遊爺雑記帳

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チャイナ・セブン 死闘の最中

2019-06-22 01:23:45 | 中国 全般
 米中の覇権争いの「新冷戦時代」を迎えている今日、2018年の全人代(全国人民代表大会)で任期制限を撤廃する憲法改正に成功し、選挙は残るものの長期にわたって国家主席の座にとどまることを可能とし、毛沢東に肩を並べる権威を手に入れ、権力基盤を固めたと見られていた習近平の座が、早くも揺らぐ兆候が見え始めた様です。

 習近平氏、「終身」可能に 中国・全人代が憲法改正承認 - BBCニュース

 
【瀕死の習中国】チャイナ・セブンも死闘? 中国共産党幹部「利益奪取と権力闘争で、死ぬか生きるかの戦いしている」 - zakzak 2019.6.21

 「利益奪取と権力闘争で、死ぬか生きるかの戦いをしている」
 中国共産党のある高級幹部が、米ハーバード大学を訪れた際にこう吐露したことを、同大学のシニアフェロー、
ウィリアム・オーバーホルト博士が昨年末、英BBCの番組で明かした。
 オーバーホルト氏は著書『中国・次の超大国』(サイマル出版会)で、1995年にアジア太平洋賞特別賞を受賞するなど長年のチャイナ・ウオッチャーとして知られる。

 
米中貿易戦争について、同氏は「中国の指導者が決断をしない」と暗に習近平国家主席を非難している。週刊東洋経済PLUS(ウェブ版・2018年9月15日号)によると、同氏は「中国の成功は続かない」とも語っていたという。

 
香港紙「アップルデイリー」も17日、評論家の話として、中国共産党の最高幹部、中央政治局常務委員7人(チャイナ・セブン)と、次に続く中央政治局委員を合わせた25人は、習一派の割合が高いが、習氏の新路線を強く信任しているわけではないと報じた

 同紙によると、
序列3位の栗戦書氏は習氏に近いが、序列2位の李克強首相と、序列4位の汪洋副首相、江沢民派で序列7位の韓正氏は、習氏に対して暗に批判的であるという。序列5位の王滬寧氏と、序列6位の趙楽際氏は、国内外の問題に不自然なほどシラけている、などを報じた。
 
李氏と汪氏は共産主義青年団派の背景を持ち、習氏との関係はそもそも遠い。

 一方、プロパガンダを担う
王氏は、一時、習氏を皇帝のごとく持ち上げてみせたが、実際のところ習一派の敵、江沢民元国家主席派の下で暗躍しているとの説が有力だ。

 上海の復旦大学で、国際政治分野の教授だった王氏は、別名「江派二号人物」と呼ばれた曽慶紅元国家副主席(元序列5位)に見いだされた。30年前の「天安門事件」以降、
王氏は党指導理論のブレーンとなり、中央政策局主任の立場で、江沢民・胡錦濤・習近平の総書記3代に仕えた“頭脳”である。
 別の表現では、共産党の一党独裁体制を強化していく目的で、全国に多数いる教授の中から選ばれ、ロケット出世をしてきたのが王氏である。

 ふと、
毛沢東時代の中国最高幹部内で起きていた死闘を思い出す。
 毛主席の後継者だった劉少奇氏は失脚し、獄中死した。その後、林彪氏とその一派は「毛沢東天才論」で持ち上げて懐柔しようと試みた。その裏で、暗殺とクーデターを企てたが失敗。ソ連へ亡命する林氏を乗せた飛行機が、モンゴルに墜落して死亡した。1971年9月13日の「林彪事件」である。

 
現チャイナ・セブンも死闘の最中にあるとすれば、近い将来、何が起きてもおかしくはない。

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 ■河添恵子(かわそえ・けいこ) ノンフィクション作家。1963年、千葉県生まれ。名古屋市立女子短期大学卒業後、86年より北京外国語学院、遼寧師範大学へ留学。著書・共著に『「歴史戦」はオンナの闘い』(PHP研究所)、『トランプが中国の夢を終わらせる』(ワニブックス)、『中国・中国人の品性』(ワック)、『世界はこれほど日本が好き』(祥伝社黄金文庫)など。
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 トランプ大統領の貿易戦争の仕掛けに端を発してエスカレートする米中の覇権争い。その中で苦戦する習近平のせいで失速する中国経済。
 強権発動で政権維持を謀ろうとする習近平ですが、2018年の全人代で憲法改定時の勢いは失速してきている様です。

 中国共産党のある高級幹部から、「利益奪取と権力闘争で、死ぬか生きるかの戦いをしている」と聞いたと英BBCの番組で明かしたのは、長年のチャイナ・ウオッチャーとして知られる米ハーバード大学のウィリアム・オーバーホルト博士。
 米中貿易戦争について、同氏は「中国の指導者が決断をしない」と暗に習近平国家主席を非難しているのだそうで、「中国の成功は続かない」とも語っていたのだと。

 香港紙「アップルデイリー」も、チャイナ・セブンと、次に続く中央政治局委員を合わせた25人は、習一派の割合が高いが、習氏の新路線を強く信任しているわけではないと報じたのだそうです。
 
 ポスト習近平と注目された、共青団派のホープ・胡春華とその対抗馬として習近平が引き立てた陳敏爾の二人登用を見送った、絶妙なと言うか、今思えば微妙な距離感の現チャイナセブン。

 新チャイナ・セブンはマジック――絶妙な距離感 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

 新チャイナセブン 胡春華と陳敏爾は見送り - 遊爺雑記帳

 

 河添氏は、ふと、毛沢東時代の中国最高幹部内で起きていた死闘を思い出すと。
 そして、現チャイナ・セブンも死闘の最中にあるとすれば、近い将来、何が起きてもおかしくはないと。

 もともと行き詰まっていた政府の投資頼みの経済の活路を海外に求めた「一帯一路」政策も、過大な貸し付けで覇権下に収めてしまう"罠"が露呈し始め反発が広がり始めた中での、米中覇権争い。
 米中貿易戦争でも、敗色が濃い習近平の外交手腕。

 汚職の御旗の下、政敵として要人を追放され、殆ど死に体となっている江沢民上海閥や、鄧小平の流れを継ぐ胡錦濤の共青団派との、「利益奪取と権力闘争で、死ぬか生きるかの戦い」が復活しているのですね。

 トランプ大統領だけでなく、与野党が一致団結して中国の覇権拡大の野望に対抗している米国。
 
 河添氏のご指摘の中には、生涯主席の座を確保したかに見えていた習近平の座の危機が含まれるのですね。



 # 冒頭の画像は、香港の港に停泊中の、米海軍の誘導ミサイル巡洋艦チャンセラーズビル
  中国に照準を合わせた米国防省のアジア戦略 トランプ大統領を超越した「インド太平洋戦略報告」を読む(1/5) | JBpress(Japan Business Press)




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