遊爺雑記帳

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バイデン氏をアジアから遠ざける中露の深謀

2021-11-28 01:33:55 | 米国 全般
 アジア・ファースト(アジア第一主義)はアジア・アローン(アジア専念主義)を意味するものではない。これは、世界がバイデン政権と米国に再三にわたって教えようとしている厳しい教訓だと、コラムリストのウォルター・ラッセル・ミード氏。
 バイデン米大統領が当初掲げたアジア重視の政策は、政治的に好ましい判断だった。しかし、アジア第一政策から全世界への関与政策へのこうした転換の動きは、バイデン政権が自発的に選択したものではない。
 これは、敵対諸国の行動が米国に強いたものだ。敵対諸国は、米国を不安定で手一杯の状態にしておけば、米国の衰退の過程を加速させられると考えていると。
 不運なことに中国とロシアやイランは、ホワイトハウスと同じくらい明確に状況を理解し、バイデン氏と同氏が率いる米国の衰退を望んでいる。彼らは、大統領の目をアジアにとどまらせないためにできることをやっているさと、ミード氏。
 
【オピニオン】バイデン氏をアジアから遠ざける中露の深謀 - WSJ 2021 年 11 月 24 日 By Walter Russell Mead

 アジア・ファースト(アジア第一主義)はアジア・アローン(アジア専念主義)を意味するものではない。これは、世界がバイデン政権と米国に再三にわたって教えようとしている厳しい教訓だ欧州駐在の米外交官らは先週、ベラルーシがポーランドとの国境地帯に移民を押し寄せさせるという「移民の武器化」を試みたことへの対応に追われた。外交官らはまた、ロシアがウクライナ侵攻の準備を進めていることを警告し、バルカン半島西部での危機緩和にも取り組んでいた中東ではロイド・オースティン米国防長官が、同地域の主要同盟諸国に対し、安全保障面での役割を果たし続ける米国の決意が固いとの安心感を与えようと努めていた中東ではまた、紅海でのイスラエル、バーレーン、アラブ首長国連邦(UAE)による前例のないアラブ・イスラエル合同軍事演習に米海軍が参加していた。

 
アジア第一政策から全世界への関与政策へのこうした転換の動きはバイデン政権が自発的に選択したものではない。これは、敵対諸国の行動が米国に強いたものだ敵対諸国は、米国を不安定で手一杯の状態にしておけば、米国の衰退の過程を加速させられると考えている

 
ジョー・バイデン米大統領が当初掲げたアジア重視の政策は、政治的に好ましい判断だった。民主党内の進歩派は、真にグローバルな米国の外交政策に求められる軍事支出と政治的関与に真っ向から反対していた。そして、終わりなき戦争や、同盟諸国のただ乗り状態、バルカン西部やスーダンなど遠隔地の紛争への外交的関与や時折の軍事的関与にうんざりしていたのは、民主党進歩派だけではなかった。イランを核問題に関する「包括的共同作業計画(JCPOA)」に復帰させるとともに、ロシアとの間で一部の問題について少なくとも暫定的な合意を達成できれば、欧州と中東への関与を軽減できる、とバイデン政権は期待してきた。そうなれば、対中強硬政策を国民に売り込み、そのための資金を得ることが容易になると期待していたのだ。

 その点についてはバイデン政権は正しい。
不運なことに中国とロシアやイランは、ホワイトハウスと同じくらい明確に状況を理解し、バイデン氏と同氏が率いる米国の衰退を望んでいる彼らは、大統領の目をアジアにとどまらせないためにできることをやっているイランの強硬派は、JCPOAへの復帰に向かって歩みを遅くしているだけでなく、微妙に調整されたロシアと中国からの支援を得て、中東であらゆる弱みを利用し、あらゆる境界線を試そうとしている加えてロシアは、米国が中国に集中できるほど舞台裏に引きこもっている状況とは程遠く、ベラルーシを支援し、ウクライナに対して戦争をも辞さない姿勢を示し、欧州の電力供給をめぐって強まる支配力を見せつけ、東南アジアからサハラ以南のアフリカや中南米に至る各地で存在感を増している

 
われわれの敵対諸国のほか同盟国の一部、ならびに何人かの米国の政策決定者やコメンテーターは二極化した米国が減退および後退にはまり込むとみている。これが対外関与を再調整するバイデン氏に支援を申し出る理由にならない、と修正主義勢力は考えている。それどころか、米国主導の世界秩序への攻撃をさらに強めるべき時だと考えている。この論理はあまりにも明確なため、彼らは対応を調整する必要がない。米国が南シナ海に高くそびえ立つのなら、修正主義者らは黒海を徐々に攻めるだろう。われわれがバルト海で強硬な立場を取るのなら、彼らはバルカン半島で強硬な立場を取るだろう。われわれが中東から逃げようとすれば、彼らがわれわれを引き戻すだろう。

