らの声は高まり、16日夜の大規模デモは、過去最大の「200万人近く」に膨れあがった。外資の「香港脱出」も指摘され、習政権の強権制圧は失敗した。
北朝鮮も、米国主導の経済制裁で危機的状況にある。
正恩氏は今年2月、ベトナムの首都ハノイで、トランプ氏と2度目の米朝首脳会談に臨んだが、物別れに終わった。最大限にまで強まった国際社会の制裁によって「外貨不足は深刻」との報道もある。農業資材も輸入できず、1990年代の「食糧危機」が再来しかねない現状だ。
中朝両首脳は今回、蜜月ぶりをアピールしているが、根深い相互不信が横たわる。
習氏は、中国との国境近くで核実験を繰り返す正恩氏に激怒したといい、2017年には北朝鮮に対する事実上の経済封鎖とも言える国連安全保障理事会の制裁決議に賛成した。
一方、北朝鮮が「核・ミサイル開発」を強行した背景にも、中国への不信感がある。世襲による権力継承に批判的だった中国に、正恩氏は強い警戒感を抱いていた。父の正日(ジョンイル)総書記も「中国を信用するな」という遺訓を残したとされる。先の2度目の米朝首脳会談後、正恩氏は特別列車で中国国内を通過しながら、北京には立ち寄らなかった。
今回の首脳会談では、独裁国家同士の中国と北朝鮮が「対米強硬路線」で盟約を交わす可能性も指摘されていた。だが、圧倒的な経済力と軍事力を持つ米国のトランプ政権を相手に、過激な発言は目立たなかった。
結局、崖っぷちにある両首脳が国内外向けに、上辺だけの友好親善をアピールをしただけではないのか。
評論家で軍事ジャーナリストの潮匡人氏は「習氏には『何とか米国を牽制(けんせい)したい』という動機があっても、米中貿易戦争が激化するなか、『これ以上、米国を刺激したくない』との思いがあるのだろう。香港の大規模デモへの流血制圧には、欧米諸国から猛批判が起きた。『大阪でのG20を穏便に済ませたい』という苦境もある。正恩氏側も、習氏を熱烈歓迎するシーンばかりを報道したあたり、会談の中身のなさの裏返しではないか。正直、何のためか、よく分からない会談だった」と語っている。
中朝両国の窮状が明らかになった。中国の習近平国家主席は20日、北朝鮮・平壌(ピョンヤン)を初めて公式訪問し、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と会談した。当初、「対米強硬路線」で盟約を結ぶとの見方もあったが、中国は米中新冷戦で経済的・政治的に追い込まれているうえ、北朝鮮も国際的経済制裁で窮地にある。中朝の両首脳からは、来週末に迫った大阪でのG20(20カ国・地域)首脳会合を見据えて、ドナルド・トランプ米大統領を意識した「弱音」「遠吠え」とも思える発言が漏れてきた。
◇
習氏「中国は(北朝鮮の)安全保障と発展に関する懸念を解決するため、力の及ぶ限り援助を提供したい」「朝米対話の継続と成果を国際社会が望んでいる」
正恩氏「朝鮮半島の緊張緩和のために積極的な措置を取ってきたが、関係国(米国)から前向きな反応を得られなかった」「われわれは忍耐心を保ちたい。関係国もわれわれに歩み寄ることを望む」
中国国営中央テレビは20日、中朝両首脳のこんな会話を報じたという。習氏も正恩氏も、トランプ氏を強く意識していることが分かる。
習氏の訪朝は2012年の総書記就任後初めて。中国国家主席・総書記の訪朝は05年の胡錦濤氏以来14年ぶり。
この日、習氏と彭麗媛夫人を乗せた専用機が平壌国際空港に到着すると、正恩氏と李雪主(リ・ソルジュ)夫人がタラップの下で出迎え、握手を交わした。約1万人の市民が詰めかけて歓迎式典が行われ、「血で固めた朝中人民の友情団結万歳!」などのスローガンが掲げられた。
「血の友誼」と呼ばれた中朝の同盟関係を誇示したが、冒頭の会話を聞くまでもなく、「隠れた主役」はやはりトランプ氏だった。
中国は、トランプ政権による「共産党独裁国家による覇権阻止」という断固たる姿勢に追い込まれつつある。
トランプ政権は5月、対中制裁関税「第4弾」として、中国からのほぼすべての輸入品に高関税を課す準備を開始した。中国通信機器大手「華為技術(ファーウェイ)」への禁輸も決め、同盟国に賛同を求めている。
加えて、米国防総省は1日、「インド太平洋戦略」という報告書で、米国がインド太平洋地域で新たに関係を強化すべき4カ国(four countries)として、「シンガポール」「台湾」「ニュージーランド」「モンゴル」の名前を挙げたのだ。
習政権の「台湾統一」という野望を阻止する姿勢を、世界に宣言したといえる。
台湾は東・南シナ海の「シーレーン防衛の要石」でもあり、中国による同海域の軍事的覇権も食い止める覚悟といえそうだ。