 
米国の政治的なエスタブリッシュメント(既成勢力)の大半は、中国とロシアの連携が米国にもたらす困難がいかに深刻で壊滅的なものなのかをまだ理解していない多くの国民については、言うまでもない。中国は、かつて壊れそうなソビエト連邦がなんとかやっていたよりもずっと洗練されていて強力な敵であり、ロシアはいまだにソ連の陰を感じさせ、今やユーラシア連携のジュニア・パートナーになっているものの、冷酷で並外れた外交の才能を持つ大胆不敵な指導者、ウラジーミル・プーチン氏を擁する。西側諸国に彼に匹敵するほどの指導者はいない。

 
中国とロシアは、互いにそれほど気に入っているわけでも信頼しているわけでもない。米国を脇に追いやることに成功すれば、すぐに不和になるだろう。しかし、現在のところ、彼らの互いの不信感は米国に向けられており、将来自分たちが優位な立場につくため、弱体化する米国の秩序から十分な戦利品を確保しようと競っている。例えば、プーチン氏は西側が弱体化する中でウクライナや黒海への関与を強めている。その背景にはプーチン氏にとってそれが可能であること、そしてロシアと中国が対決する日に備え、テーブルに載せられたすべてのものを獲得しておく必要があるという状況がある。

 
「アジアに軸足」が米国の大戦略として失敗しているのは、敵対国がそれを破壊する意思と能力を持っているからであるこの現実を認識し対応するには、これまで何十年間も見られなかった外交政策上のリーダーシップが米国に必要となる。バイデン氏とその側近はハリー・S・トルーマン元大統領(民主党)を見習うべきだ。彼は政治が2極分化し、ハト派が主流の分裂状態にあった民主党が海外活動よりも国内の社会保障費の支出拡大を求めていた時期に、米国民に冷戦の備えをさせた。これに勝るものはない。

 バイデン大統領の失政とされる、拙速なアフガニスタンからの撤収は、対中国の戦力雑木用の為の大義名分と聞いていたので、アジア第一政策から全世界への関与政策への転換の動きと聞くと、えっと驚きます。
 但し、それはバイデン政権の自発的転換ではなく、中国とロシアやイランがそうさせているのだと。
 というか、対中国向けに戦力を集中しようとするバイデン政権から逃れたいのは中国なのですから、中国が主導しているとは、素人の遊爺でも推測できます。

 イランの強硬派は、微妙に調整されたロシアと中国からの支援を得て、中東であらゆる弱みを利用し、あらゆる境界線を試そうとしているとミード氏。
 ロシアは、米国が中国に集中できるほど舞台裏に引きこもっている状況とは程遠く、ベラルーシを支援し、ウクライナに対して戦争をも辞さない姿勢を示し、欧州の電力供給をめぐって強まる支配力を見せつけ、東南アジアからサハラ以南のアフリカや中南米に至る各地で存在感を増していると。

 米国のバイデン米大統領が当初掲げたアジア重視の政策は、政治的に好ましい判断だったとミード氏。しかし。民主党内の進歩派は、真にグローバルな米国の外交政策に求められる軍事支出と政治的関与に真っ向から反対。
 敵対諸国のほか、同盟国の一部、ならびに何人かの米国の政策決定者やコメンテーターは、二極化した米国が減退および後退にはまり込むとみていると。

 米国の政治的なエスタブリッシュメント(既成勢力)の大半は、中国とロシアの連携が米国にもたらす困難がいかに深刻で壊滅的なものなのかをまだ理解していない。多くの国民については、言うまでもないとミード氏。
 
 中国とロシアは、互いにそれほど気に入っているわけでも信頼しているわけでもない。現在のところ、彼らの互いの不信感は米国に向けられており、弱体化する米国の秩序から十分な戦利品を確保しようと競っていると。
 敵の敵は味方と言う事ですね。

 「アジアに軸足」が米国の大戦略として失敗しているのは、敵対国がそれを破壊する意思と能力を持っているからである。この現実を認識し対応するには、これまで何十年間も見られなかった外交政策上のリーダーシップが米国に必要となる。トルーマン元大統領(民主党)を見習うべきだとミード氏。

 トランプ前大統領は、習近平との初会談でのデザートタイムに、チョコレートケーキを食べながらシリア攻撃を実施したと伝え、習近平が絶句したエピソードは、諸兄がぞ承知の事。
 トルーマン氏に遡らなくても、米中の「新冷戦」を優勢に展開していたトランプ氏が現存し、次期大統領選への出馬の話は消えていない様な?

 トランプは習近平とチョコレートケーキを食べながらシリアを攻撃した|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

 台頭する中国への警戒対策は、議会では与野党一致して動いています。米国民の方々の米国が中国の覇権に下る事のないご判断を期待します。



 # 冒頭の画像は、習近平国家主席とオンラインで会談するプーチン大統領




  この花の名前は、ナスタチウム


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