米国の強い姿勢に後押しされたのか、香港では中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正問題に反対する学生・市民らの大規模デモが拡大した。12日には警官隊が強権制圧に乗り出したが、「自由」「民主」「法の支配」を求める学生・市民らの声は高まり、16日夜の大規模デモは、過去最大の「200万人近く」に膨れあがった。外資の「香港脱出」も指摘され、習政権の強権制圧は失敗した。
北朝鮮も、米国主導の経済制裁で危機的状況にある。
正恩氏は今年2月、ベトナムの首都ハノイで、トランプ氏と2度目の米朝首脳会談に臨んだが、物別れに終わった。最大限にまで強まった国際社会の制裁によって「外貨不足は深刻」との報道もある。農業資材も輸入できず、1990年代の「食糧危機」が再来しかねない現状だ。
中朝両首脳は今回、蜜月ぶりをアピールしているが、根深い相互不信が横たわる。
習氏は、中国との国境近くで核実験を繰り返す正恩氏に激怒したといい、2017年には北朝鮮に対する事実上の経済封鎖とも言える国連安全保障理事会の制裁決議に賛成した。
一方、北朝鮮が「核・ミサイル開発」を強行した背景にも、中国への不信感がある。世襲による権力継承に批判的だった中国に、正恩氏は強い警戒感を抱いていた。父の正日(ジョンイル)総書記も「中国を信用するな」という遺訓を残したとされる。先の2度目の米朝首脳会談後、正恩氏は特別列車で中国国内を通過しながら、北京には立ち寄らなかった。
今回の首脳会談では、独裁国家同士の中国と北朝鮮が「対米強硬路線」で盟約を交わす可能性も指摘されていた。だが、圧倒的な経済力と軍事力を持つ米国のトランプ政権を相手に、過激な発言は目立たなかった。
結局、崖っぷちにある両首脳が国内外向けに、上辺だけの友好親善をアピールをしただけではないのか。
評論家で軍事ジャーナリストの潮匡人氏は「習氏には『何とか米国を牽制(けんせい)したい』という動機があっても、米中貿易戦争が激化するなか、『これ以上、米国を刺激したくない』との思いがあるのだろう。香港の大規模デモへの流血制圧には、欧米諸国から猛批判が起きた。『大阪でのG20を穏便に済ませたい』という苦境もある。正恩氏側も、習氏を熱烈歓迎するシーンばかりを報道したあたり、会談の中身のなさの裏返しではないか。正直、何のためか、よく分からない会談だった」と語っている。
「中国は(北朝鮮の)安全保障と発展に関する懸念を解決するため、力の及ぶ限り援助を提供したい」「朝米対話の継続と成果を国際社会が望んでいる」と語った習近平。
金正恩は、「朝鮮半島の緊張緩和のために積極的な措置を取ってきたが、関係国(米国)から前向きな反応を得られなかった」「われわれは忍耐心を保ちたい。関係国もわれわれに歩み寄ることを望む」と。
対米交渉に頓挫していて、米国からの経済圧力に苦しむ同志の両国。G20での米中首脳会談を控え、トランプ大統領に両国の関係の濃さをアピールしようとしたのでしょうが、中身のない、崖っぷちにある両首脳が国内外向けに、上辺だけの友好親善をアピールをしただけのものに終わりました。
中国は、トランプ政権による「共産党独裁国家による覇権阻止」という断固たる姿勢に追い込まれつつあり、米国防総省は 1日、「インド太平洋戦略」という報告書で、習政権の「台湾統一」という野望を阻止する姿勢を、世界に宣言しています。
中朝両首脳は今回、蜜月ぶりをアピールしているが、根深い相互不信が横たわっていて、習氏は、中国との国境近くで核実験を繰り返す正恩氏に激怒し、父の正日(ジョンイル)総書記から「中国を信用するな」という遺訓を受けている正恩氏が「核・ミサイル開発」を強行した背景には、中国への不信感があるのだと。
潮匡人氏は「習氏には『何とか米国を牽制したい』という動機があっても、米中貿易戦争が激化するなか、『これ以上、米国を刺激したくない』との思いがある」と。
米朝会談が実施されるまでは、中国の対北影響力への期待をもっていたトランプ大統領でしたが、いまや中国とまとめてまるごと攻めて(北には硬軟織り交ぜたディール)いますね。
香港の大規模デモへの流血制圧には、欧米諸国から猛批判が起きて、G20を控え、一旦の終息に追い込まれる醜態も習近平には痛手。
正恩氏側も、習氏を熱烈歓迎するシーンばかりを報道したあたり、会談の中身のなさの裏返し。「何のためか、よく分からない会談だった」との潮氏の評価通りの習近平訪朝、空振り劇でした。
# 冒頭の画像は、訪朝した習近平夫妻
この花の名前は、チシマキンバイ
↓よろしかったら、お願いします。